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偉人に学ぶ発想術

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歴史上の人物や出来事から、新しいアイディアの切り口をお届けします。
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記事一覧

バレンタインと麦茶に学ぶマーケティング

バレンタイン=記念日設立マーケティング バレンタインデーは、マーケティングの大成功事例である。 最初に誰が仕掛けたのかは諸説あってはっきりしないが、2月14日というきまった日に、女性が好きな男性にチョコレートをプレゼントするものだ、という風習を人工的に作り出したのは快挙である。 この様式は1970年代にはじまったらしい。 最近は、チョコをやりとりする人が減ってきてはいるものの、50年近くにわたって存続しているのはすごい。 今でも、年間のチョコレート菓子販売額の1割程度はバレ

Clubhouse と 道長

「この世をば我が世とぞ思う望月のかけたることもなしと思へば」 (この世はまるで私のためのものであるように思う。満月に欠ける部分がないように、私は完全に満ち足りているから) という日本史上でも指折りの全能感がある歌を詠んだ藤原道長。 日本史の教科書の中では、娘を3人も天皇の后とし、摂政・関白・太政大臣を歴任、栄華を誇った人物として登場するため、名前を知っている人は多い。 だが、その晩年はあまり知られていない。 藤原道長は甘いものが好きだったようで、糖尿病と推測される症状

幻の日本AWSについて豊臣秀吉の武将観で考える

AWSと豊臣秀吉 2つの単語をお題にしてコラムを紡ぐ企画、2単語コラム。 今回はこの2単語で考えてみる。AWSと豊臣秀吉。どんな関係があるだろうか。 AWSの成長Amazon Web Services は、2006年に始まった。 AWSの出現で、クラウド上のコンピューティングパワーを使うという発想はあたりまえのものになり、銀行系のようなミッションクリティカルなシステムを含め数多くのシステム・サービスを支えるものになった。 AWSの売上推移をグラフにしてみよう。 201

バッハに会えるタイムマシンが有るという話

バッハ & タイムマシン 2つの単語をお題にしてコラムを紡ぐ企画、2単語コラム。 今回は「バッハ」と「タイムマシン」で考えてみる。この2単語、何か関係があるだろうか。 「何人かに一人」の天才バッハは西洋音楽史における天才の一人。西洋音楽史の世界では、このような人たちが時代を作っていったと言われる。 バッハ・ヘンデル・ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン・シューベルト・シューマン・ワグナー・ブラームス・リスト・ショパン・チャイコフスキー・ドビュッシー・ラヴェル・シェーンベ

椎名林檎と吉野ケ里

椎名林檎 & 吉野ケ里遺跡 2つの単語をお題にして作る2単語コラム。今日は椎名林檎と吉野ヶ里遺跡。 椎名林檎は「ギブス」の中でこう歌う。 あなたはすぐに写真を撮りたがる あたしは何時も其れを厭がるの だって写真になっちゃえば あたしが古くなるじゃない 写真に撮って過去の私を残すと、今の私が嘘になるから嫌だという。 だが、バーチャルリアリティは、嘘を本当の様に感覚できる技術。 将来、幻影を通じて過去の人物に恋することはあたりまえのことになるかもしれない。 Youtu

ボブ・マーリーで考えるメンタルヘルス

ボブ・マーリー & メンタルヘルス 2つの単語をお題にしてコラムを紡ぐ企画、2単語コラム。 今回は「ボブ・マーリー」と「メンタルヘルス」で考えてみる。 One Good Thing レゲエの王様、素敵の国のボブマーリーは、音楽のいいところって、音楽に「打ちのめされ」ても痛みがないことだよね、と言った。 (One good thing about music, when it hits you, you feel no pain.) 確かに、その通りだと思う。 一方で、

あなたは刺さる?染みる?響く?

