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HSPと大学図書館司書の仕事

私は現在大学の図書館で働いています。
今回は大学図書館の仕事を紹介していきたいと思います。

仕事内容

①カウンター業務

本の貸出や返却処理・予約の受付などカウンターで行う業務のことです。そういったカウンターで業務を行うことを閲覧業務とも言います。求人情報に閲覧業務と書かれていて、閲覧業務って何だろう?と疑問に思った覚えがあります。図書館の仕事の中で皆さんが想像しやすい業務の一つだと思います。貸出・返却なんてバーコードをピッとするだけでしょ?と思っていました。しかし、私が勤めている図書館では学生・院生・教員・一般の方が主な利用者なのですが、利用者の区分によって貸出していいものとダメなものがあったりして、それを覚えるのが大変でした。
後は本に汚れや破れがないかなども素早くチェックする必要があるので、細かい所にも気が付く人にも向いているのではないかと思います。

②配架

返却された本や新しく入ってきた本を本棚に請求番号にそって並べます。
図書館の仕事の中で皆さんが想像しやすい業務の一つだと思います。

③ILL

学生や教員が研究等を進めていく中で学外の資料が利用したいという申し出があり、他大学の資料の貸借を行うサービスをILLと言います。
本当に学内に所蔵がないのかを確認した後、データベースや機関リポジトリなどWEB上にpdfがないかなどを一通りチェックした後、他大学に依頼を行います。カウンター業務や配架に比べると難しい業務になりますが、その分やりがいも感じます。

④オリエンテーション

大学図書館では学生に図書館の案内やOPAC(蔵書検索)の使い方を教えるツアーなどを行っています。学生の反応を見ながら、図書館の魅力を伝えられるような説明するのが難しいなと感じています。図書館の静かなイメージとは少しかけ離れたような意外とアクティブな感じの業務の一つです。

⑤本の受入・装備

新しく入ってくる本をマニュアルに沿って受入の手続きを行います。
そしてラベルをビニダインで張り付けたり、本のカバーを装備します。
装備は細かい作業になるので手先が器用な人に向いています。

⑥レファレンス

大学図書館ではレポート課題や研究のために大学図書館を利用するので、学生が求めている情報をしっかり聞き出した上で最適な本を一緒に探していく必要があります。ヒアリング力やコミュニケーション能力が求められる業務だと思います。

⑦企画展示

図書館の仕事の中では比較的華やかな業務になります。
テーマを決めて、そのテーマにそった本をいくつか選びに展示します。展示するときにPOPを作成しますが、利用者を惹きつけるデザインを作るのが難しいなと感じます。企画展示以外でも年々利用者が減っていく中で色んなアイデアを出せる人は重宝されるだろうなと思います。

HSPの人に大学図書館の仕事は向いているのかについて

HSPのひとには図書館の仕事が向いている!というようなネットの記事をどこかで見たので、実際に図書館で働いている私の視点からHSPの人に大学図書館の仕事は向いているのかについて述べていきたいと思います。
私は専門家ではないので、HSPについて理解できていない部分があるかと思いますが、ご了承ください。
以下簡単にHSPの説明を載せます。

HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、人一倍繊細な気質をもって生まれた人という意味です。
こうした気質を持つ人は職場や家庭など生活の中で気疲れしやすく、生きづらいと感じています。

・向いてそうな業務と向いてなさそうな業務がある。

①カウンター業務 〇
接客業が初めての私でも問題なくやれていると思うので、大丈夫だと思います。ただカウンターにいると色んなことを聞かれて、途中からレファレンスっぽくなったりするので、図書館の色んなことを把握したり、相手が何を求めているのかヒアリングするのが難しい所かなと思います。

②配架 ◎
配架は黙々と一人でできる仕事なのでHSPの人に向いている業務だと思います。

③ILL ◎
ILLは黙々と調査していく事務作業の一つなので、HSPの人に向いていると思います。

④オリエンテーション △
人前で話さなければいけないのと授業で嫌々参加している学生の相手をするのが苦手な人もいるだろうなということで△にしました。

⑤本の受入・装備 〇
これも基本黙々系ですが、自分の図書館では図書の受入はカウンターでブックトラックを隣に置きつつ、貸出・返却なども行うので、すこし気が散る人もいそうだなということで〇にしました。

