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ECFMG certificate取得までの道のり お金や時間など


 こんにちは、ECFMG certificateがこの度アメリカから届きました。いまいち実感がなかったのですが、いざ目の前に修了証が届くと感慨深いものがあります。 自分はOETを利用したtemporaryの資格ですが、これからUSMLEにとりくまれる方や現在取り組んでいる方にも役に立てればとおもい自分の経験を投稿します。USMLEやECFMGを取得することにメリットはあるのか、取得までどれほど費用・時間などを費やしたかをメインにしていきます。

自分のECFMG certificateまでの概略

○USMLE STEP1 大学6年生4~12月

 元々は海外思考などは全くありませんでした。コロナ真っ盛りで5年生の時にいいきたかった海外旅行に行けず、6年生で旅行三昧できるように5年生の時に国家試験の勉強を終えており時間に余裕があったことと当時仲良かった人からUSMLEの誘いを受けたことが勉強を始めたきっかけです。
 勉強始めは何を言っているのか全くわからなかったけれど、徐々に理解できるようになり勉強を続けることができました。12月に受験しスコアは215とあまりいいものではなかったですが、できなかったことができるようになるプロセス周りとは違うキャリア形成の可能性を発見でき非常に有意義でした。


○USMLE STEP2CK 研修医1年目7~2月

 一度はUSMLEを中断し普通に初期研修を過ごしておりました。しかし、ひょんなことから、日本でこのまま医療を続ける以外のことに興味が出てきたためstep2を開始しました。初期研修の勉強はほとんどできずstep2を最優先させる羽目になってしまいました。2月に受験しスコアは231。目標の中央値は取れませんでした。


○OET 研修医2年目4~9月

 step2を終えた後に海外で働くか否かだいぶ悩みました。普通に日本で働く方が遥かにQOLと人生形成しやすいという思いもだいぶありました。しかし、このまま日本で普通に医師を送っていても10年、20年後だいたい何をしているのか想像できてしまい面白みが感じられませんでした。step2受験までしてみて海外でのキャリア形成の可能性も少しずつ見え始め、実際どういう未来が待っているのか興味の方が大きくなりこのまま突っ走ることに決めました。OETは結局2回目での合格でしたが初めてのスピーキング・リスニングの勉強で面白かったです。

ECFMG certificate取得のメリット

1.仕事の幅が広がる
2.留学の機会が増える
3.他の人とは違うキャリア形成の可能性

 
 近年はUSMLEの勉強する医学生が増えているように感じます。しかし、ECFMGまで取得してみて分かりましたが、アメリカで医師をするのは非常に難しいです。ECFMGを取得するまでに多くの苦労が伴いますが、結局のところ「ECFMGで得られるのはアメリカで初期研修医をする資格が与えられる」それだけです。アメリカの医師免許はさらに研修を修了してstep3も取る必要があります。ましてやstep1だけ単体で取っていても初期研修には応募できないので厳しい言い方になりますが自己満足にしかなりません。
 それでは初期研修の資格がある以外にはメリットはあるのでしょうか。私なりの答えは「ないとも言えるし、あるとも言える」です。客観的なメリットはレジデンシーの資格が与えられる以上はあまりないとおもいます。しかしながら、その勉強の過程の中で得られるものは結構大きいです。自分で考えながら試行錯誤する毎日は大きな自信が与えられます。メンタル的な意味合いが強いですが、海外留学の機会がある際に積極的にアプライできるようになりますし、そういった機会でアピールする武器にもなります。
 医学英語をしっかり学ぶ中で、それを軸に進学する可能性も広がります。現在自分は公衆衛生分野にゆくゆくは進むつもりです。その前にアメリカでMPHを取得を考えています。その後の進路としては医系技官や機会があればWHOの海外赴任にも機会があれば挑戦したいと考えています。乗り越えるべき課題は山積みですが、ECFMG取得までに培ったものは間違いなく土台になっていくと思っていますし、ECFMGとその過程で得たものは自分の武器になっていくとおもいます。
 ECFMG(USMLE)を直接使うのはアメリカでレジデンシーをする以外に他ならないとおもいます。しかし、間接的ではありますがそのほかにも多くの可能性が広がるとおもいます。あくまで本人の気持ち次第ではありますが…

ECFMG certificate取得のデメリット

1.時間がかかる
2.お金がかかる
3.ある程度プライベートが削られる
4.他のもので代用できる可能性がある

 私はECFMG取得まで2年半の月日がかかりました。厳密な時間は分かりませんが3000時間以上は確実にかかりました。お金も全て込み込みで100万円ほどは費やしたとおもいます。プライベートにさける時間も限られ、飲み会に行けなかったり交友関係をある程度諦めなければいけない部分がありました。
 また医学英語だけ身につけたいというのであればECFMGを取得するというのは遠回りだとおもいます。OET単体で受けることやIELTSやTOEFLなどで代用は十分に可能かとおもいます。


自分のメッセージ

 自分は周りにECFMGまで一緒に取り組んでいる人がいなく、盲目的な中での勉強でした。ECFMG取得できたことは嬉しいですが、いざ取得してもこれからもハードワークを続けない限り海外進出は難しいという感想です。しかしながら、周りの人がなかなか挑戦できない分野に取り組めることは非常に発見が多く面白みも多いです。海外医療にどうしても触れたいため研修医の最後1ヶ月間は海外医療のボランティアに取り組む予定です。専門研修も国際色の強いところを選びました。不安が強いですが、これからが楽しみです。日本で3年間専門研修をした後はアメリカでMPHを取得できるよう英語力、貯金、海外医療の経験に対して貪欲に取り組んでいきたいです。
 最後に特に学生の方に伝えたいのですが、海外医療に取り組める機会が在学中あればぜひ行かれることをお勧めします。働きはじめではそうした活動の機会は激減してしまいます。私自信大学で海外医療に触れられなかったのは非常に後悔しています。USMLE取得はいつでも可能ですがそうしたチャンスは少ない。そういった経験が海外進出に対し非常に役に立つとおもいます。


Tivoli in Italy


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