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じゃんけん

古くから日本に伝わり、決め事を簡略的に一発で決定してしまう伝統のゲームがある。そう、じゃんけんである。このじゃんけんは、短時間で公平に物事を決定できる点から、最もポピュラーなものになった。

じゃんけんは完全に運なので、勝てる確率と負ける確率は50%といったツラをしている。だが、私はこれを完全に否定する。じゃんけんは、いわば力と力のぶつかり合い。パワーゲームなのだ。

なぜこんなことを言うかというと、私はじゃんけんが絶望的に弱いからである。体感では、生涯勝率はいいところ20%ほどであろう。ここまでくると、もはや覚えたての5歳児にだって勝てる気がしない。まず気持ちの面でも負けている。じゃんけんはパワーゲームであり、メンタルゲームなのだ。

こんな身体になってしまったのは、幼き頃に受けたトラウマ体験が元になっている。忘れもしない地元の夏祭りでの出来事。私はチョコバナナが食べたかったので、出店に立ち寄った。

そこではじゃんけんを3回行い、勝ち数に応じておまけがもらえるというシステムだった。冷静に考えると絶対に3本もいらないのだが、このシステムは子供心をくすぐった。

見るからに強そうなおばさんが腰に手を当てて、やんの!?と力強く聞いてきた。このあたりからもう勝負は始まっている。は、はい。と完全に雰囲気に飲まれた少年は、手も足も出ないままストレートで負け、大玉花火のごとく夏の夜空に飛び散った。

涙で枕を濡らした夜、勝負の分析をしてみる。
まず声の迫力で主導権を握られ、上下の振りも力強かった。そのままぶん殴るんじゃないかと思わんばかりの豪腕から繰り出されるグーは、並大抵の稽古量では会得できないだろう。

しかしそれだけではトラウマにはならない。
このおばさん、声がかなりのクセ強で、なおかつ大地が裂けんばかりのバカデカイ声を張り上げていた。

はい、じゃんけんポォーーン!!
じゃんけんポォーーン!!
じゃんけんポォーーン!!
一丁アガリィー!! 

とまるで三振をとった抑えの投手かのように雄叫びをあげた。まぁ負けたのは力及ばずだとして、

一丁アガリはまずいだろ笑


最低でも一本はもらえるので受け取ったが、このチョコバナナの味はかなりビターなものとなった。

ちなみに戦略面で、初手チョキは少し複雑な形がゆえに使われにくく、パーがセオリー、みたいな話があるが、あれはウソである。それを信じたがゆえに何度となくシザーマンの巨大バサミの餌食となってきた。

初手パーの間抜けなエピソードがひとつある。

最初はグー、じゃんけん、パー!相手もパー。
あいこで…

えっ、この後どうするんだっけ、どうするんだっけ、ワァーーーッ!!!! 

頭がパーになって負け。間抜けすぎる。


とにかくじゃんけんは奥が深く、声で主導権を争い、腕の振りで熱量を見せつけ、あいこで思惑を読む。これのどこが運なのだ。間違いなく実力ゲーだ。

なので弱きものは日常においてじゃんけんになりそうな時、これを回避する必要がある。じゃあじゃんけんで、となった時は、いや、コイントスにしよう。とか、アミダくじにしよう。とか運ゲーに持ちこむ。ここが勝負なのである。

えー、めんどくさいよ、はいやるよ。と高速で始まりそうな場合があるが、ここでも譲ってはならない。コインは俺が用意するから、とか紙とペンあるよ、とか積極的に行動する。提案型営業なのである。とにかく、こいつどんだけやりたくないんだよという熱意を伝える。

最後になるが、ではどんな人間がじゃんけんに強いのか。

これは、駆け引きに長けた人、とか強運の持ち主、とかそんなことではなく、


単純に手がでかくて、パワーがある人です。


ここまで書いておいて笑

でも想像してみてください。大谷選手とじゃんけんすることになりました。勝てる気がしますか?しませんよね?

では、藤井聡太棋士ではどうですか?大変失礼な話ですが、大谷選手よりはいけそうな気がしませんか?

それより、書いていて想像してしまいましたが、じゃんけんをする大谷選手の初球、いや初手、なにを出すのかめちゃくちゃ気になりませんか?

私はストレートだと予想しています。

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