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【正攻法】飛行機で爬虫類・両生類などの生体を連れて移動する際に「貨物」として預ける方法まとめ

この記事について

※まず、筆者はこの記事で紹介している手法や手続きによって生じたいかなる損害・損失に対しても責任を負いません。この通りににやっても首尾よく航空貨物運送サービスが利用できるかも保証の限りではありませんので、ご自身の責任のもと、よくよく情報収集しながらやってください。というかそれができない他力本願な方、お客様気分が抜けない方にはこの方法は向きませんので、回れ右推奨。

…さて、残った皆さんはさすがに面構えが違いますね。

遠方の即売イベントへの参加、旅先・帰省先のショップでの生体購入、愛好家同士で生体のやり取りなどで生体をともなって飛行機移動する際、今のところ完全な正攻法である「貨物として預ける方法」について書いています。

当方島住まいなので、東京のショップ、遠方のイベントで購入した生体を持ち帰るには生体をともなって飛行機移動する必要があり、その際実際に航空貨物運送サービスを利用する機会がありました(たぶん今後もあります)。そのとき調べた内容をもとにまとめたものになります。

イベント出店や店舗間で生体のやり取りをされるブリーダーさんや販売店さんにはお馴染みの方法だと思います。一般の飼育者にとってはあまりメジャーではないようですが、現状最もリスクが少ないと考えられる方法で、費用もさほどかかりませんので、特に専門店や大きな即売イベントから遠い地域にお住まいの方は知っておいて損のない方法だと思います。

手法についてだけ知りたい方は、一気に「手順について」に飛んでいただければ結構です。

FAQ

まずは今回解説する方法について、ざっと整理。読みやすいようFAQの形式としました。

Q この方法にはグレーな要素はない?
→A ゼロです。爬虫類・両生類を飛行機に搭載する方法として完全にシロです。「爬虫類です」って申告しても「ハイ爬虫類ですね」でおしまいです

Q どの航空会社でも使える?
→A 生体と同じ便で飛ぶためには、旅客を運ぶついでに貨物(航空貨物)を搭載する航空会社・便を選ぶ必要があります。JALとANA、およびそのコードシェア便(一部除く)が該当します。一部、航空貨物運送サービスの取り扱いがない便・空港もあります。詳しくは「手順について」の①で解説します

Q LCCに乗る場合は使えないの?
→A 後述しますが、航空貨物運送サービスは人間が乗るために予約する便とは一切関係(紐づけ)がないので、近い時間に同じ空港まで飛ぶJALかANAやそのコードシェア便があれば、それに貨物だけ載っけることも可能です

  • ただし、欠航や遅延などのトラブルで生体だけ先に着いちゃた、人間は着いたけど生体はまだ、みたいなことが起きないとも限らないので、可能なら同じ便が安心ではあります

Q 預け入れ荷物とどう違うの?
→A 考え方からして違うので、普通の預け入れとは完全な別物と認識しておく方がよいです

  • 空港の旅客カウンターでは預けられない。というか旅客棟からかなり離れた(場合によっては数キロ)貨物エリアまで行く必要がある

  • 出発のかなり前(目安1.5時間、都度調べること)に預ける必要がある

  • 事前準備がいろいろと必要(特にANA Cargo)

  • 自分が乗る便でない便にも載せられる。というか自分が飛行機に乗らなくても載せられる

  • 運営会社が航空会社本体と別会社(なので航空各社に貨物について問い合わせても分からない、というか案内すらされない場合も)

この先が貨物エリア(羽田空港東貨物地区)
貨物を使ったことのない人が知る羽田空港とは顔つきからして違う

Q 費用はどのくらいかかる?
→A 距離や貨物の大きさなどによっても変わりますが、小型生体数匹分ならおおむね1,500円以内におさまります。長距離の宅配便に比べれば安いと認識しておいて間違いないと思います。ちなみに、下記のペット預かりサービス(爬虫類は対象外)だと5,000円ほどかかります。

Q 予約は必要なの?
→A 必要です。ANA、JALともHPには生体を運搬する場合には予約してください、と書いてあるので必ず予約しておきましょう。ANAに限っては、予約の後のeAWB登録、動物運送申告情報の登録が済んでないと受け付けてくれません。詳しくは「手順について」の①で解説します

