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なぜ統失 第6部 「長期入院編@3回目」④何の為の入院なの?

前回の続き。

今回の入院は、
処方薬を、エビリファイという新薬に変更する為だと説明を受けていました。

入院初日、
夕食後の薬を飲む時間になると、
薄黄色の錠剤が5錠ほど入った透明な小袋を手渡されました。

これがエビリファイという薬です。

今まで20錠近い大量の薬を飲まされていたので、
薬が急激に少なくなった事に、
少し違和感を覚えていました。

”これでぐすっりと眠れるのだろうかと…”

その不安は的中してしまいます。

その日から、
殆ど寝ることが出来なくなってしまいました。

眠れない日々は暫く続きました。

夜になると、
大体1時間置きくらいに看護師さんが見回りにやって来ます。

ライトで顔を照らしてくるので、
ちゃんと寝ているか寝顔で確認しているのでしょう。

僕は、眠れていないと判断されてしまうと、
約束の一ヶ月後に、
退院させてもらえないんじゃないかと思い、

毎晩のように狸寝入りを演じていました。

しかし、看護師さんにはバレていた様です。

ある日の朝に、

”今日はぐっすり眠れたね”

と言われてしまいました。

普段はあまり眠れていないことがバレている様です。

そして、
入院してから約一週間後のお薬の時間、

「はい、にゃぶりえるさんの薬ね」

エッ?ナニコレ?

透明な小袋には、
20錠以上のカラフルな錠剤がパンパンに詰められています。

例のピンクの錠剤(ベゲタミン)も勿論入っていました。

僕は、他の人の薬と間違えてるんだと思い、

「これ、僕の薬じゃないですよ」

と訴えかけました。

看護師さんは、
ちょっと何かを確認する仕草をして、

「にゃぶりえるさんの薬ですよ?」

と答えました。

僕は、

”ああ、夜あまり眠れてないのがバレたから薬が元に戻ったんだ”

と観念して薬を飲み込みました。

その日の夜からは、
ぐっすりと眠りにつくことが出来るようになりました。

薬が元に戻ったのにまだ退院の許可は下りません。

退院の許可が下りたのは、

なんと入院してから半年後の事になります!


(退院してから処方箋を確認してみると、エビリファイ5錠も大量の薬の中にちゃんと含まれていました)


続く。












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