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【東京物語】大学生になれたのか・・・?

日本に帰ってきたら

長年の夢だった大学に進学しようと決めてた。

アメリカ滞在中は

日本でも人生でも味わったことがない

すごくマイノリティーな立場に置かれ

それは時に驚くほど理不尽で

自力ではどうしようもないことも。

色々なアメリカ人を見る中で

ゴリを見下したり

意地悪する人には

共通点があった。

それは…

満たされていないということ。

パートナーがいるとか

いないとか

そういう問題じゃない。
(それも大切だけれど)

自分自身を満たせていない気がした。

自分を好きじゃない状態。

どこか

「じぶんはこんなもんじゃないのに」

と鬱憤を溜めている人が多い気がした。

理想と現実のはざまで

苦しんでいる人が多いと感じた。

それは…

ゴリも同じだった。

理不尽な出来事や環境に

もがき苦しんだ日々は

逆にいうと

自分の人生について深く考える機会でもあった。

周りは自分と違うようだけれど

なんとなく

心が満たされていないのは

一緒だと思った。

自分を好きじゃないのも一緒だ。

自分のために

自分を好きになるために

できることはなんだろう?

人生をよりよくすることを

初めて真剣に考えた。

そんなこと

考えたこともなかった。

ただ漠然と

あぁなりたい

こうなりたい

と、ないものねだりをして

なんでなれないんだ

なんでダメなんだ

自分はダメなんだ

と、責めて失望していた。

アメリカ人の同僚に

すごく意地悪な人がいた。

彼女は州で一番の大学出身だった。

事情はわからないけど

ゴリと同じ時給たった9ドル

無保険のバイトをしていた。
(アメリカで無保険は辛い)

それを嘆いて自虐していた。

彼女は「人生こんなはずじゃ」と思っていたんだと思う。

日々、自分への失望でいっぱいだったのかもしれない。

ほどなくして

泣いて職場を飛び出し

来なくなった。

意地悪されていた身としては

決して肩は持てないけど

現実を直視するのは

誰にとっても困難であると

心に刻まれた出来事だった。

ゴリも精神的に繊細なので

彼女の立場になったら

耐えられるかわからない。

ただ、まだ対策は立てられる。

それから、たくさん考えた。

一番浮かんだのは

経済的な自立。

ずっと経済的に自立したら

満たされると思っていた。

仕事をすることが

とても大切なのだと。

いまもその考えが

大きく変わったわけではないけれど

色々な本を読む中で

少しだけ考えが変わった。

これからの人生を生きていく中で

土台の補強がゴリには必要だった。

「甘えをなくして現実を見る」ことが先だと。

これは何でも自力でやるとか

人を頼らないとは違う。

ゴリは

人生の責任を

きちんと持ってこなかった。

人生がどうしたらよくなるのか

真剣に考えたことがないように

誰かに言われたり

みんながそうしてるからと

そっちを選んできた。

人生に本気になったことがなかった。

とはいえ

自分で考え、選択し

人生に責任を持つには

どうしたらいいのか

方法を探るところから。

それは

自分の本音を知ることから始めることだった。

ゴリは自分が好きなこと

興味があること

今までしてきたこと

パッと答えられない。

よく考えてみたら

音楽もよく聴くし

本も最近は読むし

散歩だって好きだし

飲み物はラベンダーロンドンフォグ一択だ。
(アメリカで大好きになった)

けど、普段は

こんなに自分の本音を噛みしめることがない。

常にフワフワしている。

無意識に

誰かに遠慮したり

誰かの価値観と迎合してしまい

本音が心の奥にしまわれていた。

自分の価値観より

他人の価値観のほうが

洗練されてるような

感覚さえあった。

どうしよう

なににしよう

となぜかいつも悩んでいる。

好きなことがこんなにあって

こだわりだって

しっかりあるのに!!

まずは

隠された自分の指針

好きなことを

最近は引っ張り出している。

そうすると

今までとても自分を偽っていたことに気が付く。

ゴリは顔つき的に

すごく笑っているように見えるらしい。
(え、怖い?)

