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14.君がどんなにクソ男でも …


主人は とにかくモテた

男にも女にも 老若男女、動物問わず

もちろん、その魅力に囚われたから
私も 主人を好きになったし、
尊敬もしていたのだと思う。

主人は 貸したものは返ってくると思っていなかった。

それは、金銭だけではなく、
手間暇時間に関しても
そうだったのだと思う。

それと
とにかく人の話を聞いた。
(わたしは、ここがこの人の上手い所だなと思っている。)
黙って聞いた。
賛成もしなければ反対もしないスタンス。

このスタンスは 本当に人から嫌われないと思う。
相手が勝手に
「あぁ、私の事をわかってくれて、黙って聞いてくれてるッ!」
思うから。

そして、どんなに悪どい事をされても
その後も、何事もなかったようにまた同じように付き合う。

「なんで人を嫌わないの?」
と聞いたことがある。
「その人を好きになればいいんだよ!最悪グレー!」

私も真似していこうと思う。

今回の全てを知った主人の親友たちは お棺を挟んで

口々に
「コイツのやったことは誰にも許されないこと!
でも、オレはコイツが大好きだった」
と 泣き崩れていた。

立場で 人って見る方向が
違うから、その言葉なんだろうなと思っていた。

2年が経ち
私の心にも、変化があった。

この親友たちは
私と同じことをされたとしても
いや、
それ以上のことをされたとしても
主人のことが
大好きなんだと思う。

その出来事のマイナス点が
関係するのは
私と娘だけ。
他の人には、関係のないこと。

世間一般では
100点に近い人だったのかもしれない。

主人のお棺を挟んで
何人もの男が  大泣きしていた。
それが、何よりの証拠。

心にきざむ。

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