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中古車売買・廃車買取の新たなスタンダードを作る。ユニオンエタニティ株式会社 代表取締役 安部哲史氏 インタビュー<前編>

今回私は、廃車買取サイト「ハイシャル」や、自動車に特化したフリマサイト「クリマ」を運営する、ユニオンエタニティ株式会社(本社:大阪市西区 https://union-eternity.co.jp)に伺い、代表取締役 安部哲史氏に取材させていただきました。前編では、従来の廃車買取や中古車売買の常識を覆す両サービスの内容について、深くお話を伺いました。

ハイシャル・クリマについて


――現在、一般的な廃車買取、中古車売買はどのように行われているのでしょうか?

まず、現在の一般的な廃車買取は、お客様が自動車のディーラーさんや、中古車の販売業者さんに直接依頼するという形でして、普通は、その際に廃車手数料が必要になります。
また中古車販売は、はじめに中古車の売り手となる方が中古車買取専門の業者さんに買い取りを依頼し、その後現車オークションをして、販売業者さん等が中古車を購入します。その後、販売業者さんから買い手となる方が買い取る、という形を取っています。売り手と買い手の間に、仲介業者が多数介在しているのが、現状ですね。


――御社のサービス「ハイシャル」についてお聞かせください。

「ハイシャル」は弊社の廃車買取サービスなのですが、基本無料引き取り、価格がつく車に関しては買取価格をつけさせていただいています。また、通常の廃車買取では売り手ユーザーさんが業者さんの店舗に車を運び込まなければならないことが多いです。ただ、廃車は移動させることが難しいことも少なくないので、「ハイシャル」では無料でご自宅まで引き取りに伺うこともしています。あとは、少し面倒な廃車手続という法的な手続についても、無料で代行していますので、売り手ユーザーさんにとってかなりメリットのあるサービスになっていると思います。


――移動させることが難しいような車を無料で、しかも様々なサービスを付加して買い取る、というのは、会社としてはむしろ赤字になってしまうような気もするのですが、どうなんでしょう。

廃車といっても様々で、何十年も使用されて朽ち果てているものから、10年程使用したにすぎないものもあります。商品価値のないほどの車であっても、金属資源として輸出することができますし、10年使用した程度の車でしたら、再販に回したり、専門の輸出業者に販売したりすることで、収益化をしています。
また、廃車の引き取り等については、弊社と連携する全国の業者さんに行ってもらうことで、輸送コスト等を極力抑えられるようになっているんです。

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――様々な工夫のもと、利益が生まれるようになっているのですね。それでは、「クリマ」はどのようなサービスなのでしょうか。

「クリマ」は、売り手ユーザーさんと買い手ユーザーさんの間の仲介を全て取り除いて、直接取引ができる(以下、「CtoC」(Consumer to Consumer:個人間取引))プラットフォームです。分かりやすく言えば、「メルカリの車特化版」ということになります。

――自動車のCtoC売買という、あまり普及していないサービスを展開する上で、まずマーケットを開拓していくことが第1ステップかと思いますが、自動車のCtoC売買を普及していくための打ち手を教えてください。 

日本は自動車のCtoC売買に対して抵抗を感じる方が多く、実際に日本での車のCtoC売買割合は6~8%にとどまっています。一方で、アメリカでは30%、イギリスですと50%近くの割合でCtoCでの売買が行われているんですよ。
日本で自動車のCtoC売買に抵抗を感じる方が多い理由の一つとして、名義変更だったり、輸送だったり、複雑な手続が多く存在する、ということがあります。弊社は全国に1000社近い協力企業さんがいらっしゃることもあり、そのような手続面についてはカバーできますので、複雑な手続きのことは気にせず、サービスを利用していただけるのではないかと思います。

――お客様にとっての利便性や経済的メリットを高める為に、「ハイシャル」「クリマ」それぞれで工夫されている点について教えて下さい。

「ハイシャル」については、全国の1,000社近い協力企業さんとの連携により、円滑なサービス提供ができているのではないかと思います。
また、サービス体制としても、年末年始の数日を除いて年間362日くらいは稼働している状況でして、8時から22時までローテーションを組んでお問い合わせにすぐに対応できるようにしています。また、書類の手続の面についても、外注することなく全て社内で完結できるようにしており、より短時間で質の高いサービスを提供するための工夫の一つです。

「クリマ」については、手数料がかなり低額なのが特徴です。出品、掲載、登録は全て無料でして、成約したときのみ、売り手ユーザーさん・買い手ユ―ザ―さんからそれぞれ5,000円ずついただくことにしています。また、分からない手続だけをオプションで選択して弊社がサポートする形を取っていますので、手数料を低く抑えられています。
また、「クリマ」で車を売ろうとした際に売れなかったという場合のために、「ハイシャル」で買取をさせていただく買取保証のサービスをつけており、「クリマ」と「ハイシャル」とのシナジー効果もあります。
決済についても、従来のCtoC売買のサービスですと、売り手と買い手が直接金銭のやり取りをしなければならなかったのですが、「クリマ」では、我々が一旦金銭をお預かりした上で、車と書類の引き渡しにより権利譲渡が可能になってから、金銭の引き渡しを行うようにしており、この点は安心してサービスを利用していただくための工夫となっています。

――「クリマ」について、中古車の買い手からすると、買ってすぐに車が動かなくなってしまうことが怖いポイントかと思うのですが、何か対策は有りますでしょうか?

「クリマ」では、オプションとして整備士による車の検査をつけることができます。簡易な検査でしたら、弊社のスタッフが現地に赴き、無料で実施させていただいています。

――「クリマ」で車を売る際、売り手ユーザーさんの方が価格設定に困ることもあると思うのですが、その点についての工夫もあればお聞かせください。

出品の際の価格設定でお困りの場合は、電話やメール等で相談をいただければ無料でお答えするようにしています。弊社は以前、「ハイシャル」で買い取った車を他CtoCサービスで販売していたこともありましたので、「この価格帯であったらこのくらいの期間で売れる」という相場についてのデータを共有させていただいています。弊社の提示金額を信頼して、その価格に設定してくださったユーザーさんは、大抵3日以内で成約していますね。

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