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Vol.1 「つばめキャンドル」しあわせのおすそわけ

「Good Job! 」プロジェクトの下、2015年、2016年、2017年と3度開催された「Good Job Award」。全国からさまざまな素晴らしい取り組みが集まりました。
過去に受賞したプロジェクト・商品は今どんな進展を見せているのでしょう?それぞれの”今”をシリーズで追っていきます。

Good Job! プロジェクトとは
障害のある人とともに社会のはたらき方をデザインする取り組みです。アートやビジネスなど福祉の領域を超えて、新たなしごとや仕組みをつくることを目指しています。2012年、大阪で初の展覧会「Good Job!」を開催し、障害のある人の表現を活用した魅力的なプロダクトを紹介しました。2013年からはプロダクトに限らず、活動・仕組み・メディアなど、全国のさまざまな取り組みを発信する「Good Job! Exhibition」を毎年開催しています。
Good Job! Awardとは
商品や製品など目に見えるものだけでなく、プロセスや仕組みなど有形無形を問わず、障害のある人との協働から生まれているしごと・はたらき方を対象としたアワード。多様性、革新性、地域性、経済性、影響性、デザイン性を基準として審査。


「つばめキャンドル」(新潟)社会福祉法人燕市社会福祉協議会就労支援センター×企画制作室Bridge


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「つばめキャンドル」は母体である燕市社会福祉協議会就労支援センター支援員(当時)の土田さんと、企画製作室Bridgeの出会いからはじまりました。それまでは企業からの請負作業を主に行っていましたが、独自のモノづくりをしたい!と考えていた矢先の出会いでした。

福祉以外の分野とのつながりを大切にする

G:福祉の世界の中だけでは、みんなが欲しい商品を生むことは難しい。どうやって商品開発を進めたのでしょう?

土田さん(以下 土):商品作りでは、デザインなど自分たちではできない事も多かったので、Bridgeさんを通じて知り合ったプロの方にアドバイスを頂きました。
福祉とは違う業種の方々とつながり、販売ルートやイベント紹介してもらうこともありました。店舗の担当者に販売や展示の方法を相談したり、パッケージは紙器工場に相談したりしました。

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コンセプトがローカルなつながりを生む

土:キャンドルの世界観をつくる時に大切にしたのが「幸せのおすそ分け」というコンセプトでした。もともと、結婚式場で使われたキャンドルの残った部分を溶かして、商品にしています。結婚式という幸せなひと時を過ごしたキャンドルたちを、もう一度きれいに作り直してあたたかな火をともしてほしい。そんな思いに共感してくださった方とつながって仕事の幅が広がってきました。

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G:具体的にはどのようなつながりに発展したのでしょうか?

土:地元のイベントにお声がけ頂いて出店したり、市役所で市民の皆さんに配る粗品としてキャンドルの発注があったりしました。地道にできることをしていって、またご縁をつなげてもらって、、という繰り返しです。

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つくる過程も楽しく!

リピーター人気が高いつばめキャンドルですが、その秘密のひとつに”つくり易さ”があります。それは単に”カンタン”ということではなく、商品設計の上できちんとつくり易くなる方法が考えられているため。
そもそもつばめキャンドルのある燕市は、職人の町と呼ばれ古くから工業が栄える地域。そこに目をつけ、地元の金型企業を探し出し、作業所で製作をしやすいよう、意見を落とし込みながらオリジナルのロウ型を作り上げました。
土: 障がいのあるスタッフ(以下スタッフ)がつくるので、誰が行っても同じように仕上げられること、効率よくロウのチップを製作できること、毎日の作業で使うものであり、ロウも熱いので耐久性があること、安全に持ち運べることなどをポイントに考えて作っていただきました。

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色とりどりのロウのチップは見ているだけでも心弾みますが、小さな小さな丸いチップのなかにはプロの技が息づいているのでした。

もう一つこだわったのが、くみ上げる最終工程の”たのしさ”。チップを重ねるというシンプルな構造ながら、色や大きさの組み合わせで幾通りものキャンドルが出来上がります。

スタッフの自信もつくるワークショップ

作るのも楽しい!ということで、最近人気となっているのが、ワークショップ形式でスタッフが講師となりキャンドルを一緒に作ることができるというもの。そしてワークショップは、スタッフの仕事へのモチベーションを変える効果もありました。

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ワークショップの様子。カラフルなチップを重ねて作るキャンドルは子供たちにも人気。


土:お客さまへの作業説明やワークショップを行うことは、経験の幅が広がるのでワークショップが始まった当所からチャレンジしてもらっています。不器用だったり、人と接することが苦手だったり、全員が全員すぐにスキルアップできているというわけにはいきません。けれども、最初は人と目を合わせられない、顔も上げられなかったスタッフが、少しずつコミュニケーションに慣れてきて、挨拶ができたり、商品説明ができたり、自分でできることを増やすことにつながりました。


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土:そうしたチャレンジは自信につながっていって、自分の仕事への誇りになっていきました。

地元のテレビ局、新聞などのメディアでも度々この様子が取り上げられ、当事者の方から「つばめキャンドルで仕事をしたい」との連絡をもらうようになったそうです。

つばめキャンドルのこれから

G:今後どんなことに挑戦してみたいですか。

土:地域とのネットワーク、スタッフの思いがあるつばめキャンドルでしか出来ないような商品作りや、「幸せ」や「楽しさ」を贈れるような体験の提供をもっと広げて行きたいです。

丁寧な取り組みを続けているつばめキャンドル。2013年から始まった取り組みはもう7年目。施設でのモノ作りという枠を超えて、新しい価値・体験を創り出していきそうです。

(佐藤 秋佳)

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つばめキャンドルShop
住所:〒959-1263 新潟県 燕市大曲4328番地
営業日:月曜日〜金曜日
お休み:土・日・祝
営業時間:9:30〜16:00
お問い合わせ:0256-62-4855(燕市社会福祉協議会就労支援センター)
HP https://tsubamecandle.jimdo.com/
FBページ https://www.facebook.com/tsubame.candle/
つばめキャンドルの商品はこちらでも購入できます
オンラインshop https://tsubacan.thebase.in/

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