柏木しいなは天才作詞家なのかもしれない、という説2

結論:電波ソングの歌詞解説って難しい


さて、前回から気づいたら半年経ってしまいましたが、柏木しいなの作詞家としての側面を掘り下げる?べく始めたこの記事の二回目をお送りしようと思います。

ちょうど3月20日で柏木しいなさんとしての活動6周年でして、そのお祝いの意味もこめているとかいないとか。いや今回も遅刻したな私


さて、今回紹介する曲はこちら、ぜったい♡福♡YOU

 歌詞解説の前にこの曲について少しご説明をしておきましょう。この曲は2017年2月1日にリリースされた、柏木しいなの現在唯一のオリジナル曲です。作曲は前回ご紹介した「僕のゆーとぴあ最終論♡」と同じくフワリさん、作詞は柏木しいなとフワリさんの二人です。

少し脱線しますがこのフワリさん、ディアステージ関連曲いくつも作曲なさっているのですがわりと正体不明だったんですが、つい先日Twitterを始められまして、最近の仕事なんかもあげてらっしゃいます。悠木碧さんへの曲提供やけものフレンズのキャラソンを手がけていたり、こちらも是非お聞きください。

↑電波ソング、、?いやそもそも歌???ってなるけど強烈なインパクトです

さて、話を戻します。今回のぜったい♡福♡YOUですが、電波人主催の夜さんが急に紹介してくださって、アレがなかったら私と電波ソング界隈とのご縁もこんなふうにはなってなかったろうな、なんて今でも思い返しています

というわけでそんな思い出の曲でもあり、柏木しいなの今に至る原点でもあるこの曲について、僭越ながら解説をしていこうと思います。

背景

いや、歌詞解説せんのかい、、、?とお思いでしょう、もう少しお待ち下さい。その前に、この曲が作られる背景をご説明します。長く描こうと思えばいくらでもかける内容なんですが出来る限り短く。

そもそもこの曲は当時の彼女の所属組織である(今もいます)ディアステージ内で行われていた、「ツキイチ」というライブ形式での楽曲獲得オーディションで、2016年10月に見事勝ち取り、その結果作ってもらった曲です。この「ツキイチ」や後継の「トキドキ」に関連する曲は本人の意向や希望をわりと強く反映できるからかキャラソンのようなとても特徴を捉えた良い楽曲が多く、この曲も電波ソング好きな柏木しいならしい、ハイテンションで明るい曲となっています。

 ただ、柏木しいなが最初からあんなに明るかったのか、と言われれば、私はそれは違うと答えます。私が最初に出会った六年前は少なくとも、弱気で臆病で、自信がなくて(これは今も)、弱々しい、そんな子でした。今思えば単に弱々しいんじゃなくて、クレイジー(褒めてる)さの片鱗みたいなのは見えていた気もしますが、、。それが一年たったくらいから少しずつ「変わりたい」と願い始め、急に髪色大きく変わったり、自分にとっての武器を理解したり、と風向きが変化していき、ようやく、ツキイチ参加という大きな挑戦に一歩踏み出して、そして得たのがこの曲。 この曲の歌詞にも、変わりたい、という言葉やその意思がとても強く反映されています。そして、変わった「先」には?

リリースから四年後の今だからこその視点で、ここから歌詞解説をしていきます。

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最初の入りからしてとても電波ソング的なのですが、「みんなでしあわせになりたいよ♡」というのがこの曲の一番の主題でしょう。そのあとに続く「しあわせ福福FORYOU」も、自分が幸せである以上にこちらの幸せを願うようで、これは私が「今の柏木しいな」に見ているテーマ(前回何度かお話したやつです)に相違ないですね。

Aメロ、最後にトラウマにsay good byeとあるようにこの部分は回想なのかな、と考えているのですが、「リーガルな横暴」からすでにわからん、、、。「理論ロンリーコンビニ」は、理論とロンリの言葉遊びみたいなところと、コンビニ→24時間→(常に)隠すのは得意、と繋がっていて、内向的、閉鎖的な自己の事を言っていると考えます。いや、でも横暴ってなに、、、、?ぐーぱんちって横暴ってか暴力だけど、、。過去にいじめられていた、なんて可能性も想像してしまいますが、そんな話を聞いた事は今のところありません。

「触れさせてよせめて消しゴムで良いから」に関しても内向性を表していて、消しゴムという「痕跡を残さない、なんなら消す」ようなモノとしてで良いから触れさせて、ととるか。もしくはよくある学校生活の一部、落ちた消しゴムを拾う際に手が触れる、そんなアクシデントみたいな形で良いから、ととるか。学校が急に出てきたようにも見えますが、つい最近柏木しいな本人がこの曲の最初のアラームのような音を「鐘」って言ったんですよね、、、。そう言われると学校のチャイムに聴こえてくるような??この部分の歌詞が学生時代の事を表している説、あると思います。そして、そんな内向的な自己に対し、「本当は変わりたいの」と願う。

