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身を焦がす程の演じることへの情念

 おんなの女房   著・蝉谷めぐみ

〝お師さんのように一生を女として過ごし、誰とも添い遂げない心算〈つもり〉でおりましたが、背に腹は替えられません。〟

〝女形の女房は、その存在を知られてはいけないものだと散々その粗末な耳に言って聞かせたはずですけれど〟

〝俺は女形でいたい〟

〝旦那さまは女形ですから。尋常も女として生きておられます。〟

歌舞伎を知らぬ女房と、女より美しい〝女形〟の夫。
やがて惹かれ合う夫婦をえがく、エモーショナルな時代小説。

あらすじより

こんな気持ちで読み終わるなんて、想像もしてなかったです。ただただ切ない。詮無いことですね。だって、彼は役者を辞めてしまえば、きっと生きる屍になってたでしょうから。でも、でもね、短い期間ではあっても2人が夫婦として過ごしたことを考えると、どうしても遣る瀬無い気持ちになってしまう。でも、〝武家の娘〟だった志乃が〝女形の女房〟と になって一回りも二回りも大きく逞しくなった彼女のこれからが愉しみでもあります。


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