防災ピクニックのつくりかた_前編_

防災ピクニックのつくり方〔前編〕

地域の中で活動しているとこんな声が聞こえてきます。
「若い世代がなかなか地域防災に協力してくれない」
「どうやったら防災に取り組んでもらえるのかわからない」
「防災活動のメンバーが高齢化・固定化していて不安だ」

逆に、
「何かあったとき、どこに頼ればいいのかわからない」
「どうやったら地域の防災に参加できるのかわからない」
「防災って一体何をしたらいいの?」
「既存の防災活動はつまらない。踏襲のままで意味がない」
という声も聞こえてきます。

実際、私たちがこの防災ピクニックを開催した際、防災士や防災アドバイザーや消防団の方が多く声をかけてくださいました。
「やる気もあるし資格をとったものの、どう活かせばいいのかわからない」
「地域の防災活動は既存のメンバーで固まってしまっていて参加が難しい」
「既存の自主防災組織で自分が出しゃばってしまうのは心苦しい」

多くの方が防災に関して悩みを持っています。
きっとあなたやあなたの周りでもそんな声が聞こえてくるのではないでしょうか。

そんなことで防災ができなくなってしまうのは、とても勿体無い!!

ではどうしたらその悩みを解決し、多くの方に防災に取り組んでもらうことができるのか、考えました。

固定概念を捨てるべし!

既存のどこにでもあるような防災訓練・防災フェア・防災講座などの参加は、すでに防災意識がある方や防災活動をしている方が多く見られます。
また、「どうしても参加しないといけなくて・・・」という“強制的にやらざるを得ない方”もいることでしょう。
私たちは、まず“そうじゃない人たち”が気づいて防災を始めるきっかけづくりをしなければ、防災は広まらないと考えています。
それには、以下の3つのポイントを意識しました。

①一般的な防災イベントにはない、「ゆるさ」と「余白」の設定
今回はたまたま公園を使っての企画でしたが、老若男女問わず多くの市民が集う憩いの場をフルに活用し、詰めすぎず・固すぎず・公園の雰囲気を壊さず生かすことを大切にしました。
重要ポイント:詰め込みすぎない

②子どもたちや、若い層にも好かれるデザイン
防災=硬い・難しい・とっつきにくい・・・
というイメージを払拭するため、やわらかめのデザインにしました。
「防災は真面目に楽しく!」がテーマです。
デザインは私の得意分野です。
“ボウサイちゃん”というイメージキャラクターも作りました。
重要ポイント:アイコンって大事です。


③押し付け・おもてなし・誘導などをせず、あくまでも自分で気づいてもらうきっかけづくり
防災!防災!危険!危険!備えて!備えて!!!!
これはいい!これはやっちゃダメ!こうしてください!あれはダメ!
啓発したいばかりに、注意書きや禁止事項、自分たちの想いを多く掲げる企画って、とても疲れませんか?
それだけで足が遠のいてしまうように思います。
私は、「災害時は自分が生きる能力を試される場でもあるのでは・・・」と考えています。
選択すること、選択するために備えておくこと、そのために自分は何をしたらいいのか・・・?
日頃から意識しておくことも防災のひとつではないでしょうか。
重要ポイント:最低限のルールやヒントを設定することにより、自分で考えたり、調べたり、声を掛け合って運営していく仕掛け(この辺りは後編で詳しくご紹介します)

といった感じで意識したポイントを3つあげましたが、勘違いしないでいただきたいのは、既存の地域防災の企画が悪いとかダメとか言っているのではありません。
本当にみなさん苦労して企画されていますし、それが今の地域防災を担っているのには変わりありません。
そこにあえて出しゃばったり、口出しをすることもしません。
あくまでも「こういう防災啓発の企画があってもいいじゃない!」という選択肢のひとつとして私たちは活動しています。


それでは今回のポイントを踏まえて、実際に防災ピクニックをどうやって仕掛けていったのか・どこに注意して企画・進行していけばいいのかを、具体的に後編でご紹介していきます。

仕事の合間に(本業はグラフィックデザインやアートを手がけています)ちょこちょこ更新していきますので、もしかしたら時間がかかってしまうかもしれませんがご了承ください。
お急ぎのご相談の場合は遠慮なくご連絡くださいね。
info@granewdesign.com(浦和防祭連合 佐藤)

***BOUSAI PICNICに関するその他の記事はこちら***
防災ピクニックのつくり方〔はじめに〕
防災をきっかけにつながることの良さ
別所沼公園BOUSAI PICNIC を終えて(佐藤的見解)
防災におけるマイノリティとかマジョリティとか


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