永井ヴェルディはレアルを目指せ!
出落ち感が激しいタイトルですいません。
結構、ガチ目で言ってます。
本稿は残された課題の一つについて書きます。
②Rituals and routines(儀式・習慣)についてです。
まずは次の二つの動画を見てください。
バルセロナの鳥かご
ヴェルディの鳥かご(1:00~)
違いがあるの、わかりますか?
もちろんヴェルディの選手も普通の鳥かごはします。ただこれがヴェルディの鳥かごなんですよね。
この微妙な違いが、チームとしてのプレー哲学・思想がすごく現れていると思います。結果、この小さな差がプレーに影響する。思想として全く違う考えに基づいてプレーすることになります。
ヴェルディの子って上手いのか?そうじゃないのかわからないみたいな話もたまに見ますよね。それもここに根っこがあるように思います。
僕たちのメッシ、潮音の動画です。
すごい基礎的なことをイヴァンに教わってますよね。持ち直してからだの向きを整えるボランチに必須の動き。
これってバルサの鳥かご、やっていると身に付くものだと思うのですが、何故、直されているのでしょうか?
参考までにラームの鳥かごもご覧ください。
ほとんど動かないですよね。しかも、的確に繋ぐ。ボールに対する準備が素晴らしい。
で、ここでヴェルディの鳥かごです。パスが出てレシーバーが受ける瞬間、同じ高さのプレーヤーが寄っているのがわかると思います。さらに言うと残った一人のプレーヤー、パスの出し手と同じ高さの選手がワイドに開きます。
オフザボールにあるプレーヤーが動くシステムである一方、ボールサイドには味方が密集するという仕組みです。
バルサの鳥かごは、人ではなく、ボールが走るようだなどと良く言われますね。パスというよりは、達人のピンボールのように、適切なポジションの選手が弾くように叩き、高速でボールが動いていく。ボールの動きについていけずにマークが外れるのがポイントでしょう。動いているのはあくまでも相手。
ヴェルディは自分が動いてスペースを開けるのに対して、バルサは相手を動かしてスペースを開けさせるという違いがありますよね。
全く逆の思想です。単なる練習と思うかもしれませんが、習慣の積み重ねこそが最も大きな差を生むのは、古今東西、普遍的なものではないでしょうか?
もっともこれはヴェルディの子が下手だといってるのではありません。次の動画を見てください。
レアルマドリードの鳥かご
これを鳥かごと言ってよいのかという問題はありますが、流動的に人もパスも流れていくのがわかると思います。おそらくヴェルディの子はこの動きの方が得意だと思います。スペースを見つけて動き、なおかつパスも動きながらもらい、さらに動いている相手にパスを出す。ものすごい難しいプレーですが、普段の練習みている限り、問題なくやれると思います。
ヴェルディの子がうまく見えたり、下手に見えたりするのは、やはり元々持っている癖のようなものがあるからだと思います。位置を取って待つべきとわかっていても、つい動いてしまう。試合終盤に狭いスペースに突撃し出すのは、スモールスペースへ人数をかけることで、過負荷を生み出し、空間を作り出そうとする習慣がそうさせているのかもしれません。
この習慣から生まれるプレーをどうすべきか。
バルサのようにプレーするにはこの習慣を絶たなければなりません。それは可能でしょうか?ひどく時間がかかるのではないでしょうか?
それならばその癖を生かすのはどうでしょうか?より流動性を高める方法を模索するのも面白いのではないでしょうか?
永井ヴェルディよ!レアルマドリードを目指せと言ったのは、そういう理由からです。
早く前につけるのが嫌だからバルサスタイルなのか、それとも強烈な9番がいないから偽9なのか。あるいはヴェルディ=バルサだから?
永井監督はフィジカルに劣ることを理由にあげていましたが、メッシもネイマールもスアレスも球際は強いです。元々、ヴェルディはフィジカルに劣ることを前提にサッカーをしていたわけではないです。歴史的に見ても、誇るべき経歴を持つCBもGKもFWも輩出してきました。いつの間にフィジカルに劣ることをベースにするようになったのでしょう?
ヴェルディらしさという神話の中ですり替えが行われたような気がしています。
最終回はヴェルディらしさについて考えてみたいと思います。①Stories and myths(物語・神話)の話でもあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?