Q どんな生体でもいけるの?
→A 適切な運搬用ケージ(クレート)に入っていればいけるはずですが、テグー成体などの超大型トカゲなどに関しては分かりません。大型犬は普通にいけるので、大きい爬虫類でもトッケイごときでしたら問題にならないでしょう

ヒルヤモリ程度のサイズであれば数が多くても余裕

Q 貨物室は酷寒や酷暑にならないの?
→A 客室とだいたい同等の環境(気圧、室温)だそうです。貨物室は犬や猫などの生体を運搬することが想定されています

  • ただし積み下ろしの際には外気の暑さ寒さに触れることになるので、小型の生体は発泡スチロールなど断熱の効く箱に入れないと危ないと思います。いずれにせよ、「通常は」ケージに入った犬や猫が死なないレベルです

    • 後述しますが、機材トラブルで積替えが発生したときに積替えを待つコンテナ内で犬が熱死した例などはあるようです

  • 特殊な温度管理が必要な生体は断られます

Q 国外はいけるの?
→A 国外から生体を持ち込む場合は税関や検疫などの要素が加わり大きく話が変わってくるのでここでは扱いません

Q ぶっちゃけ、大変?
→A やること一つ一つはそんなに難しくありません。ただ、自分で調べ、自分で手足を動かさなければならない要素が多く、普通の航空便や荷物預け入れサービスを利用する「お客様」気分でいると面食らうことになります。

  • こちらの立場が「お客様」ではなく「出入りの業者」的なものになる、と心得ておきましょう。

    • 自分で間に合う時間を調べ、場所を調べ、自分の足で運搬し、書類の手続きをして、自分の手で引き渡しをします。間に合わなさそうなお客様がいたら必死で探してくれる搭乗とは大違いです。貨物エリアは、通路からして旅客が通ることが想定された"豪奢な"空港の通路とは違います

    • 貨物エリアを後にするとき掛けられる声も「ご利用ありがとうございました」ではなく「お疲れ様でした」です

Q リスクはないの?
→A 貨物室の環境については下記に記載があります。

すくなくとも飛行機の外と同じ気圧になるとか極低温になるとかはウソで、ちゃんと生体の生存を考慮した環境です。ただし、積み下ろしなどの際には外気温・直射日光・照り返しの熱射にさらされることになるので、断熱はしっかりしておいた方が良さそうです。

また、機材トラブルなどで飛行機が飛べない場合、貨物は他の飛行機の貨物室に積み替えるのを待つ間コンテナに置かれたままになることがあり、犬が死亡して訴訟騒ぎになった事例があるようです。ただこれはペット預かりサービスもまったく同様の扱いで、さらに宅配サービスで航空機に詰む場合も全く同様なので、航空貨物運送サービスを利用するリスクとは言いがたいかもしれません。低確率ながらこういう事は起こりうる、程度に認識しておくと良さそうです

他の方法ではなぜダメなのか

今回解説する方法は、飛行機で生体をともなって移動する方法としてはどうやら必ずしもメジャーではないようです。ただ、個人的には強くオススメしたいです。その理由を以下に解説します。手順について知りたい方はすっ飛ばしてください。

飛行機を使わなければならないような遠方のイベントで手に入れた生体を持ち帰る方法として(今回解説する貨物以外で)考えられるものを列挙してみますと、

  • 手荷物に入れる

  • 機内持ち込み荷物に入れる

  • ペット預かりサービスを利用する

  • 宅配サービスを利用して郵送する

などがあります。

一番下の郵送についてはそもそも今回の趣旨からは外れますが、でも生体の種類や送る時期によっては検討してよい方法だと思います(対面販売が義務付けられている爬虫類でも、対面で生体を確認して販売してもらった後であれば、別途自宅に郵送してもらうことは可能。ショップが対応してくれればですが)。

というか、爬虫類・両生類全般に限って言えば上2つは黒よりのグレーです。航空会社によって違いますが(便によっても違うかも、担当者によって対応がバラバラなこともままあります)、爬虫類・両生類全般については多くの航空会社が手荷物・持ち込みともにはっきりNGと明記しています。

例外として、

  • 小型カメに関しては例外的にJAL、ANA、スカイマーク、ソラシドエアでは所定の対策をすれば機内持ち込みOKと明記されている

    • ピーチは逆にカメもNGと明記

  • スカイマークでは、事前問い合わせでヒョウモントカゲモドキ(レオパ)に機内持ち込みOKが出たという話が散見される(例&出典:https://gobu.blog/moving-with-leopardgecko/