ハート & 硬さ 2つの単語をお題にしてコラムを紡ぐ企画、2単語コラム。 今回は「ハート」と「硬さ」で考えてみる。 感動のメタファー誰かの発言に感動した!というとき、なんと言うか。 「彼の言葉が、私の心にとっても◯◯た」 実は、この◯◯に入る日本語にはいくつかある。 ・しみた ・ささった ・ひびいた  心に染みるときと、 心に刺さるときと 心に響くときがあるようだ。 どの言葉を好んで使うかは、人によって違う。 改めて、この3つを見てみると、どうも、心の「硬さ」の

ロボット3原則の発展について考える

ザビエル & アシモフ 2つの単語をお題にしてコラムを紡ぐ企画、2単語コラム。 今回は「ザビエル」と「アシモフ」で考えてみる。 ザビエル16世紀の戦国時代、日本にキリスト教が広まった時代があったが、当時の日本語では「愛」という言葉には色恋の意味合いが強過ぎたため、宣教師達は「Love (amour)」の訳語に悩んだ末、「大切」という訳語を充てた・・・という話を聞いたことがある。 実際、当時の文献には、ローマ字書きで「神(デウス)のご大切」のような表記がでてくる。 現代語の

働くスピードの閾値の話

宇宙速度 & ワークスタイル 2つの単語をお題にしてコラムを紡ぐ企画、2単語コラム。 今回は「四国」と「キャリア」で考えてみる。 宇宙速度ロケットが地球の重力を抜け出して宇宙に飛び出すためには、毎秒11.2キロメートルという速度を超える必要がある。 それより低い速度で飛ぶ物体は、宇宙に飛び出すことができない。この”毎秒11.2km”は宇宙速度と呼ばれており、地球上に存在する全ての物体に、この物理法則が適用される。 不思議なことである。 自動車にのって、隣の町に向かうとき

「あなたのキャリア」= 四国の形

四国 & キャリア 2つの単語をお題にしてコラムを紡ぐ企画、2単語コラム。 今回は「四国」と「キャリア」で考えてみる。 「四国の正確な形」を言葉で説明することはできない。言葉で説明すると「長方形ぽい形でデコボコがある」というくらいしか言えない。本当は様々な起伏があるけれど、その正確な形を言葉では表現できない。言葉というのは本質的に要約の技術だなと思う。 「人生」と「キャリア」というものの違いも、「四国の正確な形」と「長方形」の違いに似ていると思う。人生には本当はさまざま

4分33秒 と 4兆33秒 の間で音楽を考える

4m33s & 4t33s 2つの単語でコラムを作る2単語コラム。今日は4分33秒と4兆33秒という2つの時間について考える。 4分33秒音楽家 ジョン・ケージは、1952年、「4分33秒」と呼ばれる作品を発表・初演した。 その作品は、舞台に現れた演奏者が、楽器とともに何もせずに過ごし、一定の時間 (4分33秒) が経過したら退場するというもの。 楽譜に表現されるようなピアノの演奏は一切行われない。 これは、音楽に対する考え方の転換を提案したものとされる。 作曲家によ

チャップリンの言葉に元素の不思議を見る

元素 と チャップリン 一見無関係な2つの単語をお題にしてコラムを紡ぐ企画、2単語コラム。 今回はこの2単語のお題で考えてみる。元素とチャップリン。何か関係があるだろうか。 人生のクローズアップ人生はクローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇だ というのはチャップリンの言葉。 しかし、もっともっともっとクローズアップして、元素のレベルで見てしまうと、「くっついたり離れたり」を何億年もの間ずっと、ただ単調に繰り返しているだけ。 ビッグバンからアナタまで

2単語コラム

直接関係のない2つの言葉を拾い上げて、それをつなぎ合わせるような文章を書こうと思う。 2つの点は、面を限定しない。2つの点を通る面は無数に存在する。 2つの点のつなげ方は無数の可能性がある。 2つの点は広がりを与えてくれる。 あえて無理矢理に2つの単語を結びつけるひとつの道筋を作ろうとする過程で、きっと面白い発見を見せられるだろう、 そう思って、二単語からなるコラム、二単語コラムを始めよう。 全てのタイトルを「A & B」という形式にしてコラムを書く。 はじまり & は