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パリ生活ゴ(10) ケバブ屋にて

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 10.   ケバブ屋にて

<シーン 10>
私の帰宅が遅くなる時、料理の出来ぬダ-リンと息子(3歳)は決まって「友達のところ」へ行く。行き先は近所のケバブ屋。
友達って誰?と気になった私は一度2人について行くことにした。フリット(フライドポテト) を揚げる人とバシッと握手を交わすダ-リン。 他の人達(みなマグレバン男性)にも同様の挨拶。 『顔が濃い』ダーリンは、ここでもマグレバン(北アフリカ系)と間違えられファミリーの一員と化していたのだ。

店主がわが息子を指して「イケメンやね」。おお、私も親しげに話しかけられる。ファミリー連帯感がハンパじゃない。当の息子、家では禁止のあぶらギッシュなフリットを手に、サッカー中継を他の男性客とダチのように観戦している。

お待ちかねのケバブがサーブ。
息子は目を輝かせて肉をワシづかみ、あっちっちっと言いながら口に放り込み、店の兄ちゃんたちと目配せしながらガハハと笑っている。

帰り道、ハラをさすりながら「ああ~腹いっぱいやあ」とのたまう息子。

日々、正しいテ-ブルマナーと7区のおフランス語を叩き込んでいるハズなのに、なんでや。

<使えるパリ生活ゴ 10>
Dans un sandwicherie grec
ケバブ屋にて

A : Regarde dans la cuisine. Quel beau ①gosse !
厨房見ろよ、すげえイケメン。

B : Ah, il est ②métis, je crois que son papa est marocain et sa maman est chinoise. Dis-moi ce que tu veux.
ああハ-フよ。パパがモロッコ人でママが中国人だったと思う。ねえ、何にする?

A : Un sandwich grec avec des ③frites.
サンドイッチグレックと、フライドポテト。

B : ④Pas de frites pour faire rentrer un peu ton gros ⑤bide, OK ?
ポテトはダメ、ちょっとその太鼓腹をひっこめなきゃ。いい?

〜解説〜
① gosseは子供【enfant】。
beau gosseで美男子。
<同義語> gamin、gamine(女性形)。

② métisは標準語で混血、ハーフ。
元は動物のみを指したが、17世紀にポルトガル語のmesticoに影響を受け、現在の意味「異なる人種の父母を持つ子」となる。
元テニスプレ-ヤ-で現国民的歌手のヤニック・ノアはカメルーンとフランスの血を引くmétis。

③ fritesはフライド・ポテト【pomme de terres frites】。
一般に、拍子木切りしたジャガイモを油で揚げたもの。スライスしたのはchips。

④ Pas de 名詞で、~はダメの意。俗語でneが省略されるケース。
(例)Pas de cigarettes. タバコはダメ。Pas de blagues. 冗談はよせ。

⑤ bideはお腹【ventre】。
un gros bideは太鼓腹。け
<同義語> bidon
<関連語> ぜい肉がついた腰まわり【amas adipeux sur les hanches】をユーモラスに表現するならpoignées d'amour。直訳す ると愛情(amour)の束(poignées)。新婚の男性が太った場合など茶化して使う。

❤️では scène 11 でお会いしましょ❤️


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