    • HPに正式に記載されていない以上は都度問い合わせるべき

    • 上に引用したブログでは「ヒョウモントカゲモドキ」については先方でどんな生き物か分かってるのでOKが出せる、ということだったので、変な話ニシアフだったら、ボウシだったら…?(性質がよく分からないという理由で)断られる可能性は多分にあると思います。トッケイまで行くとどう転んでもダメな気がする。万一逃げた時の回収の手間考えるとあれだし。鳴くやつはダメらしいし。噛むし。

    • もしスカイマークが利用可能なら、貨物便の利用を検討する前に(事前に)スカイマークのカウンターに正直に生体の種類を数を問い合わせ、機内持ち込みできないか問い合わせしてみるのはアリだと思います。実現すれば貨物よりもさらにリスクの少ない移動方法と言えます

ペット預かりサービス(各社名称は違います)は一見いけそうですが、調べた限りでは爬虫類・両生類を預かってくれると明記している航空会社はありませんでした。問い合わせたJALとANAは両方とも爬虫類両生類は対象外とのこと。犬猫ハムスター小鳥、あたりまでを対象としたサービスで、まぁまぁな料金を取る代わりにある程度まできちんと生存環境を整えて運搬しますよ、というコンセプトであるため、種によって必要な環境がまちまちな爬虫類・両生類は無理ということなのでしょう。

どうも、一番上(あえてこういう分かりにくい記述にしてます)をしれっと行うというのが一般的らしいのですが、僕はビビリなのでやりません。早い話が止められても一切文句は言えず、出発時刻が迫るなか空港から慌てて郵送できれば御の字、最悪予約便を放棄するか生体を放棄するかの地獄の二択…みたいな事態にもなりかねません、少なくとも理屈上は。

もしやるにしても、時間に余裕を持って万一引っかかっても空港から郵送できるような段取りをつけてからにしましょう。間違っても搭乗前にトラブって空港で暴れるような真似だけは避けましょうね。世の爬虫類・両生類愛好家の評判を劇下げしてしまいますので…

いずれにせよ、この「他の方法」で何としようとするケースについては、下手に深く掘るとやぶ蛇になってしまう可能性が高いということもあって、ここでは詳しく触れません。

※「ANACargoでは、お客様は航空機にご搭乗されず、動物のみ単独で別送するケースを承ります。お客様も航空機にご搭乗される場合は「ANA国内線・予約案内センター」までお問い合わせ下さい。」という超絶まぎらわしい表記がANA CargoさんのHPにありますが、この「ANA国内線・予約案内センター」で受け付けてくれるのは犬猫などのペット預かりサービスなので「爬虫類です」と言うと「それはダメですね、Cargoさんの方です」とたらい回しにされます。上記の表記を無視して最初からANACargoを申し込みましょう。

手順について

下記(公式)を読んでおくとスムーズに理解できます

①方法についてよく調べ、計画を作っておく

2回目以降はそこまでしなくても良いかもしれませんが、自分の手足を動かさなければならない要素が多いので、初めて利用する場合は事前にやっておくこと、用意するもののチェックリストと、当日の動きのタイムテーブルくらいは作った方がよいかもしれません。

テンパりそうな人はタイムテーブルも切って印刷しとくとよいかも

その都度この記事を読みながらで何とかなるやろ〜、とかやってると多分どっかで詰みます。とにかく一般の搭乗とは利便性やサービスとしての質が全然違う(悪い意味ではなく)、ということは念頭に置いてください。

②旅程決定〜出発前の準備

☑人が乗る便、貨物を載せる便を確認する

  • まず、貨物と一緒に飛べる便の利用を検討します。ANAかJAL、そのコードシェア便であればLCCでも(一部を除き)貨物を搭載するはずなので、生体と一緒に飛ぶことができます

    • ANA→ANA FLY CARGO!というサービスにアカウント登録すれば、空港貨物が利用できる便が見られるようになります。

    • JAL→下記のページに航空貨物運送サービスを扱っている営業所の一覧があります。出発空港と到着空港で空港貨物の取り扱いがあれば可能と思われますが、念のため問い合わせましょう
      「国内貨物空港・営業所」https://www.jal.co.jp/jalcargo/office/dom/

    • 一部小さな空港では一般の航空貨物の受け入れをやっていないようです

  • 貨物を搭載しないLCCの路線を利用する場合、近い時間に貨物を搭載する便(ANAかJAL、もしくはそのコードシェア便)が飛んでいる便を選びます。この場合生体と一緒には飛べませんが、到着時間が近ければやること自体はほとんど変わりません

  • 貨物室に空きがなければ載せられませんので、貨物の空き状況も確認しておきます

  • ANA CargoかJAL CARGOか?

