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GOUDINHO選出 シーズン前半戦BEST11


メッシ、ロナウド、ネイマール、ベンゼマ、筆者世代の青春を彩ったアイドル達が続々と欧州から離れていき、サッカー界は1つの転換点を迎えようとしている。そうして始まった23-24欧州サッカー界も2023年を終え、シーズン折り返しの時期となった。

今シーズンはミラクルジローナ、シャビアロンソレヴァークーゼンの大躍進、リヨン、アヤックス、マンチェスター・ユナイテッドの失墜など、チーム単位では主要リーグでそれぞれ例年以上の波乱が起こっている。
また、過密日程からなのか多くのチームで怪我人が続出し、特にプレミアリーグではどのチームも戦力が不安定な状況が続いている。EU司法裁判所からFIFAとUEFAが違反だとされた事で再燃しているスーパーリーグ構想は、この問題を解決する鶴の一声となるのだろうか。

そんな中、筆者がシーズン前半戦を見てきて、勝手に「コイツこんなヤバかったん、、」と思った11人のプレーヤーを選出してみた。選出の条件はあくまで評価の"変化量"であり、元々ヤバいと思っている選手は除外している。後半戦も大活躍すると思われるので、参考にしてみて欲しい。

Guglielmo Vicario (GK)

彼がいなかったら、今季のスパーズはこれほど勝てていないのではないだろうか。エンポリからやってきたイタリア人は、10年以上ゴールマウスを守り続けたロリスからGKを引き継ぎ、今季はその異常なシュートストップ率を記録している。決定機を作らせがちな今季のスパーズには適任といったところだ。最近はフィードの精度も上がっており、更なる進化を遂げつつある。ニックネームのVenomはイタリアでプレーしていた頃にチームメイトに激怒する姿がスパイダーマンのヴェノムに似ていた事からだそう。

Pedro Porro (RB/RWB)

去年の冬にスポルティングからスパーズに加入した顔面がちょっとロナウドに似た小柄なスペイン人。昨季は度々守備面の脆さを批判されていたが、アンジェ・ボールの導入により、水を得た魚のように本領発揮しまくっている。セットプレーやクロスの精度が抜群なキック職人であるだけでなく、攻撃時にはピッチの右半分を縦横無尽に駆け回り、高いキープ技術でプレスの捌け口にもなる。これぞスペイン人というBarbarianな闘志を持っている所も推せる。

Antonio Rüdiger (CB)

マドリディスタでなくとも、日本人ならば彼のモモ上げハッスルダッシュはまだ記憶に新しいだろう。エデル・ミリトンが前十字靭帯断裂でシーズンアウトとなったレアルマドリードで、今季欠かせない存在となっているのがこのドイツ製巨人である。昨季はしばしば見られたミスも今季は全く見られず、オシムヘンやハーランドをマンツーマンで押さえ込むなど、”リュディガー完全体”となりつつある。味方の劇的ゴール後に駆けつけ、理不尽に殴り続ける姿は何とも愛くるしい。

Micky Van de ven (CB)

定期的にとんでもない若手を輩出するヴォルフスブルクから今季、スパーズが獲得した22歳のオランダ人。彼だけ倍速でカメラに映っているのか、と思わせられる程の爆発的なスプリントを持ち、昨季ブンデス最速の35.87 km/hを記録している。更に、速いだけではなく、アンジェ・ボールに欠かせない足元の技術も持ち合わせる、まさしく戦闘ロボットのような選手だ。ハムストリングスの怪我で長期離脱中だが、彼が帰って来ればスパーズは安定して勝利を積み上げられるようになるだろう。

Federico Dimarco (LB/LWB)

彼はまだ26歳なのか。インテルの好調を支えている事もさることながら、イタリア代表での貢献度の高さも評価したい。ポロに似ているが、流動的なポジショニングで6番、8番にもなれるだけでなく、ペナ角からのクロスに代表されるようにキック精度もピカイチだ。何故か非合理的なビルドアップをしがちなイタリア代表にとって彼の存在は偉大で、左サイドの活性化に一役買っている。26歳の若さにして頭頂部のビルドアップが上手くいっていない所だけ、少々心配だ。

