R-20 ネタバレあり感想

普段はネタバレあり感想を公演期間中にあげる事もないのですが、どうにも語らずにはいられない気持ちになってしまったので、暫定版として。今日千穐楽を観て、パンフも手に入れてまた改めて書きたいな、と思っています。
もしまだ観劇してないのにこのページを見ている方はすぐに閉じてくださいね。観劇予定ないのに何故か見ている人は、今ならまだまにあうかもしれないのですぐに萬劇場に向かってください。本当に、素敵な話だったので。

というわけで以下にネタバレが含まれます。



「語らずにはいられない」がすでに若干のネタバレだったりはあるのですが、それはさておき。
本当に素敵で、大好きな話でした。観劇前は、オカルティック エモーショナル ゲスコメディ、という言葉に???となっていしましたが、確かにオカルティックで、めちゃくちゃエモーショナルで、そしてとてもしっかりコメディでした。メインビジュアル見てた時点ではあんなに笑って、しっかり泣かされるとは思ってなかったかも。
初回観劇時は、主に三つの時間軸が並行していく展開にこれがどう繋がって行くんだろう(それこそ最初は作中作なのかな、とか考えていた)、とドキドキしながら、それを読み解いていくのはミステリ小説を読み進めるようで、ぐっと引き込まれた。全シーン目が離せないくらいに引き込まれたのは、ストーリーの面白さもそうですが、各シーンで見てもコメディとしてテンポ良く面白かったり、各キャラクターがとても魅力的に現れていて誰に注視していても楽しかったり、そういった理由もあったと思います。
好きな小説にハマって目を離さず、一気見しているような感覚。

私の大好きな小説家に辻村深月さんという方がいらっしゃるのですが、その方の、特に初期の作品を彷彿とさせるような構成とストーリーで見事に刺さりました。
初期の、とつけたのは単純に初期の作品が高校生(などの学生)の群像劇をテーマにしていることが多かったから、というのもありますが、いなくなった一人の名前が思い出せない、は『冷たい校舎の時は止まる』や『名前探しの放課後』での大事なキーであったり、カガミの復活から伏線を回収しつつ最後の大団円に向かうまでの展開は『スロウハイツの神様』の最終章のようだったり、私の思い入れのある作品たちが脳裏を掠めて、読んでいた当時の自身の学生生活まで思い起こされるようなワクワクした体験でした。
そう、カガミの復活から小説の完成、そしてラストシーンまでの流れが本当に好きで。目標に向かってパワフルに突き進んでいく(キャラクターとしても、舞台全体としても)様は心躍りながらいつまでも観ていたいと思うほどでしたし、性格変わったんじゃ?ってくらいのウジウジカガミも、怪異と寮生たちが仲良く協力しているのも微笑ましく、素敵でした。ミズキが「らぶつくを驚かした時みたいで楽しかった」って言っていたけれど、その時はヒデが「文化祭みたいなもの」って言っていたはずで、まさに怪異と人間で文化祭してるような光景でとても心に残りました。
その大団円に向かうパワーと読後感が本当に素晴らしく、そして清々しかった。オカルティック、とかゲスコメディ、という言葉から想像できないような爽やかな後味と、暖かな心に残る気持ち。上述の辻村深月さんの作品の魅力も、読んだあと人にオススメしたくなるようなその読後感にあると思っているのですが、今回(たぶん)初めて、「話がめちゃくちゃ良いので観にきませんか」と友人をお誘いした気がする。
ストーリーが魅力的で、キャラクターたちもとても魅力的で。キャラクターが魅力的なのは個性溢れるキャストのみなさまの良さでもあり、演出の良さでもあるのかもしれません、とにかく、何回でも見返したくなるし、劇中どこを注視していても面白く、そして「語らずにはいられなくなる」ような、心に残る素敵な作品でした。

各キャラクターの良さもたくさん書きたいのですがそれは千穐楽見おえてからしっかり書きます!


ここから追記。
追記するまでに10くらいかかってしまったけれど、夏が終わる前になんとか間に合った、、?