    • 羽田→那覇間で利用した際の体感ですが、ANA CargoかJAL CARGOか選べる場合、JAL CARGOの方が手続きがだいぶ楽でした。ANA Cargoの方は電子化の過渡期だからなのかもしれませんが、WEBフォーム上でやたらと多くの登録ステップを求められます

    • ただし、使い捨てカイロの使用がANA Cargoの方は条件つきで可(「日本カイロ工業会」のホームページの国際郵便情報ページ内に掲載されている製造メーカー製品のみ使用可)、JAL CARGOの方は完全NGとなっているので、使い捨てカイロを使わなければならない場合はANA Cargo一択のようです

  • 当たり前ですが、自分が乗る便の予約は普通にしておきましょう。公式でも予約サイトでもパック旅行でもなんでもいいです

☑運搬容器を用意する

  • 小型爬虫類は発泡スチロールの箱が使用できる

    • イベントや販売店で小型の生体を購入するとカップ容器などに入れてくれると思いますが、その容器が必要な個数入る発泡スチロールなどでできた容器、小型クーラーボックスなどを用意します

      • 保温能力が低下しない程度に小さな穴をいくつか空けて通気を確保しておくと安心です

      • 細かいことですが、容器の座りが悪いと指摘されますので底が平らでない容器は使わないようにしましょう(たいてい平らだと思いますが)

      • 中でカップ容器が動かないよう、クッション材としてタオルなどを1〜2枚入れておくと安心です

    • ANA CargoやJAL CARGOのページには、生体運送用の木製やプラスチック製の大掛かりなクレートの図が掲載されていますが、そこそこの厚みがありちゃんと強度のある発泡スチロール箱であれば、小型爬虫類用の容器としては十分と判断されるようです

小型発泡箱が家にない人は百均で買うのが一番手っ取り早いです
  • カイロによる保温

    • カイロによる保温は、ANA Cargoは条件つきで可(「日本カイロ工業会」のホームページの国際郵便情報ページ内に掲載されている製造メーカー製品のみ使用可)とのことです

      • カイロは酸素を奪って発熱しますので、カイロを使う場合はクレート内の換気を良くしないと生体は酸欠で死にます。また直接当たらないよう、熱くなりすぎないよう工夫が必要です。そのへんは本題から外れますので自己責任のもとよく調べて工夫してください

    • JAL CARGOの方は開封済みカイロの同梱NGとのことですので、必要なら発泡スチロール箱を二重にするなどの対策を取ります

  • 比熱を利用して熱死を避ける

    • たいへん稀でしょうが、先述のように日が高い時間帯の貨物の積替えなどにぶつかった際、生体の熱死を確実に避けたければ、たとえば大きめの発泡の中に常温の500mlペットボトルをぐるっと並べ、その中に小さめの発泡を収めるとか、高性能なクーラーボックス(通気を確保する必要はあるでしょうが)を使うような対策も考えられます

☑空港貨物の予約をする

  • 貨物を載せたい便の番号を手元に控えておきます。

  • 航空貨物運送サービスの名称はANAの系列はANA Cargo、JALの系列はJAL CARGOという名前です。受付は旅客の受付と全然別ですので、それぞれ名称で検索して受付ページを探してください

  • ANA Cargoを予約するには、ANA FLY CARGO!というサービスにアカウント登録する必要があります。この辺も時間に余裕を持ってやっておきましょう。下記のANA Cargoのページ内の、アカウント登録については1-1-1に、予約については1-2-1にぞれぞれ項目があります
    https://www.anacargo.jp/ja/dom/anaflycargo_manual.html

  • JAL CARGOは国内貨物はWEB予約システムはなく電話一本でした。どちらも選べるならJAL CARGOの方が正直だいぶ手間が省ける印象です

  • 運搬生体を収納する箱(クレート。カップ容器などではなく、発泡スチロール容器などの外箱)のサイズ、生体の種類、頭数などを申告します。小型の生体の場合、外箱のサイズが変わらなければ匹数は後から変わってもOKだそうです(カウンターで申告しましょう)

