『 ターニングポイントの陣2 』

しばらく市内の病院でリハビリをして
地元に戻ってきた祖父
最初は地元の病院やリハビリ施設に入院して
経過を観察していましたが
家に帰ってみんなで協力してリハビリや介護をしていこうということに

僕もこの頃から
祖父のリハビリの時に見ていた先生の真似をして、祖父がまた動けるようになることを信じ
寝たきりの祖父のカラダをマッサージしたりしていました。

普通に日常生活をしていると
つい忘れがちになることがあります

目が見えて 手が動いて

耳が聞こえて 脚で歩けて

呼吸ができて

触れることができて

感じることができて

ご飯もちゃんと食べられる

普段当たり前のように過ごせていることが
どれだけありがたいことなのか

当たり前のようで 当たり前ではない

この時心に深く刻みこまれたことを
僕は生涯忘れることはありません

剛速球をくらい 傷は癒えないままでしたが
少しずつ状況を理解し受け入れることができるようになりました。

そして何とかいつもどおりの中学生LIFEを再スタートした僕

ある日、睡魔と激戦を繰り広げる授業中
みんな黙々とノートを書いている時
先生が僕のところへ

(あ、やばい 眠たそうなのバレた。)

と思って 目バチーッ‼️開いて
いかにも授業ちゃんと聴いてました風の雰囲気を醸し出せてたかどうかは分かんないけど、一応醸し出そうとしたら

先生が僕の耳元でコソッと

「今、お父さんから連絡があっておじいさん ちょっと大変みたい。お父さん待ってくれてるから早退の段取りするから、今日はもう授業は大丈夫よ」

⁉️


今度は父方の祖父の容態が急変したらしく
僕はまた父と急いで祖父の元へと向かうことに

父方の祖父は元々肺が弱く
入退院を繰り返していたのはよく知っていました

祖父の家に着くと
既に父の兄(叔父)、父の妹(叔母)、母 、姉、姉の旦那さんが集まっており
その先には少し呼吸が荒くなっている祖父の姿が

「おじいちゃん!!」

僕が呼びかけると
呼吸が荒くて、苦しいはずの祖父が目を開けて
僕の名前を呼び 嬉しそうに笑ってくれました

祖父はいつも僕が会いに行くと
本当に嬉しそうに笑ってくれて
よく色んなお話をしてくれていました。

それは僕が生まれた時から変わらず

しばらくして容態が少し安定し
大丈夫かな?とみんなも落ち着いていましたが

その日の夜 祖父は自分のお役目を果たし天に帰っていきました。

今でも忘れられない不思議なことがあり
祖父が旅立った後すぐ、お坊さんが来てお経を唱えてくださっている時

「○○(⇽僕の名前)ありがとう」

もう聴けるはずのない祖父の声が
ハッキリと聴こえたんです

後にそのことを家族に話すと
他のみんなは聴こえてなかったそうです

おじいちゃん ○○(⇽僕)のこと
めちゃくちゃ可愛がってたから
きっと聴いて欲しかったんやろなぁ

って言ってくれたこともあり
めちゃくちゃびっくりしたけど
祖父の愛情の大きさと深さを改めて感じることができ、今も変わらず感じれていることに感謝しています

初めて大好きな大切な人が目の前でいなくなる

色んな感情が入り交じり、その感情の大きさと色は抱えきることができないものでした。

つづく


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?