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大好きな2人の先輩

大好きな先輩はたくさんいるけど、ある2人のお話を聞いてください。

ずいぶん年上の先輩です。今は80歳代かな?
人生の先輩、と思っています。
大事なことを教えてくれた方々です。

白杖をついた全盲のお2人は、いつもにこやかにお話をされます。

勉強家のTさん


まず、Tさんのこと。
Tさんは会社員として働き、結婚し、子どもを授かり、孫もできました。

定年退職して数年たった時、目に違和感を覚えて病院に行きました。
そこで「あと3年くらいで失明するだろう」と宣告されたのです。

失意のTさんは「見えているうちに」と思って一人で外国を旅行しました。
景色を眺めていると、日本人の神父さんに話しかけられたそうです。
ただならぬ雰囲気を醸し出していたのでしょう。

神父さんに自分の目の話をしました。
神父さんは、全盲の方々のための訓練所があることを教え、励ましてくれたそうです。

Tさんは希望をもって帰国し、訓練を受けました。

私が知り合ったときは、白杖をついてバスを乗り継ぎ、大学に通っていました。社会人のための歴史講座を受けるのが楽しい、と笑っていましたよ。

明るい笑顔のKさん


もう一人、Kさんと言っておきましょうか。
Kさんは15歳で失明しました。
どんなにかショックだったことでしょう。
しかし、いつもにこにこ明るい笑顔で上品なたたずまいのKさんです。

私は「手引き」のしかたを教わりました。
どのようにしたら安心して歩けるのか、サポートの仕方を教わったのです。

点字のことも教えてもらいました。
点字をうつ簡易キットを買って練習もしてみましたよ。

でも、私の指先は鈍感です。
6個の突起を指で読み取ることができません。
目で確認しています。
これでは意味がありませんが、慣れないから仕方がありませんね。
まだ、自分事としてとらえていない甘さがあるのです。

エレベーターや階段など、様々な所に点字がありますが、まだ全然読めません。
本当に自分が必要になったら、指で読めるようになるのでしょうか。

自分も目の病気に‼


それから数年がたち、私は年に1回の健康診断を受けました。
しばらくして、結果と共に病院への紹介状が入っていたのでドキッ!!
眼科の精密検査を受ける様にとのことでした。
何だろう、とドキドキしながら検査を受けました。
すると「緑内障の疑いがある」と言われたのです。
ビックリしました。
両親をはじめ親族に目の病気の人はいないから、とっても意外!!

半年に1回、様々な検査を受けることになりました。
疑いがある」から「発症した」と言われたときはちょっとショックでしたね。
しかし、すぐに薬の点眼を始めたのでなんとか大丈夫だろう、と言われています。
病気の進行を遅らせることができるので、点眼をまじめに続けること、定期的に検査をして、病気が進行していないかどうか確認することを医師と約束しました。
病気が治ることはないけど、進行を遅らせることはできるので、生きているうちはそんなに不便はないだろう、と言われて安心しています。
今のところ右目だけなので、左目も発症したらすぐに手を打ちます。

2人に教わったこと



TさんとKさんに「見えることの奇跡、喜び」を教わりました。
自分も目の病気になって、ますます「見えることの奇跡、喜び」を感じています。

これまで以上に、景色や雲や、花々や人々の表情など、見えるものがすべて美しく愛おしく見えます。

年賀状のやりとりは家族の方が代読、代筆してくださっているので、
ちゃんと点字のお手紙を書こうと思っている今日この頃です。





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