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石澄の滝 プチ登山

コロナ騒ぎの自宅待機以降、川原や山をうろつくようになった。河原や山の中は街中と違いマスクをする必要がない。一人なので自分のペースで痛めている膝と相談しながら動ける。はじめは体力維持のためだったが、そのうちに自然の観察を兼ねるようになった。野山の季節ごとの花や鳥の名前を覚え、しばらくすると忘れる。
今回、前から気になっていた石澄の滝に行くことにした。石澄の滝は箕面市と池田市の境を流れる石澄川の上流にある。ネットでの情報では箕面の滝と同規模の滝らしい。実は石澄の滝には遥か〇十年前、高校生のときに行ったことがある。わたしのいた高校は石澄川の下流付近にあった。クラスのHRの係が5時間目の授業の先生と交渉して6時間目のHRとくっつけて2時間連続のHRにして学校からみんなで行った。もっとも覚えているのは行ったということだけで、どういうところだったかは全く記憶にない。はっきりしているのは石澄の滝は学校から2時間でいって帰って来れるくらいの距離だということだ。
前置きが長かった。話を進める。

事前調査

池田・五月山ハイキングマップ(裏面)によると、石澄の滝は東畑のバス停から30分弱のところにある。

ネットで引っかかったサイト
 石澄滝(Wikipedia)
 【The・秘境】石澄滝へ行ってみた(池田市観光協会)
 秘境「石澄の滝」探訪①秘境「石澄の滝」探訪②(たぶん大丈夫なブログ )
これらの記事によれば、わたしの記憶に反して険しいコースのようだ。
岩場、丸太橋、ロープ。そして廃寺、廃屋、洞窟。心霊スポットか。。
クラスでわいわい行ったというイメージからはほど遠い。
険しそうだし膝もやられているので迷うところだが、まあ行けるところまで行ってみよう。

プチ記録

池田駅から阪急バスに乗り10分と少しで東畑のバス停に到着した。
そこから東畑の信号を北へ進む。いきなり急な坂道だ。ちゃんと舗装された道だが傾斜がすごい。来た道を振り返ると遥か彼方に大阪市内が展望できる。そこそこの高度である。いまは住宅地だが元は山の斜面だったのだ。

斜面を切り崩して家が建っている。石垣が多い。

両側は敷地の広い高級そうな家が立ち並ぶ。
きつい坂をしばらく登ると傾斜がゆるやかになった。
てっぺん付近にきたようだ。
舗装された道の行き止まりにネットでも見た山道の入口があった。

山道の入口

柵の横の入口から入る。
ゆるい傾斜を少しずつ進む。木の枝の間から日は射し込んでいるが薄暗い。

積み重なった落ち葉。倒木が目立つ。長い間整備されていないようだ。
道の右側遥か下方に川が流れていて暗い谷になっている。
桜の咲く季節だが、桜の木は見当たらない。
いっぽうモミジの木はたくさん目につく。秋はきれいかも知れない。

倒木が川を跨いでいる              モミジの木   

ネットにあった一番目の廃屋をすぎると川に丸太橋がかかっていた。
この丸太橋の存在はすでに10年以上前に書かれたネットの記事にある。
ということは、かなり古い。

  廃屋                  朽ちた丸太橋 

予想通り丸太橋はかなり朽ちている。とても渡れるとは思えない。
と、少し横に川原へ降りる石段を発見!
川原へ降りると川の中を渡れるように石がポツポツと並べてあった。
先人たちが整備してくれていたようだ。
向こう岸に渡り、再び川沿いに進む。
いや、道がない! 早くもこれまでか。やれやれ。引き返すか。

道がまったくない

あきらめて帰りかけたら別の道を発見した。
ここは2つの川が合流地点だが、本流でないほうの川に沿って進もうとしていた。こっちが正しいルートだ。

右下に石澄川を見下ろしながら進んでいく。小さい滝が見える。
さらに進む。

どんどん進むと左の崖に人がやっと入れるくらいの大きさの穴を見つけた。
ネットでの情報では鉱山の試掘跡である。

試掘跡

さらに進む。
廃寺、2つめの廃屋があり(気持ち悪いので見ないように通りすぎる)

廃寺と看板                奥にも廃屋

まっすぐ進んでいくと石澄の滝を示す矢印の看板があった。行き止まりだ。
向こう岸に道が見える。

  左岸はここまで              右岸へ渡るしかない

そして川の中に飛び石。渡れと。。
河原におりる。
しかし、川の中の石に足をのせるとぐらつくものが多い。
念のために持ってきたトレッキングポールを1本リュックから取り出す。
ポールで川底を突きながら渡る。持って来てよかった。

ポールを突きながら川を渡る

向こう岸へ渡り、岩場をそろりそろりと登っていく。
また鉱山の試掘跡があった。
かつて猪名川水系、箕面五月山あたりは鉛が取れたらしい。

試掘跡

そして岩場。崩れかけて足場が悪そうだ。
五月山箕面山系の表層は粘板岩が主成分で風化がはやい。
先ほど出したトレッキングポールをリュックにしまい、
岩場をどう攻めようかと見上げると上からロープが垂れている。

右岸の岩場を昇る

このロープも丸太橋と同様かなり前からネットの記事にあがっている。
体重を預けて大丈夫か。 
恐る恐る引っ張ってみる。。 大丈夫なようだ。
軍手をはめてロープを頼りに岩場を登る。そして川沿いの崖っぷちをそろりそろり足場を確かめながら進んでいく。ホンマにこわい。
岩場を登りきり、また川原に降りる。
砕けた粘板岩をワークマンの滑りやすい靴で踏みしめながら進んでいく。

左岸へ渡る

再びポールをリュックから出し川底を突きながら向こう岸へ渡る。
しばらく進んでまた川を渡って右岸に戻る。
見えた!!
谷の奥に落差のある滝が見える。石澄の本滝だ。

奥に本滝が見える!

ここまで来たら、あと少しだ。
しかし、両岸は切り立った岩場で囲まれている。どうやって攻めるのか。
よく見ると、崖や川の上にトラロープが張られている。
立ち入り禁止のロープか。
しかしもっとよく見ると、トラロープはすでに張られている古いロープを補強していた。再度ポールをリュックにしまい、ロープを頼りに岩場をこわごわ登る。

 ロープを頼りに岩場を登る            崖っぷち伝いに進む  

だが、登り切った向こう側は行き止まりだった。
そして、ロープが川の上をまたいで向こう岸に渡り、さらに斜面の岩場に続いている。ずっとロープ伝いだ。

     川越えのロープ           左岸の斜面伝い、滝口までのロープ

川を越えようとロープを持ったが、ぐらぐらである。
足元の石もゆるい。向こう岸のロープは斜面に渡してある。
       ・ ・ ・ ・ ・
膝と相談、腰と相談、心と相談。
協議の結果、これ以上のアタックは無理と判断する。これまで。
川原に戻って奥の本滝を動画に納める。

山を下りる。復路も手こずった。岩場は下りのほうがこわかった。
だがしかし、わたしの好奇心は一応満たされた。

まとめ

以下、記録として残す。
岩場あり。足場は前半やや悪し、後半は厳し。
滑らない靴(防水)、ポール持参(川渡り用)が望ましい。
ロープ伝いの岩場は初心者にはNG。
高校生のときHRで行ったのはどこまでだったのか。わからない。

おまけ
石澄川で出会った生き物たち

   ウシガエル         ニホンカナヘビ      クワゴマダラヒトリの幼虫

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