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クラウンクロスオーバー試乗。


市街地で佇む35系クラウンクロスオーバー


時は来まして。


あらゆる方面、あらゆる角度から言って

「話題沸騰」

のモデルである事には間違いないと思う
”35系クラウン”

正式名称は

「クラウンCROSSOVER」

に試乗させて頂く機会に恵まれました。


まず最初に感想から書くと

「乗って印象が180°変わった!」

という希少例。


ハンドルを握り、市街地を走ると
ここ数年は忘れかけていた

”トヨタ高級車の移動空間”

を思い出した。


ただ・・・

現実として眼の中に飛び込んでくる
あらゆる要素には思うところもあり。


そんな「新型クラウン」

外装~内装と分けて少し触れさせて
頂きたいと思います。

私見を挟んだ感想故、
何卒寛大なお気持ちでご覧頂ければと・・・。



横一直線に発光するDRLが斬新なフロントフェイス


というわけで


まずは外観から見てみます。

今回初対面となった個体は
「G AdvancedレザーPKG」
というグレードで、

ご覧の通りこれは・・・

賛否渦巻く要素

のひとつでもある感じる
”バイカラー”の車両。

3U5エモーショナルレッドⅡ
に掛け合わせられた
227ブラック
という仕様。

この”227”というカラーに注目していたのだが
この日晴天下。

僕の眼には”202”との違いがわからず。
ソリッドであったことは間違いないと思うけど。


4930*1840*1540の3サイズ、ホイールベースは2850


マカンか



最初に思った360°接点のないドアパネルが
宙に浮く。

7:3の角度まで移動してみると
”本来のボディカラー”
の専有面積が増えて、色んな意味での

「斬新さ」

が影を潜める。

ここで初めて冷静にこの新型の
デザインと対峙することが出来た。

デザイン。
僕はとても良いと思う。

ただ、前後オーバーハングの長さに対し
ただでさえ短く魅せるホイールベース。

そこに21インチ標準というのが
全体のバランスを悪化させる。

ような気がした…。

「ボディそのもののデザイン」

は悪くないと言ったつもり。

相対的な印象として作用する

「全体のバランス」

にはいかがなものか?

言っていることを再度確認しておく。


何に対する引っ掛かりなのか?

は、後でなんとなく
自分の結論として導いたんですが。


更に回り込んで
自分がクルマにおける最も大事な要素

”サイドビュー”

に映ると

「クロスオーバー」の意味がよく伝わってくるサイドビュー


全長4930の


数字を持つモデルとは
ちょっと思えないこのバランス感。

フロントの”アク”に対して
リヤの”シンプル”さ。

これが両対極なのは間違いない。
ここが

良さなのか、悪さなのか?

という認識の分かれ目にも思える。

例えるなら
Cクラスがあって、そのオールテレイン。
A4があって、そのオールロード。

という例になぞっていくと
やろうとしていることは
とってもストレートに伝わる気がした。

ただやっぱり
言いようのない引っ掛かりが。

言葉で表現できずにもどかしいまま
眺めていくような。


”ガラスエリア”
をかなり攻めて薄く、狭く取った。

この手法は一般的には
「クーペライクな演出」
の手法。

クーペライクを打ち出すという事は
つまり、

スポーティな動的印象を高めたい

というケースが多い。


そこの演出が上手く行っていると思うのに、
少し視線を下げると

”ドアパネル”

”フェンダーアーチモール”
など

クロスカントリーならではな要素が
散りばめられてくる。

この2つのベクトルが
あまり例のない形で交錯するのが35系。

つまり”これまでにない要素”。

故にこの辺のヴィジュアルが、

「良い」「悪い」

を真っ二つにしているように思う。

”見たことのないもの”
を見た時に起こる正常反応なのかも。


ここで、今更ながら改めて
今回のクラウンが

「未知なる新ジャンル」

に挑むものだと再認識した。

きっと、ある部分のデザインが
従来のこんなイメージ。

なのに、また他のある部分が
全く異なるジャンルで記憶する
デザインだったりする。

今まで見た事あるようで
見た事がない。

それがクラウンの名前の元に
繰り広げられるから
受け入れ難いという意見が
出るのかもしれないなと。

異例とも感じるほど「個性的」なバイカラーのリヤ。

そしてリヤへ。


バイカラー選択時には
リヤがこの意匠になる。

この7:3の見え方に対して・・・


CENTURYを思い起こさせる”CROWN"のロゴエンブレム


リヤ正面へ


と移っていくと
ボディ色が何色であるか?

