ネルシーニョの戦術 その1

その2があるかどうかも怪しいですが…w
切っ掛けは以下のツイートから。


実際にネルシーニョが採用していた戦術だけど、5年半の間ずっとそうだったわけではなく。なのでちょいと解説をば。

2010~11年頃はそうだったね。442の基本システムからCB&ボランチ2枚のピッチ中央に4枚残しで攻撃は中央突破封印、両SBを上げてサイドアタックからのクロスを中のFW2枚が仕留める形。FWはクロスのターゲットとなるためにPA幅でのポジショニングを厳命され、SBの裏のスペースを狙う事すら許されていなかった。メリットは「中央突破をしないので中央からカウンターを受けない」事。

ゴールマウスは中央にある。だから、ゴールへの最短距離はピッチ中央を一直線に駆ける事。なので、ネルシーニョは事前にピッチ中央に4枚を配す&「中央から攻めない」事で、ボールを奪われる位置をサイドor相手ゴール前でのヘディングによるクリアにほぼ限定し、相手にゴールへの最短距離である中央からのカウンターを許さない方法を採った。また、中央にボランチが2枚居るということは、それだけセカンドボールの回収も容易となる。仮にクロスをクリアされても、2枚居るボランチが即座にボールを回収し、またサイドに展開する事で継続的なサイドアタックを試みたのである。

ただ、その分サイドにはスペースがあるので、ワイドカウンターを仕掛けてくるチーム、あの頃の磐田とかにはくっそ相性悪かったんですが…。なんでそういう戦術を採ったかと言えば、「それが一番効率よく勝てると踏んだから。」だから別に、神戸でも絶対それをやるとは思わないな。1つ前のまとめにも書いたけれど、選手の特徴が違えば、違うアプローチ採る人よ。

ただ、「過度にリスクを掛ける事を好まない」姿勢は変わらないと思う。攻撃の際でも、特に横幅を作るSBやWBの最終局面での中へ斜めの裏抜けなんて殆どさせなかった。何故か?ネガトラ時に「居て欲しい所に居なくなる」から。SBやWBが高い位置で裏に抜ける。パスが通り、シュートで終われればいいけれど、裏抜けが失敗して奪われたら?サイドにできたスペースは誰が見る?だから、そういった裏抜けが持ち味のキム・チャンスはウチでは殆ど輝けなかった。

無駄にリスクを掛けずとも、バランスよく攻めてバランスよく守れば勝てる。ネルシーニョは恐らくそう考えていて、実際にそれで結果を出してきた。その部分は恐らく神戸でも変わらないと思う。見ている分には「ダイナミズムが足りない」と思うこともある…かもしれない。上記のように、大掛かりなポジションチェンジ等は好まない人だから。

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