機内食のはなし


 今回初めて某日本航空の国際線を使った。マルタからフランクフルトを経由し世界情勢が理由で14時間を越える日本へのフライトとなる。
 長時間のフライトで大変だからとマルタからフランクフルトまでのフライトをビジネスクラスにしてくれた夫に感謝したい。初めてのビジネスクラスはとても興味深い経験だった。まずマルタ空港でラウンジが使える。飲み放題のドリンクはプロセッコやマルタ名物CISKビール、マルソヴィンワイン、ソフトドリンク、何でも御座れのカウンターがあり、私たちはまずプロセッコで乾杯した。プロセッコを隣で注いでいた背の高いヨーロッパ系の男性は既に赤ら顔である。機内食が出ると分かっているものの、マッシュルームのスープやらスパイシーチキンの串、そしてマルタ名物のパスティッツイが私を誘惑するもので生ハムもつけて少量少量と思いながらばくばくと完食した。いつも飛行機を待つ時間は読書をするかぼーっとするかの二択しかないのでとても嬉しい時間だねと金の威力を知る。
時間になり機内に乗り込むとエコノミーよりも1.5倍程大きい椅子に座り離陸を待った。
楽しみにしていた機内食の時間だ。
出てきたのは1プレートの前菜の盛り合わせのようなものだった。スモークサーモンにツナを楕円にかたどった何か、あとはチーズに野菜が行儀よく乗せられている。味は素朴で食材の良さを活かそうという気持ちがみてとれるプレートだった。ついてきたパンにも合う。私的にツナの楕円形のなにかが一番美味しかったのだが夫の皿にはなく忘れられていた。その後は林檎が丸ごと(イギリスでよく見る小さめのタイプ)、バナナ、デザートのケーキがきておしまいとなった。そこまで長くないフライトなのでこれくらいの軽食で充分満足いくものになり私は機内食も悪くないものだなと思ったのだった。
その後はスムーズにフランクフルトに着き、フランクフルトといえばビールでしょとドラフトビールを堪能。
いよいよ長時間フライトに乗り込んだ。
コロナで従業員の解雇も多くあったと言われている某日本航空は、そういった逆風を乗り越えて残った猛者客室乗務員達が迎えてくれた。流石ビッグジェット、大きくて長い。海外を飛び回る知り合いによると日本の航空会社が一番サービスが良いということで私は大いに期待していった。
機内食は離陸するとすぐに提供された。が、期待値が高かったせいかあまり美味しいと言えるものではなかった。
メインのハンバーグは夫に大不評でとにかく固いと立腹していて、付け合わせの大根をマヨネーズで和えたようなものは申し訳ないが残してしまった。あとはサラダに海藻の惣菜、うどんといったメニューであったがまあ機内食、されど機内食‥といった心持になってしまったのである。二回目の機内食も変わらない感想であった。
あまりぐちぐちと言いたくないので割愛するがスイスエアの照り焼きチキンメニューのほうがバランスがよく、謎に主食が三つ(麺、米、パン)もつかず美味しかったと記述しておくことにする。期待しすぎると失敗する、今回の教訓である。

2023/03/07

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