☑eAWB 情報を登録する(ANA Cargoのみ)

  • ANA Cargoの場合、貨物の予約(新規バラ予約)が完了した段階ではまだ受託ができず、この状態でギリギリの時間に貨物カウンターに持ち込むと最悪間に合わないそうなので、事前にeAWB情報を登録しておく必要があります。荷物の口数やサイズ、種別を登録します。登録方法については、下記のANA Cargoのページ内の1-3-1に項目があります
    https://www.anacargo.jp/ja/dom/anaflycargo_manual.html

    • 後述する「※ANA FLY CARGO!の操作方法について」も参照

☑eAWB上で動物運送申告情報を登録する(ANA Cargoのみ)

  • eAWB登録の途中で、またはいったん登録を済ませると「動物運送申告情報を登録する」というボタンが出てきますので、忘れずに登録しておきます

  • 登録方法については、下記のANA Cargoのページ内の1-9-1に項目があります
    https://www.anacargo.jp/ja/dom/anaflycargo_manual.html

☑タグ・ラベルをダウンロードし印刷し貼り付けする(ANA Cargoのみ)
上記のeAWB情報・動物運送申告情報を登録すると「タグ・ラベルをダウンロード」というボタンが出てくるので、ダウンロード(PDFフィアル)します。まぎらわしいですが「タグ」と「ラベル」の2枚ではなく、「タグ・ラベル」という1枚の紙です。

これを家のパソコンなりコンビニのコピー機なりで印刷して荷物に貼り付けておきます。シール用紙に印刷しても、普通紙に印刷したものを糊や両面テープで貼ってもOK

何度も出てくる画像ですが正面のラベルがANA Cargoのラベルになります

ラベルは貨物カウンターでも印刷できるそうですが(空港にもよって違うかもしれません)、時間ギリギリだと間に合わない可能性もあり、予め印刷して貼り付けておいた方が無難です。

☑貨物カウンターの場所とアクセスと立ち入り方法について調べておく

  • 出発空港と到着空港両方の「貨物エリア(貨物棟)」内の「貨物カウンター」へのアクセス・立ち入り方法を調べます。

    • たとえば羽田空港は貨物エリアへの循環バス(片道100円)が出ていて、それに乗っていけます。空港までタクシーで行ったり、近くでレンタカーを返却したりするならそれらに乗って行くのもアリです

    • たとえば那覇空港では貨物エリアまでのバスはありません。歩くかタクシーに寄ってもらうことになります

    • 貨物エリアに立ち入るには身分証が必要になります

羽田空港西貨物エリア内のANA Cargoの営業所

☑空港到着時刻を逆算しておく

  • 事前準備ではこれが最も大事かもしれません。貨物を何時までに貨物カウンターに預けなければならないか調べておきます。載せようとする便の1.5時間前というのが一般的ですが都度確認した方がいいでしょう

    • 空港の旅客エリアから貨物カウンターのある貨物エリアまでは一般にかなりの距離があります。バスを使わなければならない場合は当然バスの時刻表や所要時間、バス停までの徒歩移動時間も考慮して、何時までに空港に着いておかなければならないか計算しておきます

羽田の場合、貨物循環バスの運行間隔はこんな感じ。
具体的な時刻は変わるかもしれないので参考にしないでくださいね

※ANA FLY CARGO!の操作方法について
ANA Cargoの予約をはじめとした各種手続きをおこなうWEBシステムが「ANA FLY CARGO!」です。ごめんANAさん、言わせてもらうけどPDFマニュアル作るの下手すぎィイイ!(2023年9月現在)…いや別会社のANA Cargoさんなのかもだけど。でも本体のANAさんも航空便予約システムのUIの分かりにくさとかも相当
まぁいいです。ANA FLY CARGO!の操作方法については、

  1. ANA公式の詳細マニュアル(下記URLのそれぞれの項目のPDFと動画)
    https://www.anacargo.jp/ja/dom/anaflycargo_manual.html

  2. ANA公式の簡易マニュアル(下記URLのいちばん上の「<簡易版>ご利用案内」というPDF)
    https://www.anacargo.jp/ja/dom/anaflycargo_manual.html

  3. 福江空港(五島つばき空港)が独自に作っているマニュアルPDF
    https://www.fukuekuko.jp/upload/information/88/RkxZIENBUkdP44CA6Kqs5piO44OT44Op.pdf

