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『銀河特急』

車窓の向こう側には深淵の闇。
足元からは鈍い機械音が微かに聞こえてくる。

思った以上に振動は無く、些か拍子抜けしている。

乗り物嫌いな僕が、何の因果でこんな物に乗り込む事になってしまったのか・・・
人生、一体何が起こるかなんて本当に分からない。


「ごとん。」


初めて感じた振動が意識をハッキリさせた。
若干緊張感が解けた僕は、漸くシートへと身を預ける。
シートカバーから洗い立ての様な心地良い香りが優しく漂い生まれた。


「ふぅ。」


やっと落ち着いた。

しかし、人伝に聞いた話では、もっと乗り心地が悪く、『最悪の体験になる』筈だったのだが・・・いやいや。
こんなにもリラックス出来る代物だったなんて本当に知らなかった。


「何でも実際に体験してみないと分からんものだな。」


車窓の向こう側、改めて漆黒の闇に目を向けてみる。

何も見えない。


見えるのは車窓に映り込む、疲れた顔をした僕。


疲れた・・・。


そうだよ。だいたい僕には最初から無理だったんだ。


誰かを傷付けるのは本当に嫌だった。だからこれで良かったんだ。本当に良かったんだ・・・

「こちらの席、空いているかな?」

突然声をかけられ、慌てて席を詰める僕。
だが、まてよ。
この客車に乗っているのは確か僕だけだった筈だが・・・?

「どうぞ、どうぞ。」

そう言いながら言葉の主を視認した。
え?若い女性?


ブラウンの髪に青い瞳。
アメリア大陸出身の女性だ。


空いている席なんて沢山有るにも関わらず、何故僕の隣に?
そんか疑問など素知らぬ顔をしながら、
若いアメリア娘は遠慮無く隣に座った。


「ごとん。」


障害物の無い場所で少し客車が揺れた・・・


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「貴方は亜細亜大陸出身かしら?あれ?もしかして・・・確かNorth fieldに居たでしょ?」


アメリア娘はブラウンの髪を両手でかき上げながら、少し笑みを浮かべた。


僕はハッとした!そうか!!
ああ。やっぱりそうだ。
あのNorth fieldに居た娘じゃないか!


「さっきは本当に酷い目に合ったわ!折角貴方が庇ってくれたのに結局、一斉射でthe endだなんて!!
本当に馬鹿げている!!一体私達の命を何だと思っているんだろう!!
アイツら全員地獄へ落ちればイイのに!!」


アメリア娘は怒りを露わにし、肩を震わせた。


「無意味じゃないよ。こうして一緒の列車に乗る事が出来ているじゃないか。」


運命ってあるものなんだ。


車窓の向こう側を見ると、深淵の闇の中に暖かい光を放つ星が近づいてきた。
生命の故郷。

狭く悲しみに満ちた地球より離れた僕達は、新たな生命を得て生まれ変われるのだ。


きっとまた君と逢える予感に、僕の心は震える・・・



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『銀河特急』 松崎しげる

作詞・たかたかし

作曲・編曲・筒美京平

日本を代表するソウルシンガー・松崎しげるさんの、熱く軽やかに響く歌声に乗って、心は遠く銀河を目指す・・・!

歌謡界にソウルナンバー旋風を巻き起こし続ける、筒美京平先生のソウル魂が大炸裂!!

21世紀も和モノ定番曲として大人気ですネ♫





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