自分で言うのもなんだけれど

周り的には愛嬌があるらしい。

へぇ、そうかと

自分の本音と向き合わず

周りからの評価を鵜吞みにして

サービス業についてきた。

たしかに

仕事自体はこなせる。
(プロフェッショナルではない)

だけれど

すごく心がすり減る。

人と話すのは嫌いじゃない

けど自分と向き合ううちに

思ったよりも内向的で

人と話すことに

プレッシャーも感じていることに気が付いた。

日本にいるとき

そんな自分に無意識に気が付いたのか

ある日、突然ハローワークに出向き

スターバックスで働きながら

求職者訓練で

オフィスワーク系の資格を勉強し

小さな事務所にパートで採用いただいた。

事務作業のほうが

他人と対面する

プレッシャーから解放され

静かに黙々とにこなす

入力など同じことの繰り返しが

得意なことにも気が付いた。

自分の強みや特性は

コーチングがあるくらいだから

他人のほうが

気が付いてくれることも

あるかもしれないけど

「こっちのほうが好き」

「こっちのほうが心地が良い」

という感覚的な部分は

本人だけが感じられるもので

まさに価値観や個性。

当時ひょんなことから感じた

この感覚を大切にしたいと思った。

前置きが長くなったけれど

自分を大切にするために

憧れを叶えてあげることにした。

それが大学進学だった。

将来のことも考えてもいるけれど

心地の良い流れに沿って

なんとなくたどり着く場所が

きっと自分のオアシスだと思っている。

ただ甘えはなし。

必ず卒業する。

責任を持つために

学費は

アメリカ時代のパートでためた

自分の貯金から捻出する。

卒業できなくても自分の責任だ。

あとこの時期に入学できてよかったな

と、思う理由がもう一つある。

それは学歴コンプレックスが

理由になってないから。

ずっと学歴がコンプレックスだった。

学歴が大切なことは

重々承知している。

色々な選択肢も絶対に広がる。

ただきっと

それだけの理由だと

長続きしないと思った。

ゴリが入学するのは

無名の大学だ。

学士という意味では

みんな同じだけれども

やはり有名大学のそれとは

わけが違う。

せっかく卒業できたとしても

完全にコンプレックスが

満たされることはないと思う。

次のコンプレックスや現実の壁が絶対に来る。

そこかで気が付かないと

満たされない状態が続く。

いまはコンプレックスは殆どない。

スキルや資格が重宝されるお仕事は

有難いことに世の中にはある。

その人たちが必ず

高学歴とは限らない。
(可能性は高いだろうけれど)

