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ウェブ解析を巡る連想 Vol.9  ~  リ-ドクオリフィケーション

ユーザーがWeb上でエンゲージメント体験を深めてブランドへ憧れを抱いてもらえる日が来るまで、企業は幼い子鳥を育てる母鳥のような気持ちで愛情を注ぎ続けねばならない。リ-ドナーチャリングの本質だ。そして晴れの日に、子鳥は自らの意志で羽ばたく。追い立てられて巣立った小鳥は、やがて母鳥を忘れてしまう日が来るかもしれないが、丹念な愛情を注がれて育った子鳥の忠誠心は高い。コンバージョンはこのように、ユーザーの自主的な境界越えで達成すべきであり、辛抱強く回りくどくい取り組みこそが、結果的にブランドを強化する。

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さて、ここまでコンバージョンとひと言で括ったが、コンバージョンには様々な種類とレベルがある。Web上で何をゴールとするのか、Webで購買を完結できない企業やブランドの場合、何を仮のゴールとするのか。このゴール思考がないWebサイトは、情報を掲示するただの箱でしかないから、即座に作り変える必要がある。いずれにせよ、企業やブランドや商品との繋がりが生まれその絆を深める手段がコンバージョンとなる。尚、Step2とStep3は混融する。新しいブランドの場合はとくに、Step3が先行したり、Step2と3が同時並行することはよくある。そしてコンバージョンにも、それ自体にレベル差がある。

最もハードルが低く簡単なコンバージョンLevel.1が、ウェブサイト上でユーザーが無条件で行えるアクションだ。ここにはStep2のエンゲージメントと重なるものがあっても全く構わない。動画の閲覧、PDF資料のダウンロード、商品価格シミュレーションの結果表示、店舗検索による地図表示などが考えられる。そしてナーチャリングでも説明したが、オリジナル「いいね」ボタンを設置したなら、これをCVとすることにも大きな意義がある。またリピーター対策として、レコメンデーションバナーやリタゲ広告のクリックをCVとすることも有効である。

次のコンバージョンLevel.2は、匿名または限定的な個人情報の提供で、企業やブランドとユーザーが繋がる手段だ。メルマガの登録、マイページの登録、公式SNSページの購読、オリジナルのデジタルプリのダウンロードなどがこれに当たる。Level.2を達成することにより、企業はユーザーへコミュニケーションのプッシュ通知が可能になる。但しアプローチがジャンク化しないように、細心の注意を払う必要がある。

コンバージョンLevel.3では、完全な(それに近い)個人情報の提供を得る。このアクションには、自主的に高いハードルを越えるユーザーの覚悟が必要になる。同時に企業にも、One to Oneでそれに応える覚悟が必要だ。ここがCRMで見過ごされがちなポイントであり、ブランディングと並立させるオペレーションの鍵でもある。  [ 続く ]

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