見出し画像

【回路解説】エフェクトブレンダー

もっと歪みが欲しいけど、音の抜けが足りない。。。
バッキングとソロでエフェクターを切り替えるのが面倒。。。

なんてことよくありますよね?

今日はそんなときに便利なエフェクターを紹介します。


どんなエフェクター?


まずはこちらの試奏動画をお聴きください
(動画更新しました!)

ざっくりいうと以下のような動作をさせることができるスイッチャー(?)です。

・直列接続モード
  エフェクトA→BとB→Aの順序入れ替え
・並列接続モード
  エフェクトAとBをMIX

また直列接続モードの際は機械接点のみのトゥルーバイパス構成としているため、
バッファなどを通した後の音色の微妙な変化がなく、自然に扱うことができます。
※その分、接点抵抗による音痩せが生じますので、パッシブの信号をそのまま使うのには向いていません。

そうです、流行りのマイコンなどを使った電子制御ではなく、すべてアナログ回路での構成としております。
電子制御は性に合わない…とか
デジタル特有の音が苦手…なんて方にもおすすめです。

というわけで、回路解説していきます。

どんな回路?

回路図

機械接点ということで、基本はリレー・スイッチのみの構成となっております。
上半分がスイッチング回路で、
した半分が分割・ブレンド回路です。
左のはおまけとリレー回路です。

直列接続の場合の動作、並列接続の場合の動作それぞれ解説していきます。

直列接続モード


回路図(直列接続モード)

直列と並列の切り替えは左下のSW1によって行います。
直列接続時はリレーの2,4,6番が動作します。

まずはA→Bのときの動作です。
なお、オレンジ線がリレー2,4,6動作時の経路です。

直列モード(A→B)

IN」から入った信号は
①黄色のラインを通り、「IN_A」へ入ります。
その後エフェクターAを通ったあとの信号が「OUT_A」から返ってきますので
②緑のラインを通り、ぐるっと回って「IN_B」へ入ります。
続いてエフェクターBを通ったあとの信号が「OUT_B」から返ってきますので
③青のラインを通り、「OUT」から出力されます。


直列モード(B→A)

続いてB→Aの場合です。
この切り替えはSW2,3,4(都合上連番にしておりますが、3PDTのスイッチです)で行います。
先ほどと同様に「IN」から入った信号は
①黄色のラインを通りますが、SW2が下に切り替わっておりますので「IN_B」へ入ります。
その後エフェクターBを通ったあとの信号が「OUT_B」から返ってきますので
②緑のラインを通り、ぐるっと回って「IN_A」へ入ります。
続いてエフェクターAを通ったあとの信号が「OUT_A」から返ってきますので
③青のラインを通り、「OUT」から出力されます。

※このような形で動作しますので、機械接点を6〜7個経由してしまいます。
冒頭で注記した通り、それぞれに接点抵抗がありますので
トゥルーバイパスのエフェクター6〜7個を全てOFFの状態で直列にしたくらいの音痩せが発生してしまいます。

並列接続モード

回路図(並列接続モード)

SW1を切り替え、今度はリレー1,3,5を動作させます。

並列接続モード(詳細)

先ほどの直列モードではスイッチング回路を通っていましたが、
並列モードの場合は真っ先に信号分岐回路「Dist_IN」へ行ってもらいます。
分岐回路内でバッファされた信号を2つに分け、
Dist_OUT」からそれぞれピンクと青の経路を通ってそれぞれのエフェクターへ出力されます。
その後それぞれのエフェクターから返ってきた信号は
ブレンダー「Bld_IN」に来た信号は中央の可変抵抗にてブレンドされ、
オペアンプを通して「Bld_OUT」から出力、「OUT」から出ていきます。

※分岐回路、合成回路それぞれのIN/OUTのプルダウン抵抗、10kΩでは多分小さすぎますので1MΩくらいにすべきかなと思います。また直しときます。
また、リレーのスイッチングノイズがそれなりに乗ってしまいますのでそこも改良します。

作るの難しい?

回路自体はそこまで難しくはないです。
リレーの入手性が微妙であることや、回路の外の配線が面倒であることはネックとなるかもしれません。

今回紹介したエフェクター基板は↓のページで販売(予定)です。
気になる方は是非ご覧ください!

何か困ったことがありましたら
お声掛けいただけましたら適宜アドバイスなど致します。
いつでもお問い合わせください!

以上です。
良い自作エフェクターライフと良い音を!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?