少し時間たって思い返すと、本当に良いものを見たな、と感慨に耽ってしまう。物語の求心力、それをより一層加速させる演出と、いきいきと魅力的に演じられたキャラクターたち。全てが噛み合っていたんだろう、ととても感じた。昨日、思い返しながら台本を読んでみて、カガミの復活までのシーンで泣いた。それだけ心に深く残り、何度も見返したいと思う、素敵な舞台でした。

千穐楽はどこも見逃したくない、と思って色々見回しながら見ていた。複数回みて改めて見えてくるところもあった。寮長が話す前いっつもアワアワしてる(かわいい)とか、7人組の中のやりとりを見ていると、カガミがいかに中心でいたか、と思い知らされたり。

寮長はここ最近の柏木椎名では久々に(?)正統派に可愛かった気がした。ここのところ悪役含めクセの強いキャラクターが多かったのでえ、かわいい、、と素直に感想にしたのがとても久々な気がする。アワアワしてたり可愛かったりみんなの癒しだったり、可愛いながらもコミカルな感じなのは柏木椎名らしいな、とも思った。個人的には、岩さんコロナ事件で部屋に入ってくる時の慌てっぷりがとてもコミカルで好きです。
コミカルで可愛い、と言うと人魂ことたまちゃんも怪異チームで1番怖くないんじゃ、ってくらいコミカルで可愛らしくて、寮長ちゃんとの親和性をとても感じました。怪異の性格と元になったJKの性格一部近いのかな、とは考えていましたが、特にたまちゃんと寮長は親和性高そうで、だからこそ寮長の背中をたまちゃんが押すシーンは鏡写しの自分に押されてるようで、とても胸に残りました。

カズは副寮長ながら寮長ちゃんがあんななので(多分みんなから言われたから、って寮長やってそう)まとめ役もツッコミ役も担っていて忙しそうでしたね。さすがオカン。と同時に寮長ちゃん全肯定オタクかな?ってくらいミズキ大好きで、微笑ま面白くて良かったです。何せ柏木椎名とこの夏ずっと一緒にいる日和ゆずからの『私のミズキ』という台詞はとても説得力がありましたね、、、、。『可愛さと怖さが同居している、、』も私がとある映画(ゆずちゃんも出てる)で柏木が悪霊やった時にほぼ同じ事言ってた記憶すらある。
対応する怪異の口裂け女さんも、怪異のまとめ役としての信頼感と怖さ、そしてSM嬢の設定を足された事による怪しさ含めて凄い良いバランス(冷静に考えたらSM嬢足されてバランス良くなってるのも変なのですが)で、カッコよくて素敵でした。

カガミは鏡の呪いと怨念としての怖いカガミと、JKの一員としての可愛いカガミと、その間で揺れ動く所、そして復活後のウジウジカガミと性格もテンションも移ろいで行くのがとても魅力的でした。個人的にウジウジカガミが怖かったカガミの片鱗もないくらい弱々しいのとても好きです。まぁでもウジウジしてんのかと思いきやイズミコに顔出しさせるよう仕組んだりしてるし、あれやっぱ悪霊だよ、うん
怨念としてのカガミ、元々の事故で亡くなった子が生まれ持ってそう、というよりかは、噂で呪いであれ、悪霊であれと当時の高校生たちに願われてしまったからこそそんな存在として出てきてしまったようですが、そんな彼女の願いが『自分として生きたい』であることなのは切なかった。ただ、私思うんですよね、カガミがいつからJKたちに混ざっていたか、は明記されてないですが、寮生たちとの暮らしは(その裏に配信させる計画があるとしても)彼女としての暮らしであり、彼女の願いは実はほぼ叶っていたのではないかな、って。

https://x.com/ayum_goh/status/1693246230258995651?s=46&t=3CDVWJeH07IZ-N362K5OxA

私が改変された噂でのカガミが、ほぼあるに本編でのカガミじゃん、な事を書いたのはそんな理由もあり。これなら人間になんてならなくてもカガミの願いはずっと成就するのでは、と。あと、『存在しないはずの友達』っていいじゃないですか。

あれ、全然描き終わらないぞ、、、?中途半端ですがとりあえず一度更新します、、、え、、

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