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#13 ジョニーは戦場へ行った(1971)

第一次世界大戦で重傷を負い、目も見えず、耳も聞こえず、両手足をも失った兵士。
意識と感覚はある彼は父親との釣り、恋人とのことなど回想にふける...

ダルトン・トランボは1939年に原作を書いたが反戦小説として発禁処分を受けた。しかし、野心は捨てず、自ら資金調達、監督をして映画化したという執念の映画。

白いシーツとマスクに覆われたジョーの「存在」を映した無機質なモノクロ(現実)と内面世界である過去への追憶や幻想を描いたカラー画面との対照が主人公の苦悩や恐怖をかきたてる。

病室の窓から懐かしいぬくもりに太陽を発見し、担当の看護師が指で胸に書いてくれた「Merry Christmas」の文字に歓喜するジョー。
気の遠くなる絶望と「命」そのものが放つ輝きに感銘を受けた。

いろいろな戦争・反戦映画があるけど、その時代の人々の生きざまだったり、ドンパチを見ると、大なり小なりカッコいいと思ってしまう。
しかし、この映画はそんな要素を一切排除している、究極の反戦映画だと思う。

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