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【場末のアートコラム】資産価値としてのアートのバリュエーションとは?

はじめに

近年、現代アートを観賞用の趣味として保有するだけでなく資産として保有することが当たり前になってきました。

人気のアーティストが新作を発表すると、株式のIPOのように購入者の応募が殺到し、店頭に行列ができることも珍しくありません。

また、販売されるや否やメルカリなどのフリマサイトで作品を売ってしまう転売ヤーと言う人達も問題化しています。これも、まるで上場と同時に初値でIPO株を売り抜けてしまう個人投資家のようです。

最近のアートは"色の付いた株券"とまで揶揄されるようになり、事実そのように取り扱われています。

しかし、現代アートには株式会社と違って決算報告も株主への配当金もありません。なのにどうして株式のようにアートを扱うことができるのでしょうか?

また、そのバリュエーションはどのように決まっているのでしょうか?よくよく考えると不思議じゃありませんか?

アートのバリュエーションとは何か?

そもそもバリュエーションと言う言葉は、「投資の価値計算や、事業の経済性評価のこと」を指します。株式投資においては企業から発表された決算情報をもとに株価純資産倍率(PBR)や株価収益率(PER)などの指標から株価が割高か否かを判断する材料に使われます。

これは、株価がその企業が将来においてどれくらいの価値を産み出し続けることが出来るのか?と言う観点から投資されているためです。

対して、アートは将来的に価値を産むものでしょうか?

当然、アートそのものがお金を産みだすことはありません。かと言ってコモディティ(金やプラチナなど代替可能性を持つ経済的価値またはサービスのこと)とも毛色が異なります。

では、アートはなぜ投資対象になり得るのでしょうか?

筆者の考えでは、それはアート自体が価値そのものだからです。株式は金の卵を産むニワトリに例えられることが良くありますが、アートはニワトリそれ自体に価値があるイメージです。言うならば、金のニワトリですね。

株式はこれから産む卵の価値で値付けがされるのに対して、アートはニワトリそのものの価値で値付けがされます。

では、そのバリュエーションはどうやって計れば良いでしょうか?

1つはその作品が、美術史に与えた影響で計ることができます。つまり、作品として、「発明品であること」と「インパクトがあること」が価値になります。例えば、アンディー・ウォーホルの作品はどこにでもある量産品を模しているだけのようにも見えますが、彼が大量消費文化を作品で象徴することが"発明"であり"インパクト"があったのです。

このあたりの話はアートのECサイト、tagboatの代表 徳光氏の著書に良くまとまっています。

ただ、現代アート価格はバブル気味で本当にその値段の価値があるのか怪しいものも多くあるので投資として保有する際には十分注意が必要です。

何も考えずに購入して高値掴みしないようにしてください。

アートの共同保有なるサービスも最近流行っていますが、個人的にはおすすめしません。 (おすすめしない理由はこちらのnoteの記事にまとめました)

アートを資産として持つこと自体に否定的な人もいますが、例え純粋なコレクターであってもアートが資本主義の中で"商品"としてどのように扱われているかは理解しておく必要があると思います。

最後に

最後まで読んで下さりありがとうございます。これで今回の記事はおしまいです。スキやコメントを頂けると今後の励みになります!



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