があって、非公式の3がぶっちぎりで分かりやすいです。1はとにかく全ての項目を網羅していて使わない情報が満載なのと文面がメチャクチャ硬いのと(これは仕方ない)、2はステップが可視化されてなくてビジュアル的に激しく見づらい(人によっては分かりやすいかも)。対して、3はstep-by-stepが明確になっていて大変よい。一般人向けのマニュアルってこうやって作るんやで。でも非公式なので操作方法にアプデがあったら使えなくなるかも。あと3は「動物運送申告情報を登録」がないので1か2を見る必要があります。

動画マニュアルが大丈夫な人は、1の動画を見ながらやってください。これとて操作画面の単なるスクショなんだけど

③当日の動き

1. 空港到着
手荷物預け入れとは違い、貨物を預けるには航空チケットを発券し終わっている必要などはないので、まず貨物エリアに向かえばいいわけですが、たいていの空港はバスなり電車なりでまず旅客エリアに到着しないと貨物エリアに移動できません。タクシーなどの場合は貨物エリアに直行でOKですので3まですっ飛ばしてください

2. 貨物エリアへの移動
羽田空港の例ですと、空港旅客エリア→(徒歩)→バス停→(バス)→貨物エリアバス停→(徒歩)→貨物カウンター、みたいな移動経路になります。徒歩は壮絶な距離ではないですが地味に長いので、大荷物がある人は先に空港で預けてしまった方がいいかもです

羽田空港の旅客エリア→貨物エリアへの循環バスが出ているバス停
羽田空港東貨物エリアのバス停。いきなり雰囲気変わる

3. 貨物エリアへの立ち入り
貨物エリアに立ち入るには、所定の書類に記入して臨時立入許可証を借りる必要があります。といっても簡単な書類ですが。このとき身分証が必要になります。

空港貨物エリアへの臨時立入証

4. 貨物カウンターでの預け入れ
予約していたことを伝え、料金を支払って貨物を預けます。カードが使える所もありますが事前に調べておきましょう。ここまでくれば(有料な点を除けば)手荷物預け入れと変わりません。

この中が貨物カウンター
  • JAL CARGOでは事前に登録しなかった分、貨物カウンターで「発送に必要なデータを登録」する必要があります。具体的にはカウンターにあるパソコンに必要項目を入力(羽田空港)しますが、何分もかかりません

    • 「動物申告書の内容に同意」する必要もありますが、これも簡単な書類です

貨物番号が書かれた書類を渡されるのでなくさず保管。最後に、カウンターで貨物エリア立ち入り時に渡された書類にハンコをもらいます(ちゃんとした用事があって立ち入りましたよ、という証明ですね)

5. 出発空港に戻って飛行機に乗る

6. 飛行機から到着空港に降りる

7. 貨物エリアへの移動&立ち入り
基本的には行きと一緒ですが、空港ごとに貨物エリアまでのアクセスが違うのでよく調べておきましょう。地元の友人や家族に車で迎えに来てもらうと貨物エリアへのアクセスが大変楽です

8. 貨物カウンターでの貨物の受け取り
空港にもよるかもしれませんが、到着して降りて普通に貨物エリアに向かうと大抵すでにカウンターに貨物が着いています。貨物番号を言って受け取ります。最後に、カウンターで貨物エリア立ち入り時に渡された書類にハンコをもらいます。おつかれさまでした

以上です。

応用

実際にやったことはありませんが、下記のような使い方ができるはずです(というかこちらの方が本来の使い方に近いかも)

  • 生体を送りたい人が最寄りの空港Aに持ち込み、貨物として空港Bに送り、受け取りたい人が空港Bに取りに行くことで、各種宅配サービスに比べてはるかに早く(&容器が大きい・遠方の場合にははるかに安く)生体を輸送できる

  • 旅先や帰省先で知人の代理で生体を受け取り、帰りの空港Aから知人の最寄りの空港Cに貨物として送り、自分は空港Bに帰る。知人は空港Cに受け取りに行く

Special thanks

この記事は、友人のアクアリストtocomo @ofau_v氏に無理を言ってヒルヤモリのハンドキャリーをしてもらった時に作ったノウハウをもとにしており(その後自分でも経験しました)、筆者の無茶振りに対する氏の尽力なくしては成立しなかったものです。写真も大部分はその際に彼が撮影してくれたものになります。この場を借りて深くお礼申し上げます。



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