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Societal と Social

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(以下、ボルドリッジ)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。ボルドリッジはまた、米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)の「審査基準」であり、それをもとに自己診断(セルフアセスメント)・審査を行い、組織の改善点を見つけ、改善します。

 ボルドリッジ審査基準では、リーダーシップの重要な考慮事項に「社会的責任」「社会貢献」が挙げられています。
 「企業の社会的責任」をCSRと略しますが、一般にはこれは Corporate Social Responsibility の略語ですが、ボルドリッジでは「社会的責任」「社会貢献」というときに、Social でなく Societal を使っています。

 社会的責任 Societal Responsibilities
 社会貢献  Societal Contributions

 社会的責任について言えば、ボルドリッジでも2008年版までは「Social Responsibilities」と言っていました。2009年版からそれが「Socetal Responsibilities」に変更になりました。2023-2024年版ではそれがさらに「社会貢献(Societal Contributions)」に進化しています。

  「Societal」と「Social」は、よく似た意味を持つ言葉ですが、その違いを調べてみました。

 「Societal」は「社会全体に関連する」という意味を持ちます。この語は、社会全体の経済、政治、文化などに関わる問題や話題を指すことがあります。例えば、「Societal security」は社会全体のセキュリティに関する話題を指します。

 一方、「Social」は「人と人との関係に関連する」という意味を持ちます。この語は、人と人との関係やコミュニケーション、社会的な問題などに関わる話題を指すことがあります。例えば、「Social media」は、人と人とのコミュニケーションをとるためのソーシャルメディアを指します。

 CSR(Corporate Social Responsibility)について観れば、一般的に「CSR」は企業が社会的責任を持つことを意味します。そのため「S」に「Societal」を使う場合もあります。

 「S」に「Societal」を使う場合、企業が社会全体に対する責任を持つことを示します。例えば、環境保護、社会的貧困の改善、労働環境の改善などが含まれます。
 「S」に「Social」を使う場合、企業が直接的または間接的に影響を与える社会に対する責任を示します。例えば、消費者、従業員、地域社会、サプライヤーなどが含まれます。

 「CSR」の「S」を「Societal」または「Social」とするかは、企業の観点や目的によって異なりますが、両方の意味を含むこともあります。

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 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。





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