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『バッド・マイロ!』

2013年のアメリカのホラーコメディ映画です。
監督は、ジェイコブ・ヴォーン。
出演は、ケン・マリーノ、ギリアン・ジェイコブス、パトリック・ウォーバートン、ピーター・ストーメアなどです。


腹痛をテーマにした映画ということで、この映画の主人公ダンカンは、日頃から腹痛に悩まされています。

まさにテーマにぴったりの映画を見つけてしまい、1人テンションの上がった海上です。

そんな僕も、浪人時代に朝の電車でほぼ毎日腹痛に襲われていました。予備校に着くと、いつでも目立たずにトイレに行けるように、必ず教室の一番後ろの席に座ったのを覚えています。勉強が嫌すぎてお腹が痛くなっていたのかもしれません。メンタル弱すぎです。

僕の話はいいんです。


この映画、登場人物の関係性がとても分かりやすいので、まず登場人物のご紹介です。

ダンカン
この映画の主人公。金融サービス業で会計士をしているが人事部へ左遷される。妻のサラと愛し合っているが、子供はまだほしくない。

サラ
ダンカンの妻。ダンカンを愛しており、彼との子供をほしがっている。子供をほしがらないダンカンと衝突する。

ハイスミス医師
セラピスト。精神面での治療で腹痛を治すという理由で、ダンカンに催眠療養を勧める。

フィル
ダンカンの上司。ダンカンを人事部へ移動させ、従業員を解雇させまくる人物。どこか嫌な感じがする。

ベアトリス
ダンカンの母親。夫とは離婚していて、今はボビーという若い彼氏がいる。2人はラブラブ。

ロジャー
ダンカンの父親。ダンカンが8歳の時に家を出ていく。今は山奥で1人で暮らしている。「過去や未来に生きたくない。今を生きたい。」が口癖。

アリステア
ダンカンが左遷された人事部にいる、見るからに仕事の出来なさそうな同僚。ダンカンの大事な仕事のデータを消去してしまう。

ローレンス・ティップ医師
避妊治療センターを経営している。ダンカンとサラに子供ができないことを、ダンカンのEDが原因と決めつけ、嫌味っぽい感じで治療を勧める。



とまあ、こんな感じです。

要するに、ダンカンは仕事やプライベートのことでストレスを感じる相手がいるんですね。
それが、上司のフィル、同僚のアリステア、医師のティップの3人です。あとは、子供をほしがる妻サラに対しても少しだけ。

彼らに対しての不満やストレスが原因で、腹痛に悩まされているわけです。
しかもダンカン、一度お腹が痛くなるとトイレに1時間半も篭りっぱなしになります。1時間半は長すぎ…。



あ、登場人物で1人紹介するのを忘れていました。

マイロです。

マイロは、ダンカンのお尻の穴から出てくる化け物です。

ん?いきなりなんの話してるの?ですって?

実はこのマイロ、ダンカンのストレスから生まれる生き物で、ダンカンの腹痛の原因でもあるんです。ダンカンが誰かにストレスを感じると、マイロがダンカンのお尻の穴から飛び出して、その誰かを噛み殺してしまうんです。

どうです?
このB級感たっぷりの展開、最高じゃないですか?


同僚のアリステアが殺されたニュースを見て、何かを感じたダンカンは、ハイスミスに助けを求めます。(最初はセラピーを嫌がっていたんですが、ことがことなので治療を受けることに)

するとハイスミス、古代の神話で、肛門にまつわる神話があると言い出します。その神話とまったく同じ症状がダンカンにはあるんだと。なんだその神話は。


マイロはダンカンの一部だから、とにかくリラックスしてストレスを感じるな、もし出てきたら絆を深めろと、いかにもセラピストらしいことを言います。


そんな治療も虚しく、マイロは医師のティップ、上司のフィルを噛み殺してしまいます。

どうしたものかと悩むダンカンとハイスミス。ハイスミスと治療を行なう中で、もしかするとダンカンの父親ロジャーに大きな要因があるかもしれないと。



あ、もう1人登場人物紹介するのを忘れていました。

ラルフです。

ラルフはロジャーのお尻の穴から出てくる化け物です。

え?ふざけてないですよ?

つまりは、父親のロジャーもダンカンと同じようにお腹の中に化け物が存在していたんです。要するに、遺伝です。

いくらコントロールしても、出てきてしまう時は出てきてしまう化け物。そんな化け物を体内に存在させながら、妻や子供を危険な目に合わすことはできないと、ロジャーは離婚して家族の元を離れた訳です。


ラルフの見た目が、マイロに比べて老けていて、人間とともに歳を取るあたり、演出細かいな〜と妙に感心しました。


そして物語も終盤。
マイロとラルフが戦います。
わりとあっさりマイロ勝ちます。

クライマックスはここではありません。
実はサラが妊娠していて、そのことを知ったマイロはサラのお腹の中の赤ちゃんを殺しに行こうとします。
ダンカンは、まだ子供がほしくないと主張していたにも関わらず、ピルを飲んで避妊もしていたのに妊娠したサラに対してストレスを感じていたからです。

とは言え、ダンカンは死んでほしいなんて1ミリも思っていません。

必死に止めに行くダンカン。

果たして彼らの運命やいかに?




という映画です。

もうほぼ終わりなのにラストまで書かないのは、ラストにちょっとした演出があるので、お楽しみということで。

分かる人には分かるかもしれないですね。展開的に。



最初はマイロの姿を見せずに、マイロ目線の映像で見せる演出は好きでした。

最初のシーンも、ダンカンが何かに追われているシーンから始まって、ナニカ得体の知れない存在をずっと感じる演出は良かったです。


ここにビジュアル載せられないので調べてみてほしいんですが、マイロの見た目が、怖いんだけど可愛くもあるんですよ。
怒っている時に歯を剥き出しにしている姿はホラーそのものなんですけど、口閉じて目パチクリさせてる姿見ると、「あ、可愛い。一緒に住みたいかも。」って思います。まあ、住むのは体内で、出口はお尻の穴なんですけどね。

そのお尻の穴からマイロが出たり入ったりする時、ダンカンが悶絶するシーンが沢山あるんですけど、女性が子供を産む時との比較がされているんですね。女性はこんなにも大変なんだぞ男性諸君!というメッセージもあるような気がしました。女性が子供を産むって本当にすごいことです。



B級感満載で、85分と観やすい長さなのでオススメです。
マイロの見た目もちょっとだけ怖いですけど、可愛いと思える瞬間もあって、基本的にはコメディなので観やすいかと思います。


以上、海上の映画noteでした。

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