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在宅医療・介護に関わるなんて思いもしなかった私の入社エントリ

ひょんなことから株式会社ゼストの「在宅医療・介護業界向けの訪問スケジュール管理ツールZEST」にかかわるようになって、早10ヶ月。

2023年2月から心強いメンバーが続々と増えるこのタイミングで、遅すぎる入社エントリを書いておこうと思います!

在宅医療・介護って何?

在宅医療・介護とは、文字通り「自宅で医療・介護を受けられるサービス」のことです。

もともと思い浮かべていたのは、昔テレビで目にしたような、離島のお年寄りを往診する医師でした。しかし、利用者の「在宅」を実現するためには、実際はもっと多くの方々の支援が必要になります。

訪問看護をおこなう看護師・准看護師、リハビリをおこなう理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、自宅やデイケアで介護をおこなう介護士・介護福祉士・ヘルパー、ケアプランを作成するケアマネジャー、利用者の退院を助けるソーシャルワーカー、主治医や訪問診療の医師などなど…そして、ご家族。

なぜ、利用者はそうまでして「在宅」にこだわるのか。
なぜ、自宅に帰りたいと願うのか。
なぜ、入院ではダメなのか。

最初の頃は、そこに疑問を持つことさえもありませんでした。「在宅医療」という概念が先に来てしまって、それを必要とする人たちの想い、願いを実感として抱くことができなかったのかもしれません。

しかも、そもそも私は自分の人生において、この在宅医療・介護業界を忌避しているところさえありました。この業界がどうこうではなく、自分の親の介護がぐっと身近になる気がして、できるだけ遠ざけておきたかったからでした。介護が始まると、家族の孤独な戦いが始まるイメージを持っていたのと、お母さんっ子の私にとって弱っていく親の姿は想像するだけで辛かったのです。

そのような先入観もあり、「在宅」というものの存在意義を自分の中で腹落ちさせるまでは実は本当に大変でした。一見シンプルな言葉だから、意味合いをわかったようなつもりになってしまうけれど、実際は全くわかっていませんでした。

利用者のご自宅で垣間見た、あたたかさ

ジョインして数ヶ月経った頃、そんな私が「在宅の良さ、大切さ」を実感できる出来事がありました。なんと、クライアントの訪問看護ステーションさんとご利用者さんたちにご協力いただき、実際の利用者宅へ訪問同行させていただく機会をいただいたのです。

ケアプロ訪問看護ステーション東京さんの足立ステーションにお伺いしました!

訪問当日、訪問看護師さんと一緒に自転車で近隣を駆け回り、1日で3件の利用者宅を訪問させていただきました。

利用者宅にはたいていご本人が過ごすための部屋がありました。そこには、家族写真や趣味のコレクション、お孫さんたちからのお手紙、写真、手作りの賞状などなど。

「おばあちゃん、免許取ったら〇〇に連れて行くね」
「あと4年はご飯をたくさん食べられるように」
「ばあちゃん、誕生日おめでとう」

利用者ご本人が訪問看護のサービスを受けているあいだ、一緒に暮らすご家族は、すぐ気配を感じられる場所にいらっしゃることが多かったです。

「自宅で暮らす」ということは「家族との繋がりを自然に感じられる場所で、ありのままの自分でいられる」ということなのだと実感しました。

逆に言えば、病院で過ごす時間は、日常から断絶され、よそ行きの自分でいなければならない、普段なら何気なく感じられるはずの家族の存在も遠くなってしまうものであるとも。

日常の尊さ

よくよく考えてみれば、その辛さは私自身にも覚えがありました。

出産や産後の体調不良で何度か入院したり、はたまた海外の夫実家に産後、短期滞在したりと、「自宅以外の場所で過ごすことで、自分の思うように事が進まない歯がゆさ」を何度か経験していたからです。

しかし、おおきく違うのは、私の場合は「その非日常はいつか終わるし、最終的には自分の意志ひとつで終えられる」ということです。

人生の締めくくりに差し掛かった時期なら、きっと一切の後悔を残したくないであろうタイミングです。その時に、自分の思い通りにならない「よその場所」ではなく、身近に家族を感じられて素の自分でいられる「自宅」で暮らす意義。

利用者・ご家族の姿を見て、在宅医療・介護はかけがえのないサービスなのだと改めて強く感じるとともに、「在宅医療・介護がもっと広まれば、介護が必要になってからも孤独にならない生き方を選べるのだ」とホッとしました。

在宅医療・介護に関わる人たちの想いを大切にしたい

「在宅」を切望する利用者・家族を支える在宅医療・介護のお仕事は本当に大切で、同時にとても大変なものです。

人工呼吸器をつけて話ができない利用者と、アイコンタクトで会話しながら痰の吸引や歯磨きを丁寧に、何度も何度も繰り返しおこなう。利用者家族の困りごとの話に耳を傾け「無理しないように。いつでも連絡してね」とそっと寄り添う。体が思うように動かなくなって気分が沈んでいる利用者が、少しでも前向きな気持ちでリハビリできるように励ます。

暑い日も寒い日も、どっしりと重いリュックサックを背負って利用者宅まで向かう。利用者の状態をチームメンバーと共有して、どのようなサービスが必要か議論し合う。オンコールのときにはドキドキしながら過ごし、緊急連絡があればすぐに駆けつける。

リュックサックを持たせてもらったら重い!

それでも、どんなときにも利用者ご本人とその家族に、宝物のように丁寧に、大切に接する。

私たちの訪問スケジュール管理ツールに表示されるひとつひとつの「予定」の向こう側には、こうした、「人」と「人」が向き合うあたたかな時間がある。それを垣間見させていただき、嬉しく心強い気持ちでいっぱいになりました。

在宅医療・介護の関係者が利用者の「命」「人生」に関わる以上、その「過酷さ」「責任の重さ」はこれからも変わることはありません。だからこそ、私たちは変えられる部分の負担をもっと軽減して、在宅医療・介護関係者の心と時間のゆとりを生み出し、利用者やご家族の安心を届けるお手伝いができたらと思います。

入社エントリに添えて、そっと決意表明でした。

ケアプロさん、貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました!

ケアプロ在宅医療株式会社 Carepro home medical care, Inc.
https://carepro-hmc.co.jp/

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