⑥レファレンス △
レファレンスは相手から情報を聞き出すのがHSPの人もそうじゃない人も苦労するのではないかと思います。ただ大勢の前で話すわけではないので、1対1の会話なら得意という方だったら〇です。

⑦企画展示 ◎
HSPの人は何となく内に秘めたアイデアが色々ありそうなイメージなので◎しました。年々来館者が減っていく図書館業界では新しいアイデアが重要になってくるので、アイデアマンのHSPの方は企画展示向いていると思います。

・シフト制がきつい

自分も体調崩しがちな体質ですが、HSPの人も体力に自信がないひとが多いと思います。結構シフト制って生活リズムが崩れるので体調管理が大変です。

・人間関係

職場によりますが黙々と進める作業がある一方で、シフト制で仕事を引き継ぐ関係でチームの連携的な一面もあります。チームで仕事を行うとミスしたときにばれるので、ミスに厳しい職場だと精神的にきつい時もあると思います。

・静かな環境で働ける

基本的には静かなので、音に敏感なHSPの人も安心して働けます。

大学図書館で働いた感想

・少人数のシフト制で急に休みづらい

私が働いている大学図書館は小規模な分館になるので、スタッフも少人数で仕事を回しています。そのため、フルタイムの人が風邪などで急に休むとショートタイムで働いている方が急遽出勤になってしまうため、少し休みづらいかなと思います。

・お昼休憩は一人

私の職場に限ってですが、少人数のシフト制ということもあり一人ずつ順番に休憩を取るので、スタッフの控室で一人で休憩を取ることができます。私は少し疲れやすいので一時間一人で休憩することで少し回復できます。
遅番だと休憩が夕方とかなので、ご飯は食べずに本を読んだりぼーっとして過ごしています。早番の日はお弁当を持ってきてお昼を食べますが、大学なので学食やキッチンカーを利用しているスタッフもいます。

・シフト制だと生活リズムが乱れがち

早番と遅番の日があって少し生活リズムが崩れてしまいました。ショートタイムだと募集によっては遅番で固定だったりするので、求人をしっかりチェックするのが大事だと思います。

・基本的には黙々と働ける

大学図書館は公共図書館と違って授業と授業の間に固まって利用者が来館する傾向があります。したがって休み時間の前後はカウンターが忙しく、それ以外は事務作業が多いです。Excelなどもよく使うのでPCのスキルが必要になります。

・静かなイメージとは対照的なアクティブな一面も?

開館や閉館などでは館内を歩き回ったり、利用者に督促の電話をかけたり、オリエンテーションなど人前で話すような場面も意外と多いなと感じます。

・大学図書館はクレーマーが少なめ

以前公共図書館で働いた経験がある方が異臭を放つホームレスや厄介なクレーマーの対応がすごく大変だったみたいですが、大学図書館では利用者の多くが学生なので、クレームをつけられることは少ないです。しかし教員の方は少しこだわりが強い方もいらっしゃるので、たまにクレームを受けることもあり、そういった情報はスタッフ間で共有しています。

・人間関係は比較的良い

私の職場に限ってですが、少人数の職場で派閥などもなく基本的にカラッとした性格の方が多いので、過ごしやすいです。少人数の職場って意地悪な人が一人いたりすると逃げ場がなくてしんどいイメージもあり、自分はラッキーなのかなと思います。ただ何か間違っていたりするとそこはきっちり注意をうける感じです。
シフト制ということもあり、業務を途中で他のスタッフに引き継いだり、情報を共有しておくことがあるので、スタッフ間でコミュニケーションを取る場面が多いです。

・覚えることが多い

大学図書館は公共図書館に比べて図書以外にも雑誌やPC・視聴覚資料を貸出していたり、提供しているサービスが多いような気がします。
それに伴って、覚えることが多いので最初が少し辛かったです。他の図書館では仕事を覚えられなくて辞めていく人も多いみたいなので、最初の業務を覚えるところが一番の最難関だと思います。

長くなりましたがお読みいただきありがとうございます。
図書館の仕事に興味がある方のお役に立てると嬉しいです。



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