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TOO SHY BOY&GIRLに捧げる1枚


アメリカ、ミネソタ州の片田舎、工業高校に通うマックスは17歳。

どこにでもいる普通の高校だ。

彼の特徴はとても恥ずかしがり屋なこと。

TOO SHY BOYである。

バス停の降りるボタンも誰かが押すのを待っているほど。誰も押さない時に自分も押せずに目的のバス停を通り過ぎてしまったことも2回ある。


なぜ、そこまで彼は恥ずかしがり屋になってしまったのか?

そこには小学生の頃に、苦い思い出が関係している。


小学生のマックスは元気はつらつとしたやんちゃBOYであった。

休み時間には校庭を駆け抜けていた。


5年生になったとある日のホームルーム、1人1人、自己紹介をする場が設けられた。

1人持ち時間は3分、ブラックボードの前で自己紹介を行う。

出席番号順に皆それぞれ思い思いに自己紹介を行なっていった。

時間を埋めるように、縄跳びのハヤブサ跳びを披露する者、三点倒立を披露する者。

思い思いの自己紹介である。

いよいよ、マックスの番。


やんちゃBOYのマックスは一発かまそうと意気込んでいた。

自己紹介が始まった。名前、好きなこと、好きな食べ物、習い事、約2分で自己紹介は終盤に迎える。

「最後に一発ギャグします。」


(やめとけ、マックス)

両腕を地面につけ、ブリッジの体制をとるマックス。






「マックス、今MAXでーす!!!」







静寂が響き渡った。

マックスは深い深い海の中を1人さまよっていると錯覚した。







そんなマックスが高校生になり、会話するのは可愛がっている犬のデイジーくらい。

学校ではほとんど誰とも話さない。


10月のある日、学校に1枚のビラが配られた。

「来たる10月31日!恐怖のハロウィンナイト!誰でも参加可!」


学校の人気者でアメフト部のエース、ジョンソン宅で行われるホームパーティだ。

ホームパーティといってもジョンソン宅は超豪邸、裕に100人は入ることができる。

この高校では、秋の恒例行事となっている。


去年マックスは当たり前のように不参加だった。

今年も不参加だと思ったが、
多感な17歳、マックスは心のどこかで参加したかった。



ただ、参加するのには大きな壁が一つ。

仮装をしなければならない。


ドラキュラやフランケンシュタイン、どれも恥ずかしがり屋なマックスには到底できない。


「何かちょうどいい仮装はないかなぁ。」


マックスはネットで仮装衣装を探し始めた。

ミイラ男、、、


(顔が隠れるからいいじゃないか。)


そこはマックス。僕が僕であることを証明したいらしい。


this is my Halloween costume、、、


「これが私のハロウィン衣装です。」と書かれてたスウェット。なかなかシャレが効いている。


でもポップで可愛いすぎる。

これは可愛い子か、人気者が着て成立する1枚。惜しい。


それからネットの波に乗り続けること2時間。


ついにお目当ての仮装衣装を見つけた。


GoodGoodsstore。

変な名前のオンラインショップ。


this is my Halloween costume



先ほど見たものと同じ文章だが、違う。


可愛さが全くないオールドイングリッシュフォント。

これはクールだ。


マックスはすぐに購入ボタンをクリック。







ハロウィン当日、マックスは意気揚々とジョンソン宅に向かった。
マウンテンパーカーの内側にあのスウェットを忍ばせて。


ジョンソン宅にはいわゆる学校の一軍勢がうじゃうじゃいた。皆それぞれハロウィンを楽しんでいる。


マックスはフロアの中心に移動。



マックスは意気揚々とマウンテンパーカーを脱いだ。


(やめとけ、マックス)





マックスは小学生ぶりに深い深い海をさまよった。



2秒後。




深海から地上へ何者かが、マックスを引き上げた。




フランケンシュタインだ。

「何そのスウェット、イケテンじゃん。」とフランケンシュタインが話しかける。


ドラキュラが近づいてくる。
「やば、洒落てんね。」


 「私のと大違い!」
とthisis my  Halloween costume ne-chan。



あのブリッジ事件とは違う光景。

マックスはTOO SHY BOYから卒業した。

マックスの人生はこれから。







マックス、今MAXでーす!!!







というスウェットになります。良かったらぜひ!


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