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1.顧客・社会との関係維持

「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

内部統制評価基準の8つのカテゴリー
1.顧客・社会との関係維持
2.経営資源の確保・維持
3.個人・組織の学習の仕組み
4.経営管理の実践、改善
5.知の経営の実現
6.情報セキュリティ
7.環境変化に合わせたイノベーションの実現
8.法務・コンプライアンス

 1.顧客・社会との関係維持について見ていきます。

 カテゴリー1.顧客・社会との関係維持は、次の10個の項目で構成されています。

1.(1)企業の社会的責任の理解・遂行
1.(2)企業倫理の自覚・実行
1.(3)違反行為への自浄活動
1.(4)広報・情報発信
1.(5)業績情報の提供
1.(6)信頼度・好感度の把握
1.(7)顧客ニーズ・需要の調査
1.(8)顧客満足度把握
1.(9)顧客・需要動向対応品の開発
1.(10)クレーム等への誠実対応

(「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」より引用。)

前半(1)~(6)が社会との関係(CSR)、後半(7)~(10)が顧客との関係(CRM)とわかります。

これらの項目はそれぞれに質問があります。その質問が、内部統制の要求事項になります。

「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では別々のページに離れて記載されている項目およびその質問を一覧してみます。

1.(1)企業の社会的責任の理解・遂行
企業の社会的責任(法令順守、環境保護、社会貢献、利害関係者への利益配分等)の重要性についての理解は、経営者から従業員に至るまで十分に浸透していますか。
1.(2)企業倫理の自覚・実行
企業倫理(不正行為の防止、不当競争の排除、その他の社会・経済活動上のルールを守ること)の重要性に関し、経営者から従業員に至るまで十分に自覚し、実行していますか。
1.(3)違反行為への自浄活動
企業の社会的責任や企業倫理に違反する行為が役職員にあった場合、会社の自浄活動としての訓告・懲戒処分等がなされますか。
1.(4)広報・情報発信
会社の事業内容、営業活動、社会貢献活動、環境保護活動について社会から理解を得るために、積極的な情報発信を行い、会社の信頼度、好感度アップのための広報活動を実施していますか。
1.(5)業績情報の提供
会社の営業、財務の状況に関する正確な情報を定期的(毎決算期、中間期、四半期)に、あるいは臨時(合併や企業統合、営業の譲渡や譲受など)に、利害関係者に提供していますか。
1.(6)信頼度・好感度の把握
会社は、随時、会社に対する信頼度、好感度の調査を行い、また広報活動に対する反応を見て、これらの結果が経営者に報告され、経営方針に反映されますか。
1.(7)顧客ニーズ・需要の調査
会社は、顧客の製品・サービスに関する希望やニーズを調査し、これに基づいて、顧客の需要にマッチングするような製品・サービスを提供していますか。
1.(8)顧客満足度把握
顧客は、会社の提供する製品・サービスに満足しているとみられますか。
1.(9)顧客・需要動向対応品の開発
会社は、将来の顧客需要の動向、希望を見据えた新製品・サービスの開発を実行していますか。
1.(10)クレーム等への誠実対応
経営者は、クレーム、リコール等の問題が発生した場合、顧客に対し、その発生原因と会社側の処置について、誠実かつ十分な説明責任を果たしますか。
(「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」より引用。)

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では、それぞれの質問(要求事項)に、10のポイントが示されており、それをチェックする仕組みです。

 10のポイントは、「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を見ていただくとして、このノートでは、それぞれの質問の意味するところ(要求事項)を、ボルドリッジの視点から確認していきます。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトに情報があります。


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