きっと自分に合った資格やスキルが

必ずある。

それに出会うためにも

自分が何が好きなのか見出すためにも

色々な学びに触れ

インプットする場が今の時点で

ゴリに必要な環境だと思う。

自分の憧れである大学に入る

感覚的なワクワクと

これからどういう方向で

人生を進めていくのか

じっくり考えられると思う方が

学歴コンプレックスを解消しに行くよりも

とても有意義になりそうな気がする。

さて、そんなわけで

大学に入学するためには

願書を提出しなければいけない。

ここでも

✕でも特に隠してはいないので

お伝えするが

ゴリは発達障がいがある。

おそらく、普段は普通の人に見える。

ただ検査でも出ているけど

人より苦手が多い。

大学の入学手続きは

そんなゴリにとって

極めて難しいのだ。

まず、説明書きを理解するのが難しい。

混乱してしまう。

ゴリが本が苦手なのは

そのせいだ。

集中力も散漫で

なかなか内容が入ってこない。

まずは即に卒業した

短期大学から証明書をもらわねばいかん。

申請書を書いて

封筒に入れた。

夫がその封筒を見て笑う。

ゴリが買ってきた封筒は


こういう小窓がついた封筒だった。

夫がなぜこれにしたのか

理由を聞いてきたので

「窓ついててかわいい」

と答えると笑っていた。

これで送ったら変なのか聞くと

苦笑いしながら

「変わってはるなとは思うんちゃう?」

とのことだったので

届くのなら

とりあえず使うことにした。

そして大嫌いな郵便局へ。

なぜ嫌いなのかいうと

郵便局ほど

マルチタスクがすぎる場所はない。

保険、郵便、銀行、かんぽの宿、母の日のギフトまで買えるなんて

まさに蟻地獄だ。

あと田舎の郵便局は

必ずお局さんがいらっしゃって

対応も冷たい。

母がアメリカに荷物を送ってくれたのだが

「英語書けますか?笑」

と小馬鹿にされたそう。

ゴリもなんだか冷たい印象はあるので

怖い・・・。

とはいえここを乗り越えないと

大学に入れない。

意を決して新居からすぐ近くの

郵便局へ行く。

ものすごく愛想のいい

スタッフの方が対応してくれた。

しかし油断はならぬ。

事前に練習した言葉をいう。

「あの・・・郵便小為替をいただきたいのですが」

緊張して直立不動で少し変な人だったかも。

「あ!こちらは郵便ですのでお隣にどうぞ~~」

と隣を指さされた。

郵便小為替は郵便ではないらしい・・・!!

銀行の扱いなのか・・・!!

ほら、もう混乱だ(´・ω・)

そして同じ言葉をいおうとしたら

「小為替ですね!おいくらで?」

とスタッフの方が察してくれた。

「あ!あの!500円でお願いします!」

そのあとは手慣れた手つきで

作業してくれた。

そして今度は隣に行き

小窓が付いた可愛い封筒を差し出し

「これを送りたいんです」

「かしこまりました!のりづけしますね!」

「ありがとうございます」

と答えたところで

小為替を入れてないことに気が付く。

「あ!すみません!あの小為替いれます!」

と名乗り出ると

スタッフの方が

「そうでございましたか!!!申し訳ございません~~~」

と自動車事故だったら

100対0でゴリが悪いのに

糊を丁寧に拭き取ってくれた。

「いえいえ!!こちらこそ気が付きませんでぇぇぇ」と

低腰合戦になってしまった。

「こちらお入れしてお出ししておきますね!お預かりいたします!」

と、とても素敵なスタッフさんだった。

郵便局を出て

どっさり汗をかいていたことに気が付き

なんとか無事に任務を終えたと思った。

がしかし・・・

その後、なかなか書類が来ない。

さすがに少し遅いなぁ・・・

と、申請書の郵送の仕方を

何気なく読み返す。

すると・・・

卒業証明書の料金は

現金書留か小為替なのだけど

なんと学校からの返信用の切手は

小為替ではなく

切手そのものか現金書留で

同封しなければいけなかったらしい。

ゴリはすべて合算した金額を

小為替で送ってしまったのだ。

「やらかした・・・」

これ学校の人、対応に困っているよな。

しかも封筒もなんか変だし。

電話をしようと思ったけど

あいにく週末だった。

あくる月曜日

なんとポストに返信が!!

しっかり書類が入っていた。

母校の寛大な心に感謝しかない。

本当にありがとうございます・・・。

そしてそこから

インターネットで申請をし

卒業証明書は郵送しなさいとのこと。

また郵送ですか・・・

そうですか・・・

その前に学費の振り込みだ。

銀行に行ってお金をおろさないと。

暗証番号をよく間違えるので

どれが一番当たりそうか

歩きながら考える。

恐る恐る入力したが

今回は一度でいけた。

気が利くゴリアテは

通帳の記帳もしようと思ったのだ。

しっかり通帳も持ってきてある。

ATMに差し込むと

本人確認がいるので

キャッシュカードを差し込めと出る。

いまさっき使った

ゴリ名義のカードを差し込む。

戻ってきた。

アメリカに行ってる間に

期間が開いたからか?と

窓口に行く。

窓口の方に

「すみません、この通帳・・・」

と声をかけたところで

ある事実に気が付く。

あ、これ夫の通帳だわ。

汗が噴き出した。

慌てて

「あの!なんでもないです!すみません!ほんとすみません!」

とペコペコしながら

後ずさりした。

あまりにも不審者がすぎるので

スタッフの方も思わず笑っていた。

とりあえず学費を振り込みに

コンビニに行く。

ここはごくスムーズにいった。

さてはて

最後は最重要課題の

卒業証明書の郵送だ。

まずもう一度確認する。

送る際は

「宛名をプリントまたは手書き」とある。

ふむ、コンビニにいるし印刷やるか。

ネットで検索すると

このコンビニでできる。

色々なアプリをダウンロードしたりして

なんとか印刷できた。

ただ出てきたのが

A4のバカでかい宛名だ。

これ合ってるのか??

