マドリーvsラレアル 2023/09/18


タケが絶好調なのは日本代表の試合を見ても明らかだった。ラレアルでもチームを引っ張る活躍をしているらしい。マドリー相手に新築ベルナベウでどれほどやれるのか、楽しみだ。

新・タケ無双を迎え撃つ白い巨人

マドリーは今季のグランドルールとなった4312。ピボーテのチュアメニの脇でトニはいつも通りビルドアップの開始点となるが、フェデは違う。WGがいない分めちゃくちゃ高い位置を取るカルバハルの後方支援と守備のタスクを担っている。前節のヘタフェ戦ではモドリッチだったんでカルバハルが孤立するシーンが多かったから改善された点。ベリンガムも相変わらず動き回っていたけど若干左寄りでのポジションに集中できた。

この試合で肝になったのは左サイド。厄介なタケがいるのだ。キックオフしてすぐ分かった。タケやべぇ。タケを見るのが立ち上がりに失点したシーンも含め、前半はタケがずーっと脅威だった。当初はマドリー側もここまで「戦術タケ」だと思っていなかったのかもしれないが、カウンター気味になった時に大外でタケに前向きで持たせまくってしまった。ベリンガムが戻って来れないと中盤でブロックを作れないからその脇を突かれるのは仕方ないとは思う。問題は対峙するのがフラン、カバーに入るのがトニな事。彼らの守備が悪いとは言わないが、この2人で今のタケ無双を簡単に封じられるとは思えない。
案の定かなり自由に無双させて失点。更に何度も決定機を作られてしまった。あの絶望感はメッシがボールを持った時と同じものだった。

ここまで散々タケサイドからやられたにも関わらず、アンチェロッティは守備時の変更をまったく加えずに同システムで続行した。なんだか永遠にガムを噛み腕を組んでいるアンチェの覚悟を感じた。多分このまま戦えば勝てるという確証に近いものがあったのだろう。「5点取られたら6点取ればいい。」マドリーがマドリーたる所以だ。結局後半早い時間にAlconフェデの圧巻ゴラッソとホセルのヘッドであっさり逆転。そっからカマ、ナチョでタケ対策を講じ、ほぼ何もさせず。全体としても守備時にサイドハーフにフェデとベリンガムを置く、最近よく見るベニテスプランで頑丈な外堀を築き、終わってみれば無難に勝利しているというマドリーらしい試合だった。
タケ無双を止める事はせず、あくまで己の形を貫いた事で逆転した白い巨人達。合理的な判断なのだろうが、少なからずEl Rey de Europaとしてのプライドもあるのだろうか。

まぁそんなこんなで開幕5連勝。シーズン序盤からRemontada(逆転)が多くてなんか違和感あるけどこういう先手を取られた試合で勝ち切れるのはチームの状態がいい証拠かもしれない。フランの2アシスト、ホセルの得点もチームにとって嬉しいものだ。未だに効果的なハイプレスの形や攻撃の再現性は探り中だが、まぁ彼らならシーズン中に仕上げてくれるだろうと楽観視している。というのも、要素の多くが不定形で予測できないサッカーをするのがレアルマドリードというチームだと思うからだ。再現性などなく、突然相手に絶望を与える、無慈悲だ。相手だったら最悪だな、と常々思う。

次はウニオンベルリンとのCL、マドリードダービーが待っている。いつも通り、なんだかんだ勝ってくれ。

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