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「シチリア!」の変更に思う

観直してみて、主人公がアメリカ帰りという設定で、イタリアを舞台にした別な作品「雲から抵抗へ」(1978)の主人公の設定と同じことに気付いた。ところが、ヴィットリーニが書いた原作の「シチリアでの対話」(1941)では、そうではないようだ。

どうして、その設定を変えたのかのヒントは、「シチリア!」(1998)の編集を映画化した「あなたの微笑みはどこに隠れたの?」(2001)にあると思う。ユイレの編集作業を見守る中、ストローブはヴィットリーニと「雲から抵抗へ」の原作を書いたパヴェーゼは友人だった。。と語っている。パヴェーゼが自殺したという知らせを聞いてヴィットリーニは泣いたのだと。

「あなたの微笑み。。」をも今回観直すことで、「シチリア!」のテーマは連帯の可能性だと確信することができた。設定をパヴェーゼの小説と揃えることで、ストローブ・ユイレは、二人の連帯も形にしようとしたのかもしれない。

And I always thought: the very simplest words

Must be enough. When I say what things are like

Everyone’s heart must be torn to shreds.

That you’ll go down if you don’t stand up for yourself

Surely you see that. (Brecht)

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