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『Dear Evan Hansen』

2017年6月の第71回トニー賞授賞式の生中継を観てて、ベン・プラットさんの「Waving Through the Window」が美しくて繊細で心にしみました。アルバムを配信で買って聞いて、この曲がずっと好きです。

この大好きな曲を、三浦春馬さんも好きだと知ってとても嬉しかったのを覚えています。好きなひとが好きな曲を好きだって言ってくれるとものすごく嬉しいんです。
春馬さんはこの舞台をご覧になって、いつか日本で上演されるときはぜひ演じたい、ラミン・カリムルーさんと一緒にこの曲を歌いたいとInstagramに書いてらっしゃいました。
でも永遠に聴けなくなってしまいました。ずっと心の中で響いてました。

舞台は観られません。でも映画化されると知って、この歌がどんな歌なのか、知りたくて待ってました。
映画を観ました。
観て、こんなお話だと初めて知って、ぼうぜんとしました。

(以下、映画の内容に触れます)


エヴァンの嘘は、許されないことです。相手の抱える喪失という空白に、自分の言葉をはめこんで自分の存在意義を満たすのはしてはならないことです。だけどその嘘で救われているひともいるのも真実で、彼らがその言葉で救われてるならもういっそこのまま貫き通してしまえ!と思ったりもして心が揺れました。
エヴァンは目の前で泣くコナーのお母さんや家族を助けたかった。彼なりに愛を届けたかったんだと思います。
エヴァンはお母さんとの関係でも友達との関係でもうまくひとに愛を伝えられない。彼は誰からも愛されていないと感じていますが、本当の問題は彼自身がひとにうまく愛を伝えられないことにあるのです。愛したい心が行き場を失っていると、うまくひとを愛せない自分を責めて心が苦しくなってしまいます。そんなときにめぐりあえたのがコナーの家族という場所なのです。
エヴァンだけじゃなくて、コナーの家族たちもコナーを愛したくても愛せなかったから、エヴァンの言葉にすがったのです。
コナーのことをひそかに想いを寄せていたのに伝えられなかったから彼のメモリアル企画を始めるクラスメイトの女の子もそう。
彼らのつらさは愛されない苦しみ以上に愛せない苦しみなのです。

愛することの難しさを思い知らされました。

亡くなったひとが幸せでいた、そのひとに愛されてた、そのひとを愛せた、出会えてよかったんだと思いたい、って、ひとが相手に望む究極の願いであり、究極のエゴなんだと思いました。存在意義を満たしたい。でも願わずにはいられないのが人間なんだと思います。

エヴァンは言います
「彼は間違っている」と。
コナーが死を選んだのは間違っているというのです。
エヴァン自身も登った木の上で枝から手を離したくせに。
間違いかそうでないかは、わからない。
その選択は間違っていると思う時もあります。
生き切ってその選択しかなかったのならしかたないと思う時もあります。
苦しい人生にピリオドを打って楽になったんだねと思うこともあります。
永遠にわかりません。

この映画を観ながら、ああ、春馬さんもエヴァンの生きづらさに共感スイッチが入ってたのかなと思って、一体どれだけの生きづらさを抱えてたんだろうとふと思って苦しくなったんです。
この作品を観て心震えたはずのひとが、なぜ同じその結末を選んでしまったんだろうと思ったんです。
永遠にわかりません。
ずっと狂おしく考え続けるのでしょう

この映画の絶望と救いはセットになっています。
取り返しのつかないことがある。
でも生きてさえいれば何かを変えられることもあるのです。

心えぐられますが、心えぐられることを掘り下げた誠実な作品だと思います。全体を通して美しいメロディとひとの心をみつめる歌詞が良くて、苦いけど、ひたむきな映画なんです。

朝夏まなとさんと望海風斗さんがこの映画をご覧になったそうです。

ミュージカルも名前は知ってたけど
観たことなかったから気になってて…
胸がぎゅーってなって涙涙でした😭
舞台も観たいー👀

#dearevanhansen
#曲も話もすごく好き

朝夏まなとさんInstagram https://www.instagram.com/p/CXdlNYfllv3/

映画は、泣いた泣いた😭泣くなんて聞いてなかったです💦
ブロードウェイミュージカルを映画化した作品で、曲は知っていたものの内容は知らなかった…🥺これは是非舞台も観たいです!⁡

望海風斗さんInstagram https://www.instagram.com/p/CXdfK9JlPou/


望海さんが朝夏さんと『Dear Evan Hansen』をご覧になって、「Waving Through the Window」という大好きな曲を望海さんもご存じで、わざわざ映画を観に行かれるくらいだからこの曲がお好きとわかって嬉しくてびっくりして。こんなことはよくあるのでしょうが、実際起こると目に見えない縁という繋がりを感じずにいられません。
「Waving Through the Window」という楽曲を春馬さんも好きで歌ってらしたこと、望海さんの心も揺さぶっていたこと、音楽の力に心が震えました。
音楽はひとをつなぐのだと感じました。

三浦春馬さんの歌は永遠に聴けない「Waving Through the Window」
いつか望海風斗さんの「Waving Through the Window」を聴けるかもしれないという新しい夢が生まれました。
素敵な歌なので聴けるといいなぁ
たぶん泣くけどいつか聴きたいです。

この映画を望海さんが朝夏さんとご一緒にご覧になってから数日後に現実が追いかけてきたことに、あまりにもリンクしすぎて苦しくなります。
でもおふたりでご覧になってよかった。とてもとても繊細なお話だから、ひとりでは心が痛くなるから、同じ心の方とご一緒だったら一緒に心が痛くなって一緒に涙を流して、おふたりでこれからも語り合えますよね。それを思うと少しほっとするのです。

お互いに出会えた意味がある、と確かめ合って励まし合える方がいらっしゃることって本当に尊い奇跡だと思います。
今のこのつらい時期に、おふたりの友情がお互いを支えてくださること、そのおふたりを応援したいと心から思っているひとが世界中にいるのです。ファンのひとりとして、なにもできないけれど、ここにもいることを、できるかぎりお伝えしたい。
愛を伝えるのは難しいです。
でもできますようにと祈ります。

起きたことは取り返しがつかないけれど、
生きてさえいれば何かができるから。

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