は、
ほとんど意味を持たなくなるような
配色パターン。

つまり黒一色。
これもバイカラーの大きな特徴。

リヤ正面から見ると、ある種の

”潔さ”

みたいなものも感じるのだが、
リヤ7:3から見た時の印象では

「黒のエリアの取り方」

に疑問を持った。

丸みを強調して”尻すぼみ”に下へと
小さくなっていくのが気になった。

バイカラーはアグレッシブ。

とても攻めているし、目を引く。

そんなイメージの中で
色の別れ方に若干の弱さが垣間見えていて
言葉にできない

”アンバランスな印象”

を抱く人も多いのかもしれない。

それに対して真逆なのが

「フロント側の黒の取り方」


一転してワイド感を強調する
末広がりだった。

フロントに好感を抱いた人は
リヤに疑問を持つかも知れない。

また、リヤに好感を抱いた人は
その逆。


という感じもした。




デザイン云々は


この辺にして、
少しライト関係の質感を中心に

細部ディティールもチェックしてみました♪

往年のG'sを上回るほどのブラックエリアを持つ新型クラウン


改めてフロント正面。

カメラで上手く捉えられていないですが
ヘッドライト上に細く、
更にグリル上をバーのように走る細い部分。

いずれも発光するポジション兼DRL。

驚いたのは
”バンパーロワグリル”

C-HRのドア内張りを思い出すようなロワグリルの意匠


艶やかなグロスブラックなのは
大歓迎。

ただこれ、

一切抜けていない!

”レクサスRZ” や ”bz4x”
を思い起こさせるようなこの意匠、

もはやこれ・・・

「グリルと呼ぶべきかどうか?」

風を通さない以上
”グリル”とは呼べない気がするが。


最新世代のデザインとなった車名シンボル「王冠」。


そしてこちらが最新の

「フロント王冠マーク」

がなんと?!
”ブラッククローム加飾”
だった事にもうひとつの驚き。

色調や濃度としては、まさに

”F-SPORT同様”

のもので間違いない。

どちらにせよ、これを「交換作業」
するのは容易ではなさそうだけど・・・(汗)


そしてヘッドライト。

最新世代らしく、灯体自体本当に薄型。
そこに同じく小型化された四角が
4連並ぶこの凄み。

インナーハウジングも
徹底してブラックアウトされており、
このディティールはとてもスポーティ。


この上段、細いモール風のレンズが

”ポジション兼DRL+ウインカー”

となっている。
シーケンシャル等はなく好印象。

発光品質も極めて美しいもので、
こんなに細くとも眩しいくらいの
光量を誇っていた。


そしてこちらが

”Loビーム点灯時”

のヘッドライト。

4つある眼のうち
常時3眼が点灯。

3分割で横一線に発光するポジションとの
効果もあって、
夜間に後ろから近づいてくれば

「ひと目でクラウンクロスオーバー」

とわかるように思える。


そして、最も内側に配置されているのが

”Hiビーム”

となっていた。


ちなみに、とても細かいことだが
このヘッドライトユニット。

フェンダー側に回り込んだ側面に

サンドブラスト?のようにザラザラとした質感のロゴ刻印


このような「ロゴ」が
刻まれていることをここで初めて知った。

「TOYOTA CROWN」

と刻まれている。
海外を意識してのモノだろうか?


写真に写るのは弊社担当ご存知!「松田プロ」


続いてリヤも点灯状態などを確認。

改めてこの景色。
”単色202外板”
ならどう見えるのだろう?

と、興味が湧くリヤビュー。


ポジション点灯時。


こちらがウインカー点灯時。

ポジションも同時点灯中で、
共に極めて細い灯体だが
縦に配列されていて、別々のランプになっていた。


そんなウインカーの更に下が
ブレーキランプ。

このブレーキランプ、

小さすぎないか?

との素朴な疑問(汗)

撮影は昼間とは言え
屋根の下の日陰の中。

それでも一瞬、初めて見る車種
という事もあって


ハイマウントがなければ
ブレーキを踏んでくれたことが
伝わらなかったかもしれない。

夜間は充分だとは思うものの・・・

昼間については疑問。

他に見たことがないくらい
小さいブレーキランプが左右。

ただし、輝度は相当に高いものだった。


更に疑問を感じてしまったのが

この「バックランプ点灯」。

完全に”点で”光るものだったが、
直射日光下などは

これで良いものなのだろうか?