Miguel Gutierrez (LB/LWB)

あのミゲルが、こんな選手になっているとは、、。数年前に期待の若手としてマドリーで一定の活躍はしたものの、ジローナに移籍したマドリーのカンテラーノである。彼は今や、ミラクルジローナの核となる存在となっている。彼のポジショニングは流動的という言葉では済まない。ピッチの至る所に顔を出し、高度な足元の技術でプレスをいなす。それだけでなく、タイミングよく攻撃参加し、ハーフスペースにも顔を出す。ジローナの躍進を支える彼はどれ程のスターになるのか。来シーズンの去就にも注目である。

Yves Bissouma (CDM)

スパーズから最多の4人目の選出なのだが、彼無くして今季のスパーズは語れない。彼はビルドアップの始点であり、ボールを受けると何かが生まれる、見ていてワクワクする選手だ。特に個人のプレス回避能力はピカイチで、高い推進力で自分でも持ち運ぶことができる。守備面でも、カウンターをくらいやすいシステム上の欠陥を守備範囲の広さで埋めてしまう。
黒いスパイク、腰パン、膝まで上がったソックス、ドレッドヘアなど、林陵平さんお墨付きの特徴的な見た目も彼のプレーのエレガンスを増している。

Florian Wirtz (CM/CAM)

ブンデス首位を走るレヴァークーゼンの中心選手の1人である、弱冠20歳のドイツ産魔術師だ。細身で小柄ながら、その稀有なサッカーIQでピッチ上の問題全てを解決してしまう。特に空間認知能力は突出していて、フリーで受けて自チームの攻撃を活性化するための様々なプレーを超一流のレベルでこなせる。また、フィニッシュワークも冷静で、第9節のフライブルク戦での連続正対からのゴールは彼を象徴するものだ。彼はムシアラと共に間違いなくドイツ代表の復権を担う存在となるだろう。

Cole Palmer(CAM/RM)

流石はシティ産といったレフティのテクニシャン。混沌の渦中にあるチェルシーでチームを引っ張る存在だ。4200万ポンドは当初は高過ぎだと言われていたが、今思えば大バーゲンだ。見た目通りの脱力したプレーで、あらゆる攻撃面で違いを生み出す。いい意味で生意気なメンタリティも彼の魅力の1つで、古巣対戦となったシティ戦でも95分に同点弾となるPKを落ち着いて沈めた。イングランド代表にも初招集され、今年のEUROで右サイドを任される可能性も高いだろう。

Bryan Zaragoza (LW)

フランク・リベリーの再来と、そのうち言われるようになるかもしれない。164cmの身体から繰り出されるドリブルは常に予測不可能で、素早いテンポと緩急でどんどん相手を抜いていく。特に正対能力は現役WGの中でも随一で、捕まえようがない。キック精度も高く、グラナダではセットプレーも任される。バルセロナ戦では相手DF陣を手玉に取り、衝撃の2得点をあげた。代表にも初招集され,10番を着けてプレーした。来シーズンからバイエルン移籍が決定したため、本当にリベリー2世となり得るのだろうか。

Jude Bellingham (CM/CAM/LM/CF)

言うまでもなく、現在世界最高の選手だ。筆者も彼の凄さについては重々理解していたつもりだったが、甘かった。今シーズンの彼の活躍は、言葉で表現するには物足りない程だ。ダイナミックでありながら繊細なボールタッチ、ボール奪取、空間認知、豊富な運動量などなど、、全てが超一流であり、挙げていったらキリがない。また、彼の素晴らしい人間性も超一流たる所以である。"Bellingol!!"でお馴染みのポーズはもはや社会現象になりそうな勢いだ。既にマドリディスタだけでなく、フットボールファンの心を掴み、スーパースターの道を歩み始める彼だが、後半戦もこの活躍を続ければバロンドールを取る可能性は高いだろう。


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