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映画『トラペジウム』感想(ネタバレ有)

先日公開された『トラペジウム』を見に行ってきました。正直、自分は乃木坂のこと全く知らないし、「乃木坂46アイドルの小説デビュー作」には大して期待してなかったんですよね。でも予想に反して大当たりでした。『トラペジウム』凄い面白かったです。この映画は『ラブライブ!』や『アイドルマスター』のように「少女たちが困難にぶち当たりながらも夢に向かって突き進むキラキラアイドル物語」でもなく、『推しの子』みたいに「厳しい芸能界の現実を描いた物語」でもなく、アイドルを通じて繋がる、4人の女の子

    • 陰湿な歴史オタクによる『歴史メンタリスト』最終話感想

      巷間「歴オタは創作にも細かいところをネチネチツッコミいれるからキモい」的な風潮もありますが、正直楽しいんですよね、突っ込み入れるの。オタクのサガです。 『歴史メンタリスト』はジャンプ+で半年間連載された、歴史をテーマにした漫画作品です。先日更新の最終回のゲストが聖徳太子と自分が興味ある人物だったのでネチネチ突っ込みを入れていきたいと思います。ちなみに歴史的には聖徳太子の呼称は厩戸王、厩戸皇子や上宮王の用例の方が多いのですが、煩雑になるだけなので聖徳太子で統一します。 まず

      • ルリドラゴン 7話感想

        「打ち切りは全く怖くない。一番恐れるのはこの休載がやがて風化してしまわないかということだ」 というわけでついにルリドラゴンが連載再開しました。正直このままフェードアウトの不安もあったので、ちゃんと帰ってきてくれたのは嬉しいですね。来月からは電子版とジャンプラに移籍ということですが、自分は古い人間なので一番面白い漫画はジャンプ本誌に載ってててほしいから、電子だけでも本誌連載が続くは良いと思います。。 とりあ扉絵の夏祭りルリちゃんは実に良いです。あいかわらず可愛いです。爬虫類

        • ゴジラ -1.0感想(ネタバレあり)

          本日は『ゴジラ -1.0』の公開日ということで朝から見てきました。ゴジラ作品は『ゴジラ シンギュラリティ』以来、映画では『ゴジラvsコング』以来のゴジラということで元より期待度はマックスでした。監督がユアストーリーの人なので万が一「これもユアストーリーだったら…」という不安もありましたが全くの杞憂で100点の映画でした。山崎監督は邦画のVFXの第一人者なのでとりわけCGは大迫力でしね。シンウルトラマンやシンライダーはちょっとCGが安っぽいかなと思う場面もあったのですが、今回の

        映画『トラペジウム』感想(ネタバレ有)

          これは百合とは認めない

          以下、個人の見解です。 ・TS百合 性自認が女ならまだ議論の余地はあるが中身が男ならそりゃ男だろう。 ・ふたなり よりにもよって「男の象徴」をぶち込んどいて百合も何もあったもんじゃない。 ・性別不明 男である可能性が1%でもある限り安心できない。百合に対する真摯さが足りない。 ・前世が男(ないし男である可能性が0%でない) 現世での性自認が女であっても百合としての純度が低い。 ・ハーレム内百合 男主人公と複数人のヒロインが関係を持っている中で、その女性同士のが仲良く

          これは百合とは認めない

          「伝統的家族観」という世界

          「正義はどうあるべきか?」と問われた時にどう答えるか。すぐに解答できる人は少ないだろう。あるいは「あるべき世界はどういうものか?」と問われたらどうだろう。気宇壮大にも程がある。とはいえ一つだけ言えることがある。私たちが現在生きている日本という社会は、意識するしないにかかわらず、概して西洋の正義に基づき、西洋の世界観に従って運営されているということである。 現在の日本社会は民主主義社会であり、自由主義社会である。また憲法の前文には基本的人権の尊重が謳われている。日本には様々な

          「伝統的家族観」という世界

          部落解放運動と日本共産党の天皇制廃止運動史

          部落解放運動の反天皇史部落解放運動による反天皇思想は、戦前に部落出身にして衆議院議員となった松本治一郎の「貴族あれば賎民あり」という発言が端的にそれを表現している。 1933年に開催された全国水平社11回大会に際して、日本共産党の32年テーゼを参考に全水解消派が作成した「運動方針討議委員会の意見書」では「天皇制の打倒なくして部落民の解放はありえない」と述べられている。部落民は社会の中で天皇、華族、士族などの上層身分への対蹠的存在であり、こうした構造こそが部落差別をもたらして

          部落解放運動と日本共産党の天皇制廃止運動史

          ルリドラゴン、休載後のあれこれ(令和5 12月11日更新)

          公式の動きから細かいことまで。 順次追記していきます。 8/21 ・台湾版ジャンプの「寶島少年」で「瑠璃龍龍」(ルリロンロン)の新連載告知 8/23 ・「ルリドラゴン」の商標登録。 ・ジャンプ38号の紙のアンケートで「読みやすい作品」「読みづらい作品」の選択肢に「ルリドラゴン」 8/15 ・【定期購読者限定】レジェンドパックvol10で眞藤先生の過去作カウントオーバーが閲覧可能に 8/29 ・コスプレイヤーでグラビアアイドルのつんこがルリドラゴンのコスプレをTwitt

          ルリドラゴン、休載後のあれこれ(令和5 12月11日更新)