と、率直に感じた次第。

ちなみに正面でこの距離から。

点で光るLEDは角度がつくと
異様なほど視認性の面で脆い。

いらぬお節介かもしれないが・・・。

歴代初?クラウンに採用される電動トランク機能採用。


そして、これがまた驚き。

”クラウンに電動トランク”

の嬉しいながらも違和感(笑)

リヤのテールランプガーニッシュ、
ちょうど車名ロゴの

「Nの上辺り」

を注視すると、おなじみのものとは
程遠い意匠のボタン。

(これ、なんだ?)

と、興味本位でボタンを押すと
トランクが電動で作動して驚いた!

そしてもうひとつ
感心したポイントが、

”デジタルインナーミラー”
と並列して配置される
”バックモニター”。

その中心に・・・

なにやらの突起?!

これは「Rレンジ」にギヤを操作すると
エアが瞬時に吹き出して
モニターについた水滴を飛ばすというもの(!)

方法こそ古典的な気もするが・・・

「自分の車にもあれば良いのに」


皆が思う機能かもしれない。


スモークメッキ調の王冠キャップが採用されていた


そしてスルーできないのがこの

純正21インチタイヤ&ホイール

で、
これデザインはとても良いと思う。

ダンロップSP SPORT MAXX
を履いており、
そのサイズがまた超異型!!

”225/45R21”

という聞いたことの無いサイズ。


もし、仮にの話だが・・・

”22インチにサイズアップしよう”

と思い立ったら
一体タイヤは何を選ぶのか?!

ほぼ選択肢はないように思えたが
それは

”車を買ってから悩めばいい”

と苦笑する。


「アタリの付いていないローター」が完成間もない事を物語る。


そしてトヨタにも浸透してきた
ボルト締結での固定も。

PCDは確認してないですが
5-114.3なのだろうと・・・。

この接写でも伝わると思うが
この21インチの金属調光沢は
とても素晴らしい。

どこ製なんだろう?

素晴らしい質感でした。


2.5リッター直4+THSⅡにCVTというGアドバンスの心臓。


エンジン系はこのグレードの場合
22系HYBRIDからの
キャリーオーバー。

ただし、このモデルは
FFベースのAWD。

それが賛否を分ける
大きな問題
なのだけど・・・。

だが、そんな事以上に大きな問題なのは


ボンネットダンパーを割愛

している
この姿勢なのかもしれない。

外装あらゆる場所への
”シボ素地採用”

こうしたボンネットダンパーの撤廃。

「安く創って高く売る」


物売りの鉄則だが・・・


トヨタの開発陣は
こうしたすぐに目が届く場所への
”迷彩”
についてあまりにも疎い。

700万円クラスの車両を所有して、
片手で躊躇するほどの
重いボンネットを支えつつステーを探す。

この行為ほど”萎える”ものは
ないのだが・・・。


”バイカラー選択時”

のドアミラーカバーはブラック意匠。
ただし、

「完全カラードのドアミラー」

いわゆる

”クラウンの特権”

はここで剥奪された。
これもひとつファンとしては悲しい・・・。


”ホワイトパール単色”

の個体などを見れば、
特権剥奪は更に明確に見えてくると思う。

「従来のクラウンの価格」

をほぼ横ばいで薦めるには
申し訳ないが、少しずさんな気もした。

図々しいと言うべきか・・・。


文句と言うよりも寂しい。


それが正確な表現かも。


アウタードアハンドルはクローム加飾、
バイカラー時はこちらにも
ブラック塗装品を採用。

ちなみにこのグレード、
とっても面白い(?)のだが

「リヤドアのみイージークローザー」

が付いていた!


フロントドアがいつまで待っても
閉まらない・・・・

ので、

思わず故障??となり
慌ててカタログの設定表を確認。

前席にはなく、
後席のみイージークローザー採用。

”おもてなし”
の演出はわかる。

だが、高価格を主張するのは
そういう所ではない。

逆に4ドア無しにして
コストを減らすべき案件に思えたがどうか。




という事で。

初めて対面した”35系”。

外装編、忖度なしに
思ったことを書かせて頂きました。

ただ!
これはフォローではなく。



冒頭に記載した通り、
今僕の頭の中で

”35クラウンの印象は一変”

していて。

だからこそ冷静になって
外観上や装備の思ったことを
書けたのかもしれません。

より所有した時の状況を

”現実的に考えられた”

からなのかな・・・と。


実際問題、こうしたブログなど
書く気もなかった

というのが本音。

触れる気はなかったものが
高揚した心で多くの写真を撮った
というのがこの日。


また改めて次は
”インテリア”
についても話したいと思います。


少しでもご契約までの
参考材料になれば・・・

と思う次第です。


END



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