ポケットの中
Now&Here#01 (2005年2月記)
肌を刺す様な寒さに穏やかな冬の日差しが
春の萌しを散りばめる様な朝、
自分のポケットの中に手を入れてみる。
そこには、しけた小銭とクシャくしゃになった
コンビニのレシート、そして身元不明のゴミくずと
愚にも付かない言い訳の数々。
かつてポケットの中で疼き、そしてのたうちまわっていた
「今にもこぼれおそうなハートブレイク」や
「吠え続けていた哀れなファイト」は、
バラバラに砕けたビスケットと共に琥珀色の化石として
港近くの博物館に展示されています。
審判の日が近づいてきている。
これまでにぼくが何を為し得てきたのか、
どんな道を歩いてきたのか、
何か大きな力で裁かれる気がしています。
自分では気づかない物理的な加齢と共に漂うにおい。
無意識に表れる自分の顔付き。
踏み外した途端に転げ落ちてしまいそうな不安。
狂気の漂う中、
「ぼくは彼で、君は彼で、ぼくは君」なのかもしれない....。
こうして自分のことにばかり気になるエゴ。
「あぁぁ....。イヤになっちゃうよなぁ」
でも、道は続いている。幸運なことにこれから先に
やらなきゃいけないことは山ほどある(あるはずだろ!?)。
今、ここで見える風景とは異なる景色をぼくの中の
太陽は今日も照らし出す。
そんなわけで、もうかたいっぽうのポケットに
手を入れてみると長方形の紙片が入っていました。
それは2月20日(日)NHKホールで行われる
佐野元春&The Hobo King Band「The SUNツアー」最終公演のチケット。
クリスマス・イヴから2ヶ月。
佐野元春&The Hobo King Bandの調子はどうだろう?
全国を旅してきた「The SUN」の音がぼくに
どんな風に響いてくるのか、そしてあらためてその音の隅々に
触れることが出来るのを楽しみにしています。
拍手と声援と指笛に磨きをかけて、もう一度、
Yeaaaaaaaaaah!!!! Let's Rock&Roll!!
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