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ドアを求めて

1.死を迎えて 開けられる
   ドアの先に
   黄泉の世界は ホントにあるのか
   それとも先には 何もないのか
   終(つい)のその先

   僕はその先 早く見たくて
   少しお先に 自ら終(つい)を
   この選択の 罰負う日
   いつ来たるかの 恐怖より
   永久(とわ)の謎明かす 快感勝って

   意識を覚ました 僕の前に
   求めていた あのドアが
   はやる心に 身を任せ
   ドアノブに手を

2.死を迎えて 開けられる
   ドアは開かず
   僕は「何故だ」と 苛立ち呟く
   長年求めた ドアに向かって
   誰も居ない ここで一人で

   僕がドアノブ 回すその度
   ドアは錆びつき 塵へと変わる
   「あの選択の 罰なのか」
   今浮かび立つ 仮説すら
    消えてゆくドアを 引き止められない

   黒だけ広がる ここで僕は
   取り残され 一人きり
   痛む心に 操られ
   虚空へと手を

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