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El Clásico (主演:ジュード・ベリンガム) 2023/10/28

第11節で今季初クラシコ。カンプノウはまだ改修中らしい。バルサはここまでは新戦力が噛み合いまくってかなり好調を維持してる印象。対するマドリーは前節でセルヒオラモス率いるセビージャに弱点を突かれ痛恨の引き分け。CLのブラガ戦は割といい内容で勝ったが最高のパフォーマンスとは言えない。少しずつ仕上がりつつあるがまだ完璧とは言えない状態で伝統の一戦に挑む。

バルサのスタメンはいつも通りヴィニ封じのRSBアラウホ。中盤にはギュンドアン、ガビ、フェルミンといかにもマドリーが捕まえるのに苦戦しそうな面々。前線は3人とも絶好調だからノらせないようにしたい所。
対する我々マドリーはカマヴィンガではなくメンディ、ホセルではなくロドリゴを起用。基本的に1人1人の役割は今季積み上げてきたものなので、バルサ相手にどれほど通用するか、見てみよう。

立ち上がり、予想通り中盤を捕まえきれず完全に支配される。いつもの嫌な流れの時のクラシコ、見ていて寿命が縮みそうだ。案の定、不運な形ではあったがギュンドアンに先制点を取られた。チュアメニを1列押し上げ、ベリンガムと共にギュンドアン、ガビをマンツーする事で多少修正は出来たが、それでも尚、両WGのポルトガルコンビに個の質でズケズケ侵入される。カルバハルいなかったらもう何失点かしてたよ?前半のMVPは間違いなくカルバハル。マドリーはらしい攻撃を全くさせて貰えず、ヴィニもかなり封じられてた上に審判の基準に苦労してたな。

命運を分けた両指揮官の采配

もちろん百戦錬磨の名将が黙っているわけがない。後半早々に切り札のLSBカマヴィンガ、モドリッチを投入した所で流れが変わり始めた。左はカマの保持で全体を押し上げヴィニ、ベリンガムにも余裕が生まれ、右はカルバハル、モドリッチ、フェデの流動的なユニットで効果的な保持ができた。この芸術的なアシンメトリーが生まれた時のマドリーは強い。関係ないが今季のレバークーゼンにも同じ要素を感じる。そして生まれたベリンガムの超絶ゴラッソ。テクニカルな話をすると、あのゴールはシュート後の足が170cm上がっていた事から分かるように、彼の下半身の柔らかさからこそ生まれるスピード、パワー、回転だったはずだ。チュアメニも似たようなフォームで少ない助走からミドルシュートを放つが、脚全体、ひいては身体全体の使い方がいかに大事かよく分かる。何はともあれ、伝説として100年は語り継がれるゴールになりそうだ。

ベリンガム砲がネットを揺らし、流れがマドリー寄りになったところでチャビはチームの改修に取り掛かる。のだが、前線3枚の総取っ替え、フェルミンに変えてロメウという謎采配。ヤマルは不慣れな左サイドをやらされ、レヴィもまだコンディションは万全ではなさそうだった。ライン間で脅威になっていたフェランやフェリックスがいなくなりマドリーとしては比較的守備がシンプルになった。チャビは交代で違いを生み出せなかった。結果論だが、両監督の采配がこの試合の命運を分けたのかもしれない。試合がジワジワとマドリーペースになっていく中で後半アディショナルタイム、遂に逆転弾が生まれる。フェデの最終ラインでのボール奪取から左右にバルサ陣営を振り回し、プレス担当のガビが間に合わなくなった所で右から崩し、ベリンガムが再び得点。理想的な形から新時代のスターが決める、最高の形だ。”Noventa y Bellingham”という言葉が生まれるのも時間の問題かもしれない。アグエロが言うように2点目は幸運なものだったかもしれないが(もちろん彼のスキルも大きな要素)、彼は運も持ち合わせる正真正銘のスターなのだろう。このクラシコはもはやベリンガムのための舞台だった。このままの調子で次のバロンドールをとって欲しい。

総括

こんなに最後の最後まで白熱したクラシコは久しぶりだ。メッシに決勝点を決められて2-3で負けたあの時以来かも。まさにベリンガムはあの時の屈辱と似たものをバルセロナに与えた。試合後クレに向けてHey Judeを熱唱したマドリーご意見版Ronceroはまさしく痛快だった。ただ、内容は決して良いものではなかったし、課題はまだまだある。チュアメニも怪我をしてしまったし、ベリンガムに頼ってばかりでもダメだ。CL決勝トーナメントが始まる前にチームの完成度を上げていかなければならない。あわよくば、CFとCBは冬にでも補強してほしい。CFはサンティ•ヒメネスかボニフェイス、CBは若くて左利きのヤツを狙ってくれ。そしたら、ビッグイヤー奪還も現実味を増してくるだろう。

今季はまだまだ続く、気を緩めず闘っていこう。


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