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問答無用 切捨御免 利益至上

ビッグモーターという会社の従業員が、経営幹部の清掃徹底令を遵守するために、落ち葉の発生源である街路樹(公共財産)を枯死させ、除去したという話が報道されておりました。社内での評価を気にするあまり、公共物を毀損することも躊躇わないというのは、上層部の精神性に問題があるとしても、実行者の意識にも歪みを感じます。

さて、ビッグモーターの経営幹部は追い出され、法的にも社会的にも制裁されたようですが、ここまで問題化することなく、似たようなことをしている企業は他にもあるのではないか?と疑ってしまうのは私だけではないと思います。

利益を得るためならば、他人に迷惑どころか権利を侵害しても悪いと思わない人々は我が国にも、他国にも居るというのが現実です。ただ、国内で違法行為を働く外国人を熱心に擁護するリベラル系(?)メディアや法曹が跋扈しているのは、何の義理を感じているのか実に不可解至極です。

河口湖畔に別荘を買い求めた方が、その敷地内にあるヒノキ20本以上を断りなく伐採される被害に遭われたという話が現代ビジネスのHPに出ていました。隣接するホテル従業員の仕業であると報じられておりますが、その動機は、ホテルの窓から富士山が見えないので邪魔だから手を下したとのこと。お客様の満足度向上のためには何でもする根性が根底にあるにせよ、これは犯罪です。

こういうことを平然と行う経営者ですから、別荘の住人に誠意ある対応をするはずもなく、どう抗議しても、「本社対応なのでホテルに言われても何もできない」と言い張っているとか。悪評で宿泊客が寄り付かなければ制裁となりましょうが、訪日観光客をメインにしているので、そういう流れには成りそうもないのだとか。さらに、警察の動きも芳しくないようで、これらが事実ならば誠に気の毒です。

このホテルは売りに出されたものを中国資本が買い取ったそうで、違法行為は中国人経営者の指示が濃厚と見る他ありません。弱そうな相手に損害を押し付ける行動形態は、別に中国人固有のものではありません。下請けいじめに見られるように日本人でもやっていますので、倫理感に乏しい人々はどこにも存在します。だから中国人には気を付けろという話ではないのですが、目の前にカネが見えると見境なくなる輩にどう対抗するかというのは、観光資源のある地域では切実な問題です。

この中国人経営のホテルの所業は違法であることは確かでしょうが、観光資源の有効活用という観点からは合理性があります。ホテル経営にとっては、稼働率向上につながり、宿泊客の満足度が向上するのですから、観光振興にとってヒノキの20本は確かに無いほうが望ましいと言えましょう。でもそれで、刑法論でいうところの違法性も責任性も阻却されません。犯罪は成立します。民法上の不法行為責任も当然認められるでしょう。

思うに、こういう紛争未満の利害対立を仲裁する制度があれば、観光資源のより有効な活用が可能になるシーンは他にもあると思います。景観を損ねる古びた建物や看板の除去など、誰の権利を侵害しているわけではないけれども除去してほしい物件は各所で目に付きます。観光立国の推進策として、観光資源活用のための仲介・斡旋システムの構築を切に期待する次第です。




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