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なぜ統失 第4部「2度目の入院」①陰性症状でも入院になるの?

前回の続き

僕は屈強な男性看護師二人に両腕を抱え込まれたまま、
閉鎖病棟へと連れて行かれてしまいました。

抱え込まれたままですが
自分の足でちゃんと歩いてついて行きました。

閉鎖病棟に到着すると、
まずキャスター付きのベッドに寝かされました。

そして、

「拘束してもいい?」

と尋ねられました。

僕は素直に従い拘束されてしまいました。

そして鎮静剤かなにかを点滴で注射されました。

気がつくと、次の日の朝になっていました。

ベッドから起き上がると、

前回入院した時に、

僕の担当だった壮年の女性看護師が声をかけて来ました。

「にゃぶりえるさん、調子が悪いん?幻聴が聞こえるの?」

と尋ねてきました。

僕は、幻聴など一ミリも聞こえていなかったので、

「聞こえません!」

と答えました。

まぁ信じていなかったと思います。

それから同じく壮年の男性看護師が現れて、

「保護室に連れて行くんじゃないんか?暴れたんじゃろう?」

と、壮年の女性看護師さんに話しかけました。

壮年の女性看護師さんは、

「なんで?にゃぶりえるさんはおとなしくていい人よ?」

とフォローしてくれました。

お陰で保護室に入らなくて済みました。

”壮年の女性看護師さん、あのときはありがとうございました”

ちなみに一ミリも暴れてませんよ?

そして、僕は壮年の男性看護師にこう訴えました。

「障害者年金を受給したいからわざと症状を悪く言ったんです。そしたら入院させられた」

まぁわざと悪く言わなくても年金は支給されていた筈ですが、

思考力が落ちていたので、
昼まで寝ていたのに眠れないなどと馬鹿な事を診察で言ってしまいました。

すると、壮年の男性看護師さんは、

「アタオカ先生に相談してみる」

と、言ってくれました。

本当に相談したのかどうかは分かりません。

入院になった本当の原因は、
うちの母親のストレスだと思います。

僕が一日中家で手伝いもせず、
ぼんやりと過ごしているのに腹を立てていました。

毎日、僕のご飯を作ったり、
深夜に動けなくなった僕の寝返りを打たせてくれたり大変だったと思います。

昔から母親とは仲が悪く、
口を開けば喧嘩になってしまうので、

学生の時から本当に必要な時以外は口を聞かないようにしていたくらいです。

うちの母親は悪口を言う事が趣味なので、

食事の際に人の悪口をずっと言っていました。

正直食事の時間が苦痛で堪りませんでした。

恐らく、診察前に電話で僕の悪口を話したのでしょう。

幻聴が聞こえる事になっていたのも気になります。

それからベッドに案内されると、

今回担当になる女性看護師さんが挨拶に来ました。

若い綺麗な看護師さんでした。

担当の看護師さんが、

「どんな幻聴が聞こえるの?」

と尋ねて来ました。

僕は、

「男の人の声で死ねって聞こえてた」

と答えました。

警察署に相談に行った日の深夜に聞こえて来た悪魔の幻聴の事です。

死ねと聞こえていたのは一晩だけですが、
余りにもインパクトが強い幻聴だったので、
この時の事を一言で話しました。

ちなみに入院時に幻聴はありませんでしたよ?

多剤大量処方で何もやる気が起きない重い陰性症状です。

僕が答えると
担当の看護師さんが、

「そうなんだ、楽しい幻聴だったらいいのにね」

と笑顔で答えてくれました。

僕は思考力が落ちていたので、
あまり深く考えていませんでした。

続く。






















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