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人間を最も殺したのは蚊?人間?

8月20日は「蚊の日」、
今週は モスキートウィーク。

蚊が媒介するマラリア・ジカ熱・デング熱が原因でたくさんの人が亡くなっており、これがために、蚊は「人間を最もたくさん殺した生き物」第1位と言われているそうだ。

本当は第一位は人間なのではないか?
人間を最も殺しているのは人間なのではないか?
つまり戦争/戦闘による死の方が蚊による死よりも多いのではないか?
・・・と思い調べてみた。

その質問に答えてくれるのがこちら。
"A Human History of our Deadliest Predator"

この本によると、これまで存在した人類1080億人の内、およそ半分にあたる520億人は蚊に殺されたとのこと。

さすがに...

さすがに、いくらなんでも、人口の半分を殺し続けている戦争はないと思われるので、これを信じるならやっぱり、第一位は人間ではなくて蚊だということになりそうだ。


ではもっと最近だとどうなんだろうか?
直近100年間だけで比較したらどうなのかと思い調べてみた。

まずは蚊による死者数

WHOのページの他いくつかのソースを見ると、蚊が媒介する疾患による死者数は毎年およそ70万人くらいのようである。

一方、戦闘による死者数は Our World in Data に統計があった。この2つのデータを重ねてみてみよう。

そうするとこうなる。

画像1

接戦である。

蚊による死亡者数の線をモスキートラインと呼ぶとすると、人間が人間を殺した数がモスキートラインを超える時期がいくつかある。

1つ目の山は第一次世界大戦。

2つ目の山は第二次世界大戦。

そう考えると、人間が蚊の残酷さを超えていた時期を世界大戦と呼ぶのかもしれない。

第二次世界大戦後も、何回かモスキートラインを超えている。

第二次世界大戦直後から1951年までの時期にふくまれていそうなのは以下。

朝鮮戦争
インドネシア独立戦争
インドシナ戦争
ギリシャ内戦
印パ戦争
中東戦争
パレスチナ紛争
ミャンマー紛争
東トルキスタン紛争
チベット紛争

1971年と1975年にもモスキートラインを超えている。この時期に含まれていそうなのは以下。

ベトナム戦争
中東戦争
パレスチナ紛争
ミャンマー紛争
ラオス内戦
ローデシア紛争
チャド内戦
北アイルランド紛争
フィリピン紛争
ヨルダン内戦
カンボジア内戦
カシミール紛争
キプロス紛争
ナミビア独立戦争
レバノン内戦
東ティモール侵攻
アンゴラ内戦

医療技術の発展と医療系サービスの進化によって、蚊による死者数はどんどん減っていってほしいと思う。

そしてこの歴史の今後これ以降は、人間が第1位とならないよう、モスキートラインを超えないまま0に向かっていってほしいと思う。


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