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なぜ統失 第6部 「長期入院編@3回目」⑬外出許可が下りた!

前回の続き。

開放病棟の移っても、
すぐには外出許可は下りませんでした。

恐らく本当に外に出しても大丈夫かどうか、
様子を見ていたのでしょう。

開放病棟に移って約一ヶ月、

ようやく外出しても良いとの許可が下りました。

外出するには、
まず申請書を書いて提出しないとなりません。

何の目的で、何処に行き、何時に返って来るのか、

事細かに記入します。

それで許可が下りればようやく外出することが出来ます。

院内散歩で外出されている患者さんは、
いらっしゃいましたが、

毎日のように外出許可を取っている患者さんは僕だけの様でした。

まれに生活必需品を調達する為に外出する患者さんもいます。

ここの病院は小高い丘の上にあるので、
足腰の弱い患者さんは、
タクシーを利用して外出をしています。

病院から歩いて10分弱くらいの所に、
エコタウン(総合リサイクルショップ)があります。

そこに本を買いに行くとの名目で、
2時間位ならと、
毎日のように外出させて貰っていました。

実際に、
エコタウン内のブックオフに立ち寄り、
時間いっぱいまで漫画の立ち読みをしていました。

病院に戻る際には、
気に入った小説を何冊か買って帰っていました。

漫画はすぐ読み終わってしまうので、
買わずに立ち読みで済ませてしまいます。

ついでに近くのスーパーで、
生活必需品のおやつもよく買って帰っていました。

(院内の売店で販売されているお菓子は非常に高額な為)

外出許可が下りて暫く経ち、

もしかして外出中なら携帯電話を使ってもいいんじゃないかと思い、
看護師さんに尋ねてみました。

外出中に何かトラブルが起きた時に、
病院に電話する為に使うのならと許可が下りました。

早速自宅に電話し、
親にお見舞いに来てもらった時にスマホを持ってきて貰いました。

この頃のこの辺の田舎には、
まだあまりスマホが普及していません。

おばちゃん看護師さんは、
スマホの事を携帯電話の親戚くらいにしか思っていない様でした。

”しめしめ、これで外出中にスマホで楽しむ事が出来るぞ”

この日から、
僕の外出の目的はスマホを楽しむ事になりました。

外出申請書には、
相変わらずブックオフに本を買いに行くと記入していました。

ある日、
わざわざ急な坂を登り下りして、
ブックオフまで行くのがめんどうなので、

敷地内を散歩したいと外出許可の申請をしてみました。

しかし、

「敷地内なら携帯電話は要らないでしょ!駄目ですっ!」

断られてしまいました。

仕方がないので、
申請書にはブックオフに行くと記入し、

敷地内に設置されているベンチに腰掛けスマホを楽しむ事にしました。

外でスマホを楽しむ生活は、
退院するまでほぼ毎日続く事となりました。


続く。














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