          ルリドラゴンの面白さ、「普通」でなくなったルリへの善意

           ルリドラゴンの1巻が予約開始されました。ちゃんと1巻だしてくれるか不安だったのでちょっと安心しました。改めてルリドラを六話まで読んでみたんですけどこれ本当に面白いですよね。ここ数年で一番ハマった漫画です。連載再開が待ち遠しい。  「普通の女子高生 青木ルリがある日当然ツノが生え、実は父親がドラゴンだったと知らされる。ファンタジーな日常始まる!」……このあらすじで想像されるストーリーって「ルリがドラゴンの力を生かして日々のトラブルを解決!」とか「色んな亜人娘が出てきてドタバ

          ルリドラゴンの面白さ、「普通」でなくなったルリへの善意

          ルリドラゴン 六話感想

           ルリドラゴン6話です。今回も面白かったです。  ルリドラは不思議な作品で、6話になっても未だにこの漫画が一体どういうものなのかはっきりしていません。3話でドラゴンハーフのルリをクラスメイトは暖かく迎え入れ、神代もルリに対してとても親切にしてくれていたことからこの漫画は「優しい世界」で、ルリドラゴンは「ファンタジーな日常」の看板通りゆるふわ日常系漫画なのかなと思っていたのですが、5話、6話を読んでいるとどうも違うようです。  5話ではルリのことを「怖い」という子が出てきて

          ルリドラゴン 六話感想

          ルリドラゴン、読み切り版からの改善点

          ルリドラゴンのボイスコミックが大人気です。ジャンプチャンネルのボイコミで投稿からわずか4ヶ月で再生数1位。しかも2位の30万再生差をつけてぶっちぎりの1位です。ただこの動画は読み切り版で本編の1話とは大きく内容が違います。もちろん一番違うところは後半のパパに会うシーンの有無なのですが、それ以外にも細かいところが本編では色々改善されています。その結果ルリと海がほぼ別人と言っていいほどに別キャラになっています。その改善点をいくつか見ていきましょう。 例えば読み切り版ではバスの中

          ルリドラゴン、読み切り版からの改善点

          ルリドラゴン 五話感想

           ルリドラゴン五話です。今回も期待を裏切らない良回でした。5週連続でこのクオリティとなると、この作品への信頼を盤石にしても良さそうです。  自分も普段から色々と漫画、映画、アニメを見ているのですが、最近ふとそのコンテンツを楽しんでいるのか、そのコンテンツで楽しんでいるのか分からなくなる時があります。例えば面白い映画を見ても映画館を出た瞬間にTwitterを開いて感想や考察をチェックしている自分がいます。その作品が楽しいのでなく、その作品を語り合うことの方を楽しんでいるような

          ルリドラゴン 五話感想

          ルリドラゴン 四話感想

           ルリドラ四話です。相も変わらず期待を裏切らないのがルリドラゴンです。今回もグッドなお話でした。  さて今回の四話は一大事です。一話から三話かけてルリがドラゴン化し、社会に受け入れられるところまでが描かれました。そこで四話ではこのルリドラゴンという漫画が今後どういう方向に進むかが提示される可能性が高かった。髪を燃やしてしまった吉岡にフォーカスを当てて青春路線でいくか、読み切りのように父親に会いにいくファンタジー路線でいくか、はたまたドラゴンを狙う謎の組織が出てきてバトル化の

          ルリドラゴン 四話感想

          ルリドラゴン 三話感想

          ルリドラゴンの三話が配信されました。期待を裏切らず、三話も実によかった。万が一、クラスでルリが虐められたり、ドラゴンを狙う謎の組織が襲ってきたらどうしようかハラハラでしたが杞憂でしたね。100点満点の三話です。 新連載にハマるっていうのは一見良いことのように思えますけど、実際は毎週アンケートの結果に一喜一憂して、ただでさえ憂鬱な月曜日がますます心休まらないものになってしまいます。そしていざ大好きな漫画が打ち切りになってしまうと、割とネタにできない精神的ダメージを負うことにな

          ルリドラゴン 三話感想

          ルリドラゴン、1話のルリと2話のルリの違い

           週刊少年ジャンプの新連載、ルリドラゴンが久々にビビッときました。最初は表紙の可愛いガオー顔にやられて、今流行っている『まちカドまぞく』に冒頭が似ているということで惹き込まれたのですが、2話を読んでいてこの漫画はただルリが可愛いだけの緩い日常系の作品ではないなと思うようになりました。  1話で頭にツノの生えたルリは学校に行きクラスの人気者になります。しかしクシャミと同時に口から炎を噴き、教科書と同級生の髪の毛を焼いてしまいました。そして続く2話、ルリは母親と一緒に炎を噴く練

          ルリドラゴン、1話のルリと2話のルリの違い

          日本国紀、中田大学、西村ひろゆきを見てる奴はバカだ

          という感情を消していきたい。 表題のコンテンツの良い悪いの話ではなく、自分が愚かだと思う人、モノを見下してしまう心情がどれだけ自分の幸いを阻害しているかということです。 自分は普段から割と本を読んでいる方だと思います。読書の動機の1番は単純な道楽で、他に話題集め等もあるんですが、自己顕示欲や「知識を得て他人より優れていたい」という感情があるのもまた確かです。「頭いい」と思われたいんです。 しかし知識を得るにつれて「そんなことも知らない人はバカだ」「そんな劣悪なコンテンツ

          日本国紀、中田大学、西村ひろゆきを見てる奴はバカだ