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2017.3.18 尼崎 ボタン君パーティ

遡ること1月初頭、鹿児島。
ピアノの仙ちゃんから凡という店で
飲んでいるから剛さんも来てくださいよ、と連絡が来る。他で飲んでいた僕は、よし分かったと天文館キャパルボ近くにある凡へ向かう。

凡は去年555ツアーで歌ったこともある店。
「鹿児島の異空間」
鹿児島でありながら、鹿児島を感じない店。
あたかも下北沢とかにありそうな飲み屋で
バンドマン、DJ、アパレルの人、占い師
色んな業種の人が集まって飲んでるような
変で面白い店。

着くと、仙ちゃんの隣に若そうな男の子
店主の中さんと挨拶を交わし
僕もその輪に入る。
「ごうさん、この子、落語家なんですって」

顔を見ると非常に若い。なんと15歳。
そして15歳ながら全国旅しながら、各地のこういう凡のようなバーで落語を披露して回っているという。まさに今僕がやっていること、いやそれ以上のことをこの15歳の少年は一人でやっているという。

「明日、凡で落語をやるのでよかったら見に来てください」と言う、その少年の名は鯉鮎亭ボタン君。(りねんていぼたん)

僕も名を名乗り、ボヤケルズというものをやっていた、と説明し、その日は別れた。

その次の日、キャパルボホールで行われていた 人性補欠×BACKSKiDが主催する鹿児島からの発信イベントYES FUTUREを見に行っていた僕だが、途中で抜け出し、ボタン君の落語を見に行った。

9歳から落語をやっているというボタン君が凡に急遽組まれたであろう高座に座り、少し時間を押して、落語をはじめる。その姿は15歳なのに貫禄がある。非常に引き込まれたが、またYES FUTUREの方に戻らないといけない時間になり、僕は落語のオチ(サゲって言うんですけ?)を聞かぬまま、投げ銭を支払い、その場を去った。

あの落語の話、どんなオチだったんだろう。
そして、15歳で落語をして全国を回っているっていうと、「15歳なのにすごいね!」と言ってしまいたくなるよね。僕も言っちゃう。でも若いのにすごい、と褒めたら失礼なくらいボタン君はすでに落語家だった。

それから時が少し過ぎて556ツアー真っ最中
2月某日。
ボタン君から、連絡が入った。

「ごうさん、ツアーしてるんですね。3月17日2が大阪、19日が鹿児島となってるのを見たんですが、18日、尼崎である僕のイベントに歌いに来てくれませんか?」と。

ボタン君も僕の曲をYouTubeなどで聞いてくれたらしく、気に入ってくれたそうで、ぜひ歌ってほしい!と。
聞けばそのイベントは、この春四月から桂一門に正式に弟子入りし、落語家としてさらに高い修行を積むボタン君の「鯉鮎亭ボタン」としてのお別れパーティだそうだ。その席で鹿児島の僕が歌うなんて、しかも落語家主催のパーティ、これは

面白そうだ。と僕は二つ返事をした。

かなり長い前置きになったが
そんなこんなで尼崎へと向かう僕。
尼崎の塚口駅。

会場に到着する。

ぼちぼちと集まってくるボタン君の友達。
ボタン君と同じくらい?の10代から50代くらいの人もいるだろうか、その職業も様々で
ミュージシャン、旅をする人、女優さんとか
異種格闘技感すごい。
そこで僭越ながら歌わせてもらった。

ボタン君の落語も聴きたかったが
これから桂一門に正式に入門する身としては
今、パッと落語やったりしてはいけないとのこと。正式な決まりなのか、ボタン君のこだわりなのかはわからないが、修行ってそういうことなのかもしれない。

皆に挨拶をするボタン君。
しっかりとした口調で感謝と決意を述べてるが
あたまには寝癖。その辺まだ15歳である。
大人びていて、本当に、コナンみたいに
体は子供、心は大人、みたいな感じなんじゃないかと、黒の組織に変な薬飲まされてるんじゃないかと思っちゃうね本当に。

ボタン君とはその後もいろいろ話をした。
深夜のお笑いのラジオがお互い好きなこととか、旅のこととか、落語のこととか。

ごうさんも落語やればいいですよ
きっと面白いです。って
言ってくれたのは嘘かもしれんけど
嬉しかった。嬉しがってる時点で変だけど。

ボタン君はミヨシシンゴへ。
そしてミヨシシンゴから
桂一門・桂枝之進へ。

中卒で落語の世界に弟子入りする人は
50年ぶりらしい。

これからのボタン君改め、枝之進君の活躍
とても楽しみにしてます。

そしてまだ聞いてない1月の落語のオチを
聞かせてもらうんだ。

すきくる
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#旅
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#弾き語り
#尼崎

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