ゆうパックというので送るらしい。

なんか宛名デカくね・・・??

しかもどうやって貼り付けるんだ??

はてなが100個くらいでたが

まさかの卒業証明書を家に忘れたことに気が付く。

仕方がないので一度

家に戻り作戦を練り直す。

自宅に戻り

これは郵便局のサイトで

宛名プリントを

やった方がいいのでは??と思い

郵便局のサイトでやってみる。

しかしどうも

プリントは自分でやるらしい。

え、プリンター持ってない。

やっぱりこのバカでか宛名を使うか??

ふーむ。

そういえば手書きでも

良いって書いてたな。

なんかもうよくわかんないから

手書きでいいか!!

すべてを放棄し

郵便局へ向かう。

今度は小窓封筒は使えない。

封筒が指定されていた。

「角2封筒」

カクツーフウトウ??

角煮封筒??

カクフフウトウ??

なんて読むんだ??

とりあえず書類が

折れないタイプの封筒で

郵便局にあるらしい。

まずは封筒を買った。

そしてネットで検索して

願書の宛名を書く。

ネットでは手書きの場合のあて名が

「〇〇大学 入試センター行き」とだけ

書けばよいと書かれていて

なんとなくさっき印刷した宛名より

簡単になった気がするが

これで一安心。

窓口で速達で送りたい旨を伝える。

「あの、これって郵便番号だけで届きますか?」

スタッフの方が聞いてくれる。

完全に賢者モードなので

「これだけでいいって書いてました(^^)」

と伝える。

無事に送れた!!

帰り道

家に着く手前でなんだか胸騒ぎがする。

もしかして

通学のほうの住所じゃね・・・!?

慌ててスマホで調べると

通信課程と

通学過程で完全に宛先が違った。

「ばかやろおおおおおおおおお」

慌てて通信課程に電話をする。

事情をあれやこれやと話すと

「ちなみに中身は何を入れられましたか??通信課程の方だとすぐにわかりますかね??」

と聞かれ

さらに自分のアホサさが露呈。

ただ卒業証明書と成績証明書だけいれた・・・。

「IDのメモですとかそういったものは入れられました??」

いれるんですね!?

いや、いれますよね!?

しかも卒業証明書とか

旧姓のままで

誰やねんだし

短大からの証明書の封筒に

開封無効って書いてたから

カクツー封筒の中に封筒をそのまんま

ドボンしたよ。

封筒イン封筒。

変だとは思った。

これじゃカクツー封筒の意味ないじゃんって。

折れる折れないもあったもんじゃない。

すんごい折れてる。

みんなさ

そういうのどこで学ぶの??

気が付くの??

ひらめくの??

わかんない。。。

「・・・本当にすみません・・・そのまま入れてしまってました・・・(´・ω・`)」

というと

上の者に確認するのでお待ちくださいと。

もう上のモノ案件になっちゃったじゃん。

しばらくして

上の者が登場。

とても物腰柔らかい方で

「通学の方に送ってしまったということでよろしいでしょうか?^^おそらく大丈夫ですので、もし何かありましたらお電話差し上げると思います。」

もう正座して待ってます。

たぶん絶対に何かあるので。

めちゃくちゃ謝って

「全然大丈夫ですよ(^^)」

と最後まで優しかった

上の者さん・・・!!

大学に入学の際に

特に通信は

事務局の対応も大切ってみてて

今回の大学は親切だったって書いてたんだけど

口コミ通り杉田。

てなわけで

まだグレーなんだけど

たぶん大学生になったよ!!笑

定型の人が

90%の精度で来るところを

40%くらいが

ゴリのパフォーマンス平均値なんだけど

なんとか完成はしたんで

よしとするわぁ!!

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