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勝手に家に上がっていた友人達

いつものようにアパートへ帰って来た。

鍵を開けようと、ポケットに手を突っ込んで鍵をつかもうとしたところ、鍵穴のところに、金属のペンチのようなものとか、針金とか、色々なものが複雑に挟まったりしている。

よく見れば、鍵穴が壊されて、扉も少し開いているではないか。

すると、扉が開いて、三人ほど部屋の中に人がいて立っている。

私の部屋はメチャクチャだ。モノが散乱して、足の踏み場もない。それは、いつものことなのだが、彼らが荒らしたのか、より一層メチャクチャになっている。

そんなゴミ溜めの中に、三人の男が、バラバラの高低差の中にそれぞれ立っている。

一人は中学時代のクラスメイトだ。大将格の奴で、ちょっと苦手だった。でも、物凄く嫌な奴かというと、そういう訳でもないが。ヤンキーらと一緒にいたが、本人はさほどヤンキーという訳でもなく、結構知性を感じることはあった。

もう一人は、かつての二つの職場をともにした同僚だ。彼とはそこそこ親しかった。彼は私より数日だけ先輩で、私より先に転職した。その後、私が関連会社に移籍した後、彼から連絡があり、転職先はロクなところじゃなかったので、いいところはないかと言うので、関連会社へ呼んで、再び同僚になった。その関連会社では、彼を残して、私が辞めたのだが。

もう一人は、誰かよく分からない。知らない奴かもしれない。上の二人、どちらかの知り合いだ。

「大将格」の奴が、言う。ここにいる「同僚」が、自宅の鍵をなくしたと。それで、お前の家にあるに違いないから、鍵を壊して勝手に入って探したと。

何という無茶苦茶をするのだ、お前ら犯罪だぞ、とりあえず鍵を弁償しろ、とか何とか私はまくし立てた。

そこで「大将格」が言う、いやちょっと待て、窓もドアも全開で、道行く人がこっちを見てるから、とにかく扉も窓も閉めようと。

そういうことで、窓やドア、カーテンを閉める。

私は「同僚」に尋ねた。それで、鍵はあったのかと。

「同僚」が、紐のついた鍵を掲げる。日頃からしっちゃかめっちゃかの床に埋もれていたジーパンのポケットの中にあったらしい。

そうか、私が彼の鍵を持って帰ってしまったのか。それなら、こうなったのも多少止むを得ないところもある。

それにしても「同僚」、元気そうじゃないか、と私は「同僚」に話し掛ける。ふざけて、突き飛ばしたり、後ろから首に腕を絡めて、締めたりしながら。

私は嬉しかった。鍵を壊されたとか、不法侵入されたとか、日頃からメチャクチャな部屋を荒らされてもっとメチャクチャになったこととか、もうどうでもよかった。

「全くよお、死んだかと思ったぜ」

そう自分で言って、目が覚めた。
「同僚」は、十年前に死んでいる。
よく分からない、死に方で。

写真は沖縄県最北端、伊平屋島にある「クマヤ洞窟」の内部から、入口を撮ったもの。天の岩戸との説もある。

今の気分は、こうした洞窟から出て来たような感じだ。そう、黄泉路から帰って来たような。

#夢 #家 #友 #夢日記

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