「⑥ 植木屋的助け合い _植木屋の挑戦、あれから15年」

今回は仕事がないときになにをしていたのかという話を。
少しずつ仕事が入りはじめてきたのが35歳くらいだから
だいたい5年くらいはほんとに仕事がない時期を過ごしました。

僕の住んでる場所は植木屋が地場産業みたいなところなので
植木屋さんは仲間同士で助け合うみたいなやりかたは
昔からあって忙しいときに手伝いにきてもらって
また時間あるときにそのお返しで手伝いに行かせてもらう。
そしてその輪をひろげていくことで
じぶんのところにそんな仕事がなくても
手伝いにいけるし
少ない人数でやってても助けてもらうことで
大きな現場も対応できる。

仕事がないときにどこかに手伝いにいかせてもらえば
若いしたぶん問題はなかったと思うんだけど
自分は意図的にその輪に入ることをしませんでした。

いつかちゃんとじぶんで庭づくりの仕事を受注したいと思ってたし
どこかで手伝いでお世話になったら
じぶんが忙しくなったときでもその方から
ちょっと手伝ってと言われたら
それまでお世話になってたのにじぶんが忙しいからって
そんな簡単に断れない。
今、思うとおもしろいし不思議なんだけど
まったく仕事がないときから
僕はずっと忙しくなるときに準備みたいなことをしてました。
だからそのときに時間があったら本を読んでたし
京都や奈良に古庭園や石像などを見に行ってました。
(このことはまた今度!)

よく
B to C とかB to B
とかいうけど
同業者の仲間同士で手伝い合うって
B to B ともちょっと違うし
なんか不思議な独特の働きかたです。
すごい素晴らしいような気もするし
諸刃の剣のような気もする。
答えはわからないけど
僕はそれを意図的に選ばなかったことは
ひとつ大きな判断だったのかなと思います。
厳しい言い方をすると
若い間は楽して食べていける癖をつけないほうがいいんじゃないかってことです。

今でもできるだけ
同業者の方に手伝いに来てもらうことはほぼなくて
どこの現場でもじぶんたちだけでできるようにしたいなって考えてます。
その変わり、会社の規模以上の大きな仕事はできないけど
まあそれもなんかそれでいいのかなぁって思ってます。
うまいこと人が増えてそれに伴って
チームとしての実力もついて
現場の規模は少しずつ大きくなっていく
というのが僕の理想です。
10年前よりちょっと5年前よりもちょっと
少しずつ進化できてるのかなって思います。


目次 前編
壱_信じることができますか?
弐_庭いりませんか?
参_地下足袋と下駄
四_どこでもプレゼン
伍_なにを伝えたいのか
六_植木屋的助け合い
七_いいって何なのか?
後編へ

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