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コメダの紅茶はレモンが無料。付けてもらうか、真剣に悩んでしまった

コペルニクス的レモン汁

コメダ珈琲に来た。エッセイの原稿を書くためだ。席に着き、紅茶を頼むことに。あれ、よく見るとレモンティーにしても同じ値段なのか。やった〜、レモンティーにしよう。

あれ、待てよ・・。私、本当にレモン入りの紅茶が飲みたかったんだっけ。それとも「レモンもタダなんてお得だから」という邪な理由でレモンティーにしたのか。しばし考える。この滞在を最高のものにするため、損得関係なく本当に飲みたいものを選びたいのだ。

紅茶の味を、レモンありver・なしverでそれぞれ想像する。しばし考えて、やっぱり「心から」レモンが欲しいなと結論が出た。よかったよかった。これで心置きなく、レモンをつけてもらえる。

それにしてもレモンティーなんて、いつから好きになったのだろうか。高校生の頃まではミルクティー一筋で、レモンの美味しさが分からなかった気がする。

そういえばもっと小さい時は、嫌いな食べ物を聞かれて「チーズケーキ」と即答していた時期があった。だってあれは「チーズのケーキ」なはずなのに、レモンの風味がして奇妙だからである。紅茶にしろケーキにしろ、「なんでレモンで邪魔してくるかね・・」と、異論を唱える右翼な子供だったのだ。

それが大人になった今、「そのスッキリ感がいいんじゃない」と考えが変わった。レモン汁のコペルニクス的転回である。今となっては大好物のチーズケーキを去年作ってみた時なんて、レモン汁をドバドバ入れた。レシピの「レモン汁を○○ml入れる」というのを見て「それじゃ少ないだろ」と、なんの根拠もなく増量したのだ。これじゃ、チーズ入りのレモン汁ケーキである。

そういえば余談だが、コペルニクスといえば「世の中が天動説から地動説に移った背景」を本で読んだことがある。「天動説を唱えるのは老人で、若い研究者は地動説を唱え、二極化していた時代があった。議論に決着がつかないまま時が過ぎるうちに、天動説を唱える層が"この世からいなくなった"ため、地動説が主流となった」らしい。その本では老害についてのエピソードの引き合いにこの話を書いてたのが印象的だった。

そういう本の一文は覚えているのに、出来上がった「レモン汁たっぷりケーキ」が美味しかったかどうかはあまり覚えていない。それよりも「一人暮らしにしては多いな」と思った記憶が強い。

半分残ったチーズケーキを小分けにして冷凍庫に入れてみたところ、冷凍した肉や野菜を日々すり抜けながら奥へ奥へと沈んでいき、今や「底エリア」を管轄として庫内の見張役になっている。なんの根拠もないが、レモン汁も多めに入れてあることだし、彼らは引き続き任務を遂行できるだろう。

最近知った短歌が頭をよぎる。

永遠を信じましょうよ冷凍庫 入れれば賞味期限は無限(寺井奈緒美)

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