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マシュマロを「ぎゅっとしてる」って表現するの独特じゃないです?普通ふわふわじゃない?って思ったんですが、これひょっとしたらすでに噛んでるのかもしれませんね。噛んでるときの食感というか。その直後に「第六感であいしてください」と続くのは、このセクションで視覚や聴覚を超えた部分でまでも愛してね、って話をしてるのかなぁと。柏木しいなのライブを見ている視覚、この曲を聴いている聴覚、あとこの曲に幾度も出てくる触れる(触覚)という表現、ぎゅっとしたマシュマロ?(味覚?)、第六感。嗅覚に関する表現もどこかに隠れてるかもなー?とか思いながら探したのですが見つかりませんでした、ただ、通常の感覚以外の部分まで動員して、ってのは面白い。あとなんで「あいしてください」ってひらがななのか三日考えたけど分かりませんでした。

そして出ました、Q&Aのじかん。

Everyone is truely the best.全てのものは存在したいるだけでとても素晴らしい、みたいな意味でしょうか。その全てに柏木含まれないの??え??? 基本的にこの曲、サビの明るさに相反して他の部分常に後ろ向きなんですよね。

中国語は未だに不明(本人も忘れたらしい)のですが

我想只発大家一期望 全てのものは期待されたいる、みたいな意味になりそうです。「変わりたいの」と言いつつも後ろ向き、リリース当時の柏木しいなのバランスってそんな感じだったかもしれませんね。

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いろはにほへとちりぬるを、をおんなじ音節数でひみつなの、と言っちゃうのちょっとかわいい。いろはうたのその部分は諸行無常的な意味合いですので儚さを表しているのか、色は匂えど秘密なの、を訳そうとするならば(心の内に)咲き誇る花の様に想いがあっても秘密なの、と捉えても良いかもしれません。続く歌詞が「like♡」なのも内に秘めた思いを示唆しているように見えるかもしれない。え、恋愛の曲だったのこれ?

机に毎日おまじない、の⚪︎×は良く学校の机に掘られたり落書きされてた3×3マスの◯×ですね、たぶん。三日、と3に関連するワードにつなげているのもきっとそう。いやそれおまじないちゃうぞ、となりながら机に向かってるのはやはり内向性を強くだしている、、。そしてやっぱり学校の話の様ですね。

隙間10cmは隣の人との席の間隔?いやもっと物理的に近くに触れられそうな何かがあったのか。嘘の体温、は誰かのいた場所のぬくもりなのか、そんなものでドキドキしちゃう内気女子の恋愛の歌に聞こえてきましたね。

恋愛の曲なのかはさておき、サビ以外はやはりとても内気な女の子が変わろうと願う姿を描いており、これは柏木しいながこの曲を得るまでの道のりを彷彿とさせます。そして再びサビへ、「みんなで幸せになりたいよ」と続く。

変わりたいと願った先に、変わった後で彼女がしたい事は、「みんなで」幸せになること。そしてみんなへの感謝を伝えること。内向的な部分との対比でより強く、当時の彼女の願いみたいなものが現れているのではないでしょうか。

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「これからどんなことがあっても歩いていこう」

前回にもお話した通り、『今の』柏木しいなのテーマ(だと私が思ってるもの)は、「どんな環境や状況であれ、自分らしく輝き、それによってみんなを導いていく」だと思っています。思えば、その原点はこの時点であったのではないか、と考えています

いや、むしろ

この曲で変わりたい、と、そして変わった先で「みんなで幸せになりたい」と願った彼女はその後の四年間の努力と成長を経て、たしかに変わり、「みんなを幸せにするような」そんな存在になったんだ、と私はそう思います。



綺麗に終わった、、、んですが?

前回のラストに「本当は哀しい曲かもしれないぜったい♡福♡YOU」と書いたの覚えてらっしゃるでしょうか。

いや、綺麗に終わった後だとマジで蛇足な気もしてしまうのですが、この曲のもう一面の話を少しだけ加えます。

リリース当時、ディアステージのスタッフさんであるBOZOさんがこんなことを言っています

この評価に本人はえ?泣ける??ってなったらしいのですが、私もとても落ち込んでる時にこの曲聴くと泣きます。場合によってはさらに凹むので聞かないようにしたりします。

BOZOさんのこの発言の理由は聞いてないんであれですが、この曲、要所要所になにか不穏な空気が流れてるんです。特に「第六感であいしてください」「これからどんなことがあっても歩いていこう12時まで最高の今を」。12時まで、といって誰しも思い浮かべるのはシンデレラ。「いつか魔法が解ける時がくる」。そして第六感は『五感で感じ取れなくなるから』と取ると、別れを暗示するワードが急に胸を突きます。そうやって見ていくと、嘘の体温、消しゴムも直接的に関われない事のあらわれ??と。

実際には切なさや儚さの表現なんだろう、って思ってますが、最初に気づいた時は普通に凹んだ。つら。

多面的な解釈のできる点、と言えば近年の柏木しいなの作詞につながる部分でもあるのかもしれませんね。

終わりに

というわけで今回は、柏木しいなの始まりの曲であるぜったい♡福♡YOUを解説させていただきました。

リリース当時、柏木しいながこんな事を考えていたなんて全然知らなくて、最初に聞いた時「???」ってなったのをよく覚えてます。曲に今の柏木しいながつられて行ったのか、私が気付けていなかっただけでそもそも昔から柏木しいなは一貫していたのか。いずれにせよ、柏木しいなとその作品を考える上で、とても大きな一曲だと思います。

あらためまして、柏木しいなさん、活動6周年おめでとうございます!!


さて、この歌詞解説シリーズ、まだ続きます。次はもうちょい間を開けずに出したい、、、、、、がんばります、、、、。

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