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ガーネットについて~後編~

宝石紹介シリーズ第一回 ガーネットについての後編となります。

ガーネットたち (私蔵)

とってもキレイな宝石たちですよね。
色んな種類があるように見えますが、実はこれ全てガーネットなんです。
ガーネットといえば深い赤色をした石というイメージが強いと思いますが、
青色以外のほとんどの系統の色が存在する幅広い宝石なんですよね。


この記事では、そんな幅広いガーネットの種類について紹介します。
前半の記事
https://www.fanbox.cc/@gomomo/posts/3751039
では、パイロープガーネットなどを代表とする王道の赤色、アルミニウムグループのガーネットを扱いました。
後編は、意外性のある黄色や緑色をしたカルシウムグループのガーネットです。
ガーネットのイメージがグッと広がると思います。

カルシウムグループ・ガーネット

今回紹介するガーネットたちです。どれも素敵な色や形をしています。
アルミニウムグループと同じように、カルシウムグループも含まれる成分のバランスによって分類されます。

分類のカギとなる成分には3つの属性がありまして、それぞれ、鉄、クロム、アルミニウムとなっています。
上の図ではそれを三角形で表していて、上に行くほど鉄(Fe)、左下ほどクロム(Cr)、右下ほどアルミニウム(Al)の割合が多いガーネットということになります。
実際にどんなガーネットがあるのか、私の所有しているガーネットの写真を交えて紹介していきます。

まずは、左側、アンドラダイトガーネット。和名は灰鉄柘榴石(かいてつざくろいし)です。
鉄を多く含むカルシウムグループガーネットです(ややこしくてすみません)。


鉱物学者ジョゼ・ボニファチオ・デ・アンドラダ・エ・シルヴァさん(↑の肖像画)の名前の一部をとって名づけられています。
緑色や黄色、茶色から黒色までたくさんの色のものが産出されていて、色によって細かな別名がつけられるものもあります。
あとで紹介するレインボーガーネットやデマントイドガーネットも分類としてはアンドラダイトガーネットの仲間です。
北アメリカ、アジア、ヨーロッパ、アフリカと世界中の色々な地域で産出します。
日本でも奈良県で産出するそうですよ。
宝石言葉は友愛、真実、勝利です。少年ジャンプみたいですね。



お次は、上図右側のウバロバイトガーネット。和名は灰クロム(かいくろむ)柘榴石です。
クロムを多く含んでいます。

ロシアのウラル山脈で最初に発見されたときに、ロシアの文部大臣で鉱物コレクターでもあったセルゲイ・ウヴァーロフ氏の名前が由来になっています。
写真のウバロバイトガーネットは、灰色の母岩にたくさんのごく小さな緑色のガーネットがびっしりついているという様子なんですが、これがウバロバイトガーネットの特徴です。
大半が1㎜から大きくても3㎜の石でジュエリーに使えるような大きさの粒の宝石になることはほとんどないみたいで、一説によるとクロムのせいらしいです。
かなり小さい結晶しか取れないので宝石として加工される機会はまずないです。
アクセサリーとして見られるときは母岩ごとペアシェイプの形にカットしたりなどして
周りを金属で囲みネックレスなどにしたりしています。
スペイン、フィンランド、ロシアなどから産出されます。
宝石言葉は、アンドラダイトと同じで、友愛、真実、勝利。


続いて、ほんのりくすんだ黄緑色をしたグロッシュラーガーネット。
和名は、灰礬(かいばん)柘榴石です。
結晶の色形が西洋スグリの実に似ていることから、西洋スグリのラテン語名であるグロッシュラリアの名前がついています。
黄色、赤、緑、黄緑、赤褐色茶褐色、黄褐色等色がすごく多いので色によって様々な商用の宝石名がつけられています。西洋スグリも熟すと赤っぽい色合いになるので、この石にぴったりの名前ですね。
こちらの宝石も、中央・南アジア、南北アメリカ、アフリカなど広い地域で産出します。
日本では、福島県塙町、新潟県糸魚川市で産出するそうです。
宝石言葉は、決断力、実行力、富と権力。先ほどのガーネットよりも意識が高めですね。




上図右側、キレイな黄色をしたものは、マリガーネット。こちらは商用の名前なので和名はありません。
グロッシュラーとアンドラダイトの間に位置しています。学術的な分類というより商用的な都合での呼び分けになります。
マリ共和国で主に産出するためにこの名前が付いています。
黄色や緑、茶色など幅広くいろんな色が産出されます。色はグロッシュラーとアンドラダイト、どっちの成分が多いかでほとんど決まります。
マリ共和国以外にも、スリランカ、マダガスカル、タンザニアなどで産出します。
宝石言葉は、勇気、情熱。シンプルな王道主人公って感じですね。

ここまでが、カルシウムグループのガーネットの大まかな分類です。
商品名としては色や光り方、産地などで様々な呼び分けが存在しています。
ここからはそんな珍しい特徴をもったガーネット、高価なガーネットなどをご紹介します。

こちらはレインボーガーネット。名前の通り複雑に混じり合ったカラーに見える宝石です。
先ほどのマリガーネットと同じでアンドラダイトとグロッシュラーの間に分類されるガーネットなのですが、少し構造が変わっています。
アンドラダイトに近い層とグロッシュラーに近い層が相互に積み重なったことで、光が干渉した部分が虹色に見えるそうです。
発見された当初はアメリカで少しだけ採掘されていましたが、1980年代になるとメキシコでも新たに鉱山が見つかり主要産地がメキシコになりましたが、全体として産出量が極めて少ない幻のガーネットという存在です。

その後アンドラダイトにとても近い成分のレインボーガーネットが奈良で見つかりました。
メキシコのものは茶褐色のものが多く日本産のものは黒に近い茶色のものが多かったため遊色がきれいに見える品質がいいものが多くでました。
現在は日本では採掘が禁止されていて、現在流通しているものは禁止される前に採掘されたもののみで、とても貴重な宝石なんですね。



次は珍しくてお値段が高い宝石です。

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