防災ピクニックのつくりかた_後編_

防災ピクニックのつくり方〔後編〕

別所沼公園 BOUSAI PICNICは、当初の想定より大きな展開を見せ、
結果的に約30団体の出展や、埼玉県、さいたま市、防災関連各行政機関、公園の管理事務所のほか、自治会や地元の消防団、小学校や保育園幼稚園など約20部署・団体も協力してくださり、約2,000人の方々が当日参加してくださいました。
この公園の通常の土日の平均来園数が700人程なので、その約3倍の集客。

しかも、「防災」がテーマにも関わらず、アンケート結果を見ると、老若男女問わず、乳幼児から高齢者の方の参加や、普段あまり防災に興味がない人の参加も約半数!
そして、99.4%の人が「またこういった防災イベントがあったら参加したい」と回答がありました。

防災は色々な人が動くテーマだということを改めて感じました。

では実際に開催までのスケジュールやポイントなどをざっくりまとめて書いていきます。

開催までのスケジュールを逆算

ちなみに今回は超スピード(3倍速ぐらい!)で開催しましたので、「本当だったらこのくらいのペースでやるの理想!」という感じで書いておきます。苦笑

◾️開催1年〜半年前:企画書づくり・事務局立ち上げ
とにかく「どんな企画にしたいのか」を書き出しましょう!
口頭だけではだめです。しっかり記録に残す!
いつ・誰が・なんのために・どこで・どのように など。
「なんのために(目的)」は特にしっかりと。
そのために「何をどうしたらいいか」をどんどん書き出せば自然とやるべきことが見えてきます。

*お金がかかることがあるのであれば、一旦見積もりも出しましょう。
*使用許可が必要なこと(例えば公園など会場となる場所など)があるのであれば、なるべく早めに必要書類などを確認。確認しないといけない関係部署がたくさんある場合があるので、要注意。
*飲食や火器を使用する場合は保健所や消防の許可(消火器の設置等)も必要です。
*事務局の人数は少なければ少ないほどいいと思います。多くても3〜4人ではないでしょうか。起動力大事。


◾️半年前:主要部署や団体への声かけ
出来上がった企画書を持参したり添付して、参加して欲しい主要団体や部署へ声かけを始めます。
その際企画書だけではなく、名刺なども持参すると良いです。
特に地域で新規で開催する場合は、「どこのだれ?」が重要だったりします。自分が何者で、どういった目的で企画したのかを説明できるように!

私たちの場合は、営利目的かいなかもかなり問われました・・・
民間イベント=営利目的
と思われがちです。
それだけで、公共の場での開催ができなくなる場合があります。
行政や自治体の協力を得る場合は十分に注意しましょう。

◾️3ヶ月前:イベント開催告知・出展者募集開始
イベント告知用のポスターや出展募集要項を作っておき、周知を開始します。
私たちの場合は、以下のことを出展募集の際に気をつけました。

必ずなんらかの防災に絡めた出展であること
これは普段から防災に積極的に取り組んでいる方のみでなく、「あ、これも防災になるよね!」という気づきをこちらから仕掛けるのも有りです!
例:キッチンカー、絵本の読み聞かせ、アウトドアグッズ、都市農園の野菜販売、水をなるべく使わない洗剤 など
アイデアは無限!!ぜひ楽しみながら提案・募集してみましょう。


◾️1~2ヶ月前:出展者事前説明会開催・イベント開催告知の徹底・ボランティアスタッフ募集
出展者が揃ったら、事前に出展者説明会を開催することをお勧めします。
当日の流れを確認するだけでなく、事前に出展者同士が交流できることで、お互いのモチベーションアップ運営のトラブル防止につながるだけでなく、出展者同士のコラボレーションが自然と生まれ、スムーズに開催することにつながります。
ボランティアスタッフもこの時に参加できると尚よし!

↓画像のアイスボックスクッキーは、出展の“和光ボウサイ部”と草加の“シェアアトリエつなぐば”さんがコラボしたクッキー♪

この事前説明会がすごく重要で、これがうまくいけば当日はもうほぼ心配なく開催できる!!という確信がもてました。
事務局が動かなくても、出展者同士で課題も解決してくれているイメージです。
それから、当日は忙しいのでなかなか出展者同士は交流ができません。「あ、こんな出展者さんがいたのか!知ってたら仲良くなりたかったのに・・・」なんてこともなくなります。
なので、皆さんも是非!!

イベント周知に関しては、企画内容にあったやり方をお勧めします。
・チラシ
・ポスター
・SNS
・地域掲示板、回覧板
など色々有ります。

特に私たちは小学校や保育園幼稚園に通っている子ども達にも参加して欲しかったので、子どもや保護者向けのデザインもつくりました。
印刷費がなかったので、下記のような白黒対応できるデザインです。
また、会場は駐車場や駐輪場が少なく、できれば徒歩での来場を希望していたので、「避難所に指定されているこの場所に歩いてきたらどのくらい時間がかかるかな?」という表現も入れました。個別でミニ避難訓練!です。

◾️開催当日:フリーで動ける人を必ず設定・次回につなげる仕掛けをする
事務局長などは何かの担当についてはいけません。
関係者の対応や、気にかけて参加してくださった方を次回以降の開催につなげるためのフォロー役に徹しましょう。
アクシデント対応もできるように。
また、アンケートの実施などで、参加者の本音を聞いたり、次回以降の開催の元ネタとして集約しておくことをお勧めします。
現に、私たちのイベントアンケートにも「え!そんなことが?!」とか「ああ、そういう需要もあるのか・・・」など新しい発見がいっぱいありました。
紙のアンケートも良いですが、開催後にもゆっくり回答できるグーグルフォーム も良いですよ。集計にも便利です。

◾️開催後日:反省会や報告会を開催
開催することが目的ではありません。

あくまでもイベントは「防災啓発の手段」です。
せっかく開催したのですから、その情報やつながりを元に、今後の防災に活かせる取り組みを継続的に行うことが重要です。
事務局や関係者を集めた反省会や、外部への報告会を開催することにより、多くの方々への周知や啓発、そして防災へとつながっていきます。
ブログやレポートなどにまとめるのも良いですね♪(今回私もすごくためになっていると感じています!!)

「防災」は地域のキラーワード。
老若男女問わず、誰でも必要なことです。
ここまで大きく開催しなくても、小さく数団体でもいいのでまずはやってみることをお勧めします。

さて、ざっと書けるところまで書いてみましたが、まだまだ細かく伝えきれていないこともたくさんあります。
もっと聞きたい!知りたい!
デザインが弱いから相談したい!依頼したい!
・・・などのお問い合わせもOKです。

【お問い合わせ先】
info@granewdesign.com(浦和防祭連合 佐藤)

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